『ART PHOTO TOKYO -edition zero-』 アートは自分の目で見なきゃだめだ、と思った午後

レポート
2016.11.24

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【東京の片隅で、普通に、楽しく生きていく#4】

その日、私が降り立ったのは茅場町駅。今回の現場は地下鉄直結のこの茅場町共同ビル。茅場町にはまずいないであろう、とがったファッションに身を包んだ方が、入り口付近にいる姿がちらほら見受けられます。では、今回も、入口から出口まで、主立った所を一巡りするスタイルでレポートしたいと思います。

地下入り口

地下入り口

 

今回訪れたのは『ART PHOTO TOKYO  -edition zero-』。映像と写真を扱った新たなイベントです。地下から行くと分かりづらいのですが、地上から行くとこんな感じです。リッチな方々はここにタクシーもしくは自家用高級車で乗り付けます。

地上の様子

地上の様子

茅場町らしく、銀行とか証券会社が入っていたビルなのでしょうか。前回に引き続き、今回も廃墟ビルを使うイベントです。

話がそれますがこのイベント、協賛がレクサスとか、資生堂とかサントリーとか、日本を代表するメガカンパニーばかり。なぜこの建物が会場になったのかという理由を深く知りたかったです。メインエントランスがやたらキラキラしていているのにも、何となく納得。

レクサスゴールドかのようなきらびやかな入口

レクサスゴールドかのようなきらびやかな入口

エントランスを入ると、カーペットの上には小田康平氏が店主を務める植物屋『叢(くさむら)』の洒落たサボテンと、レクサスの新車の展示と、猿田彦珈琲。丸の内と六本木と恵比寿をあわせたようなこの取り合わせ。意味はあまり深く考えずに展示室へ向かいます。

『叢(くさむら)』のサボテンたち

『叢(くさむら)』のサボテンたち

さて、このイベントのポイントは、出展がアートギャラリーが扱うファインアート(純粋芸術。大衆芸術と区別して指す言い方)だけでなく、コマーシャルやファッション界で活躍するアーティストも参加しているという点。ローラやバーバル、桐島ローランド、レスリー・キーなども参加しています。

ローラの作品 テレビでもカメラ持っているの見かけます

ローラの作品 テレビでもカメラ持っているの見かけます

レスリー・キーの作品

レスリー・キーの作品

桐島ローランドの作品 モデルはマタニティーの田丸麻紀

桐島ローランドの作品 モデルはマタニティーの田丸麻紀

中でも面白かったのが、メインの機材をチェキ(懐かしい……)で撮影する、世界で唯一のアーティスト・米原康正氏の作品。

筆者もチェキしてもらいました

筆者もチェキしてもらいました

こちらは、作品の中にVRで入る事ができるコーナー。砂漠の写真を見ているのですが、下に砂が敷いてあり、本当に砂漠にいるようです。

初めてのVR体験を楽しむ筆者

初めてのVR体験を楽しむ筆者

会期中には、「レスリー・キー×安藤政信」「蜷川実花×田中杏子」などのトークショーも実施。この時は、インテリアデザイナーの森田恭通氏とSENSE編集長の守谷聡氏のトークショーが行われておりました。

昨年、本場パリのアートフェアに参加した森田氏の作品の話と、お二人のアートとの向き合い方についてのトーク。たくさんのお話の中で特に私のなかに残ったのは、「アートはお金持ちが買うためのものだけではない。(中略)生活の中に、自分の部屋の中に当たり前にあって、それを目にしたとき、自分の感情がニュートラルになるような、ある意味ペットのような存在。」という発言です。

