神木隆之介、『3月のライオン』上海国際映画祭出品&史上初2夜連続プレミア決定に「感謝の気持ちでいっぱいです!」
4月22日、映画『3月のライオン』後編が公開初日を迎えた。東京のTOHOシネマズ六本木ヒルズでは、主演の神木隆之介、共演の有村架純、倉科カナ、清原果耶、加瀬亮、伊勢谷友介、前田吟、大友啓史監督による舞台挨拶が行われた。
『3月のライオン』は羽海野チカ原作の同名コミックを、映画『るろうに剣心』シリーズなどで知られる大友啓史監督が実写映画化した作品。中学生という異例の若さで将棋のプロとしてデビューし、東京の下町にひとりで暮らす17歳の桐山零(神木隆之介)が、同じ下町に川本あかり、ひなた、モモの3姉妹と出会ったことから棋士として、人として成長していく姿を2部作で描く。
神木は、作品の見どころを「衣装」とし、演じた零のファッションを挙げて、「僕が着るダッフルコートの色にも何種類かあって、シーンの雰囲気で色が変わっている」と細部にわたるこだわりを紹介。演技については、「前編・後編の間は少しだけ時が経っているという設定なので、後編では前編に比べて歩く速度や姿勢も変えました。それによって心に余裕ができ始めた感情を表現したかった。対局維持の姿勢やスピードにも注目して」とアピール。すると伊勢谷が「自分のシーンが一番好きなんですって!」と茶々を入れて、神木が「言い方!言い方!」と慌てて笑わせる一幕も。
そんな伊勢谷は「棋士の皆さんが緊張感を持って人生をかけて将棋を打っているのを感じた。そんな戦いのオーラからこの映画のファンになった」とコメント。さらに「神木君じゃなければこの役は出来なかったのではないかと思う。もう単なる一ファンのオジサンですよ」と、神木を賞賛。将棋初心者という加瀬は「将棋に関する動きは一から教わりました。撮影では駒を指す手元だけを映すのかと思ったら、ずっと長回しの演出だったので予想以上に疲労。結構しんどかったですね」と舞台裏を明かした。
また、神木は対局シーンについて、「撮影に入る前にどのような手で指すのか、その理由を含めて教わるけれど、演じる中では自分が実際に考えて指しているような感覚にするために、教わった事を捨てる作業が必要でした。そこに葛藤があった」と回想。伊勢谷は「それがあるからリアルに映るんでしょうね」「それも含めて、この映画の素晴らしさをぜひ伝えたいですね」と感心しきり。
清原と倉科は、川本家での食事シーンについてコメント。清原は「食事のシーンは休憩中からにぎやかで毎日楽しかった。友達から『リアルに見えるよ』と言ってもらえました」と身近な反響にニッコリ。また、倉科が「食べることは、生きることや楽しむことに繋がる。それが食事のシーンに詰まっている」と語ると、神木は「食事は本当に美味しかったです。ずっと食べていました。零を大食漢イメージにしたかったので、大口で食べました」と明かした。前田は「撮影はずいぶん前だから忘れちゃったなぁ。俺はもう70歳を超えているからね」と笑わせつつ、「大友監督は俳優の魅力を引き出すのは日本一だね。黒澤明監督の孫がここに誕生しましたよ!」と絶賛していた。
有村は、川本家で起こる感情を揺さぶるシーンを挙げ、「ひなちゃん(清原)がイジメに合いながらも、自分のやったことは間違っていないというシーンは胸がグッと苦しくなった」と振り返る。大友監督は「ラストも、これで終わりというラストシーンではなく、これから始まるというラストにしたかった。それぞれのシーンが観客の皆さんの心に残って続いていくといい」とメッセージを投げかけた。
イベントでは、後編大ヒット祈願の鏡開きも開催。酒樽の中から出てきた赤い封筒には、6月17日から中国で開幕する第20回上海国際映画祭パノラマ部門に同作が正式出品され、史上初の2夜連続プレミア上映される旨が記されていた。
サプライズ大きなニュースを知らされた神木は、「何の手紙なのかと思った~」とこぼしつつ、「嬉しい、沢山の方に見てもらいたい。史上初ですか……しかも2夜連続。“史上初”って響きが嬉しい。幸せなこと。皆さんに本当に感謝です」と喜びをあらわに。そして、「無事に前後編の二部が公開されて……僕らの手元から離れて映画は皆さんの作品になりました。これからも愛情を持って見守ってほしい」と公開までの道のりを思い出すかのように目を細め、「感謝の気持ちでいっぱいです!」と思いのたけを語っていた。
映画『3月のライオン』前編・後編は公開中。
映画『3月のライオン』
映画『3月のライオン』 (C)2017 映画「3月のライオン」製作委員会
監督:大友啓史
原作:羽海野チカ「3月のライオン」(白泉社刊・ヤングアニマル連載)
脚本:岩下悠子 渡部亮平 大友啓史
出演:
配給:東宝=アスミック・エース
中学生という異例の若さで将棋のプロとしてデビューし、東京の下町にひとりで暮らす17歳の棋士、桐山 零(きりやま れい)。彼は、幼い頃に両親と妹を交通事故で亡くし、孤独を抱え、来る日も来る日も、すがりつくように将棋を指し続けた。そんなある日、零は同じ下町に住む三姉妹・川本あかり、ひなた、モモと出会う。それは、将棋盤以外の“自分の居場所”との出会いでもあった…。激しい才能と激情がうごめく棋士たちの生きる将棋の世界と、陽だまりのような川本家の食卓。数々の対局とあたたかな人々との交流を通じ、零は棋士として、人として、ある覚悟を決めていく。
映画公式サイト 3lion-movie.com
(C)2017 映画「3月のライオン」製作委員会