『パッション』ソンドハイムの傑作を日本で初演

ニュース
舞台
2015.8.22
左より:シルビア・グラブ/井上芳雄/和音美桜/福井貴一 撮影:熊谷仁男

左より:シルビア・グラブ/井上芳雄/和音美桜/福井貴一 撮影:熊谷仁男

今夏のミュージカル界を席巻した大ヒット作『エリザベート』で“黄泉の帝王”トート役を演じて好評を博した井上芳雄が、勢いもそのままにミュージカル『パッション』に主演する。今年の春に代表作の一つである『イントゥ・ザ・ウッズ』が豪華キャストで映画化、公開されるなど、話題も多いブロードウェイ・ミュージカルの鬼才スティーブン・ソンドハイムが作曲、1994年に世界初演した作品だ。

イタリア映画『パッション・ダモーレ』を基に、究極の愛、そして美醜という非常に難しいテーマを扱い、最優秀ミュージカル作品賞、楽曲賞、脚本賞などトニー賞主要4部門を獲得した作品で、今回が待望の日本初演となる。

井上扮する青年兵士ジョルジオは美しい恋人と恋愛関係にあるが、赴任先で、美貌に恵まれない病気の娘に思いを寄せられる。当初娘を寄せ付けないジョルジオだったが、彼女のあまりに激しい愛にやがて心動かされてゆき…。

「僕が思うにこれは、“逆『オペラ座の怪人』”のシチュエーション。傷を負う女性に愛されるという興味深い役どころで、二人の女性の間で揺れるうち、ジョルジオは何が本当の愛か気づいていく。今回ソンドハイム作品初挑戦となりますが、彼の楽曲にはいい意味で期待を裏切るところがあって、その複雑さに人の心の機微を表していくところがあると思う」と、作品の見どころを語る井上。ミュージカル界の実力派スターが難作で見せる新たな魅力に期待したい。

文:藤本真由
(ぶらあぼ + Danza inside 2015年9月号から)

公演情報
ミュージカル『パッション』

10/16(金)~11/8(日) 新国立劇場(中)
問合せ:新国立劇場ボックスオフィス 03-5352-9999
http://www.nntt.jac.go.jp/play

11/13(金)~11/15(日) 兵庫県立芸術文化センター(中)
問合せ:芸術文化センターオフィス 0798-68-0255
http://www.gcenter-hyogo.jp

作曲・作詞:スティーブン・ソンドハイム
台本:ジェームス・ラパイン
音楽監督:島 健
演出:宮田慶子
出演:
井上芳雄 和音美桜 シルビア・グラブ 福井貴一
佐山陽規 藤浦功一 KENTARO 原 慎一郎 中村美貴 内藤大希 伊藤達人 鈴木結加里
東山竜彦 吉永秀平 一倉千夏 谷本充弘 白石拓也 小南竜平 岩橋 大 荒田至法


 
WEBぶらあぼ
シェア / 保存先を選択