昨今、「人はモノではなく体験にお金を払うようになりました。」などとよく言われていますが、アートもそれと同様だなと私は思うのです。アートって、やはりネットやテレビで見るより自分の目に映した方が断然いいし、心が動かされます。人の創造物は、あるがままの自然(草花、山、空、生物など)の美しさにはかないませんが、その自然に心を動かされた作者が、映像なり写真なり絵なり音楽なりでそれらを表現する。そうして生まれた作品は、人の視点や手を経たからこそ、自然とはまた異なった何とも言えない美しさがありますよね。そしてそれが、アートが人を感動させる理由の一つなのかなと思うのです。だからアートは実際に見ないとだめなのではないでしょうか。

語りすぎましたが、「アートが欲しい!」という気持ちは、物欲とはまた違うものと言えるかもしれません。そんな、"買いたくなるようなアート"に出会いたいと思わされたトーク内容でした。

昨年パリフォトに出展された森田恭通氏の作品 女性の体の美しさを表している

昨年パリフォトに出展された森田恭通氏の作品 女性の体の美しさを表している

とはいえ「どんなアートを買えばいいの?」という疑問も湧きます。トークショーの中で森田氏は、有名無名にとらわれず「ほしい!」と思ったものを買えばいいと発言。それくらい直感に訴えかけるアートに出会うためには、色々な作品を見にでかける必要がありそうです。

守谷聡SENSE編集長×森田恭通氏 とのトークショー

守谷聡SENSE編集長×森田恭通氏 とのトークショー

最後に、私が一番「素敵!」と思ったTaka Ishii Gallery によるLuke Fowlerの部屋です。

この緑のカーペットと壁、広さに応じた配置。作品も展示の仕方も素晴らしい。かっこいい。こんなアートが飾られているオフィスで働きたい! この胸のときめきを、インターネットでは伝えきれないのが残念です。みなさん、やっぱり、アートは自分の目で見に行ったほうがよさそうですよ。

Taka Ishii Gallery Luke Fowlerの部屋

Taka Ishii Gallery Luke Fowlerの部屋

 

イベント情報
ART PHOTO TOKYO -edition zero-

日時:2016年11月18日(金)~20日(日)
会場:茅場町共同ビルディング

出展者:北島明、清水はるみ、宮本敬文、柿本ケンサク、レスリー・キー、PKCZ®、P.M.Ken、ローラ、桐島ローランド、若木信吾、米原康正、森田恭通

TCK出展作家:操上和美、鋤田正義、藤塚光政、藤井保、広川泰士、大森克己、泊昭雄、平間至、戎康友、津田直、新津保建秀、瀧本幹也、在本彌生、井賀孝、WATARU、TAKAY、瀬尾浩司、横浪修、吉永マサユキ、野口里佳、笹口悦民、赤尾昌則、市橋織江、守本勝英、塩田正幸、荒井俊哉、木寺紀雄、水谷太郎、濱田祐史、小浪次郎、草野庸子(以上31名、順不同)

出展ギャラリー:
AOYAMA | MEGURO & GALLERY KOCHUTEN(羽永光利)
art & science gallery lab AXIOM(脇田玲)
G/P Gallery(横田大輔)
Gallery Koyanagi(Thomas Ruff)
Gallery SIDE 2(田附勝、佐藤姿子)
hiromiyoshii roppongi(篠山紀信)
MISA SHIN GALLERY(志水児王/小沢剛/Back Seung Woo)
Mizuma Art Gallery(宇佐美雅浩)
Mori Yu Gallery(河合政之)
Mujin-to production(朝海陽子)
OTA FINE ARTS(さわひらき)
POST / twelvebooks(Broomberg&Chanarin)
新宿眼科画廊(青柳菜摘)
ShugoArts(米田知子/森村泰昌)
Taka Ishii Gallery(Luke Fowler)
TARO NASU(ホンマタカシ)
小山登美夫ギャラリー(蜷川実花/Ryan McGinley)
URANO(中島大輔)
Yumiko Chiba Associates(大島成己/山城知佳子)
B GALLERY [操上和美/日比遊一/福永一夫/赤木楠平/大和田良]
VICE MEDIA JAPAN株式会社
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