鳥の演劇祭8、今年も開幕!

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鳥の劇場『古事記』 撮影: 中島伸二

鳥の劇場『古事記』 撮影: 中島伸二

演劇が「街の窓」として根付いた素敵

敗戦70年。
編みなおしたい、
私が私であることを、私と世界のつながりを。
 
 今年で8回目を迎える「鳥の芸術祭」が、鳥の劇場による『古事記』、フィンランドで活動する現代サーカスのカンパニーNUUAによる『LENTO』、振付家のアオキ裕キが路上生活者に呼びかけて2005年から活動している新人Hソケリッサ!の『新世界ワルツ』などで幕を開けた。鳥取県東部の鳥取市鹿野町にて、これから週末、シルバーウィークを中心に3週間、松井周率いるサンプルや鳥取のカンパニー、韓国、インドネシア、イスラエルなどから集まる演劇やダンス、地域住民や子どもたちによる上演も含め、楽しみながら考え、考えながら楽しむラインナップが次々に繰り広げられる。 。

 今年は戦後70年ということもあり、「鳥の演劇祭」でも、トークイベントやリーディングを通して劇場という場で、演劇を通して戦争や戦後の日本について考える企画が準備されているのも特長。この地域に演劇を根付かせ、世界への窓口ともなってきた中島諒人率いる鳥の劇場は『兵士の物語』を初演する。彼らは1年を通して戦争を題材にした作品に取り組んできているが、『兵士の物語』は、舞台設定を戦中の鳥取に置き換え、戦争とビジネスに翻弄される人間の姿を描きだすという。韓国の第12言語演劇スタジオは、1930年代の日本統治下のソウルを舞台に、実在の小説家パク・テウォンを主人公にしたシリーズの第2弾、若手芸術家たちの友情や恋愛模様を通して、韓国の近代化の過程を微視的な視点から描いた『昭和10年、我らが青春』を上演する。

 一方で、2009年以降、毎年「鳥の演劇祭」で作品を発表している地元・鹿野町に住むメンバーを中心に、継続的に活動している「とりっとダンス」が『ワタシと 少し違うところにたつ私』では外部のアーティストに頼らず自分たちで振り付けを考えて作品を上演するのも、フェスティバル継続の成果。ほかにもいくつも地元のカンパニーが登場する。

 せっかく鳥取に行くのだから、町の空気や生活感も味わいたい。そんな向きには、演劇祭の会場でもある鹿野町に住むひとりの女性に焦点を当て、俳優たちがその半生を演じながら、鹿野を歩き、かつての町の様子や変わりゆく時代を生き抜いた人々の人生に思いを巡らせることができるタイムスリップツアー『茂子の皆勤賞』はいかがだろう。併せて鳥の演劇祭期間中限定、コーヒーの達人・まる達さんのコーヒーと鳥取市内の「cafe-nee」による地元食材を使った食事が楽しめる「鳥のカフェ」、鳥取でしか出会えない品々を集めた鳥の劇場内セレクトショップ、空き家や空き店舗に週末のみいくつもの「おみせ」が出店する「まちのみせ」(作品展示やパフォーマンスもあり)なども楽しみたい。

 なお、『鳥の演劇祭8』は、2014年に続き、「鳥取各地で活動する団体、個人が国内外よりアーティストを招き、藝術とともに住まうことを通じて、日常を拓き、豊かな暮らしを模索する」をコンセプトとする「鳥取藝住祭」のメインイベントとして開催される。
 
『昭和10年、我らが青春』  2008, Doosan Art Center

『昭和10年、我らが青春』  2008, Doosan Art Center

とりっとダンス[鳥取]『ワタシと 少し違うところにたつ私』  『日はまた昇るのなら』撮影:中島伸二

とりっとダンス[鳥取]『ワタシと 少し違うところにたつ私』  『日はまた昇るのなら』撮影:中島伸二


 
公演情報
鳥の演劇祭​

日時:2015年9月12日(土)〜27日(日)
会場:鳥の劇場と鳥取市鹿野町内各所
公式サイト:http://www.birdtheatre.org/engekisai/
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