北村有起哉・田畑智子の2人芝居『豚小屋』、1月に上演!
北村有起哉・田畑智子
南アフリカの劇作家アソル・フガード、彼は1980年代後半、まだ南アフリカにアパルトヘイト(人種隔離政策)が残っていた時代に、『シズウェは死んだ!?』を書き、世界中の注目を集めた。
その戯曲を地人会新社の前身である地人会が日本で初めて上演(1987年、当時のタイトルは『こんな話』)、そのときから日本の演劇界のアソル・フガードブームが始まった。その後、地人会新社が発足、「この作品から始めたい!」という主宰の思いにより、第1回公演に『シズウェは死んだ!?』を上演した、という経緯がある。
そして、2014年、アソル・フガードは「第26回高松宮殿下記念世界文化賞」を受賞。その式典の際にフガード氏と地人会新社とは、フガード作品を日本でまた上演するという固い約束を交わした。
その約束を果たすために、今回、アソル・フガードの数ある作品の中から、演出家・栗山民也の意思もあって、『豚小屋』を上演する運びとなった。
出演は、映像をはじめ幅広く活躍、今年の舞台『BENT』でも鮮烈な演技で観客に衝撃を与えた北村有紀哉。そして、パルコ劇場最終公演の『母と惑星について、および自転する女たちの記録』で、天性の演技力で魅了した田畑智子。この2人が夫婦役として、フガートが描く真の自由と解放への願いに満ちた作品『豚小屋』を演じる。
【あらすじ】
『豚小屋』~ある私的な寓話~と副題があるように、それは「想像上のどこかの小さな町の小さな豚小屋」によって繰り広げられる。
軍より脱走して10年。パーヴェル・イワーノヴィッチ(北村有起哉)は湿っぽくうすら寒い家畜小屋で、豚と隣り合わせに暮らしている。「大勝利記念式典」の開かれる日、その場に出て自分の存在を明らかにしようとするパーヴェル。しかし着ていくつもりだった軍服がぼろぼろだ。そこで妻・プラスコーヴィア(田畑智子)に未亡人として出席するよう言う。どちらにしても2人が「この場所」を出る事は危険であり、この先の運命がかかっているのだ。
長い長い時が流れた。美しい蝶が舞い込み、それを豚が食べる。その豚をパーヴェルが殺す。外の空気が吸いたい! パーヴェルは女装し、2人は夜中の町に出る。風・大地の匂い・満天の星・コオロギさえも2人にとっては感動なのだ。
そしてもっと先まで、そう、逃亡したい願望がむくむくと湧き上がる。しかし現実を知るプラスコーヴィアは、1人豚小屋に戻る。追いかけ戻るパーヴェルは、今度は豚になる!と言い出す。すべては生きていることを確認したいがための行動か。そしてその夜、ついに結論にたどり着く。
第二次世界大戦中、ソビエト軍から脱走し、41年間「豚小屋」に隠れ生きていた実在の人物の物語に刺激を受け、書かれたこの作品は、夫婦の絆と人間としての誇りに満ち溢れ、見る者に勇気と清々しさを与える。
『豚小屋』
■作:アソル・フガード
■翻訳・演出:栗山民也
■出演:北村有起哉・田畑智子
■日程:2017/1/7~15
■会場:新国立劇場 小劇場
■料金:
A席6,500円 B席5,000円 25歳以下3,000円(全席指定・税込)
プレビュー公演は全席3,500円 25歳以下2,000円
■お問い合わせ:J-Stage Navi 03-5912-0840(平日11:00~18:00)
■公式サイト:http://www.chijinkaishinsya.com/