大泉洋を4年にわたり取材・分析!映画化も見据えた初主演小説『騙し絵の牙』が発売へ「私の写真集と言っても過言ではございません」

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2017.8.23
左から、塩田武士氏、大泉洋

左から、塩田武士氏、大泉洋

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小説家・塩田武士氏が俳優・大泉洋を分析し尽くして‟あてがき”した小説『騙し絵の牙』が8月31日(木)に発売される。

『騙し絵の牙』は、出版社と作家に加え、芸能事務所そして俳優までが一体となって、発案当初から映像化をも見据え企画された文芸作品。出版社は数少ない文芸のヒット作に対して映画会社などから映像化の声がかかるのを待ち、芸能事務所は俳優に適した映像化作品が生まれるのを待つ……そんな一般的な流れに抗う企画だという。

同小説は、社会派作家・塩田武士氏が4年間にわたって俳優・大泉洋氏に関する丁寧な取材と綿密な分析を行い、‟あてがき”する異例の形で執筆。さらに、大泉本人からの細部にわたるアドバイスをもらい、読者が大泉洋個人を自然に主人公に重ねて読み進めることができるように仕上がったという。塩田氏にとっても、10作目にあたる渾身の一作だ。

騙し絵の牙 著者:塩田武士 写真(モデル):大泉 洋 発行:KADOKAWA

騙し絵の牙 著者:塩田武士 写真(モデル):大泉 洋 発行:KADOKAWA


発売決定にあわせ、大泉が主人公に扮したカバーも解禁さえている。単行本のカバーを飾るのは実はこれが初という大泉。画像では、グレーのスーツに身を包み、原稿や書類を脇に抱え編集長・速水に扮している。また、大泉の影が‟騙し絵”になっている点にも注目だ。装丁を担当したのは、星野源ほかアーティストのCDジャケットなどを手掛けるアートディレクター吉田ユニ氏。裏表紙は別カットをデザインしているという。
 
塩田氏、大泉のコメントは以下のとおり。

塩田武士(著者)

実在の俳優、それも唯一無二の役者をアテガキにして小説を書く——。
芸能事務所の方と編集者と打ち合わせを続け、「完全アテガキの社会派小説」という未知の世界を前に何度もプロットを修正。新時代のメディア・ミックスに備えました。もちろん、大泉さんとも打ち合わせをし、その場で非常に鋭く厳しい読者目線のアドバイスをいただいたことにより、物語はさらに進化しました。それぞれの立場で、真剣に作品について考え続けた結果、私のイメージを遥かに超えた「小説の核」が出来上がったのです。

さらに主人公の速水輝也と大泉洋さんの「完全同期化」を目指し、私は大泉さんの映画やバラエティー番組、舞台を観て、語尾や会話の間、どのような方法で笑いを取っているかを分析しました。作品中に速水が接待でモノマネをするシーンがありますが、それはほぼ全てが大泉さんのレパートリーです。改めて実感しました。こんな振り幅の大きい俳優はいない、と。

取材、執筆に4年。今は「もうできることはない」という清々しさが胸の内にあります。「物語の内容が現実とリンクしていく可能性がある」——そう気づいたとき、読者の皆さまはどんな未来予想図を描かれるでしょうか?

本を愛する全ての人たちへ。さぁ、新しい扉を開いてください。

 

大泉洋

今回『騙し絵の牙』のカバーを担当させてもらいました。
もともと私をイメージして塩田さんが小説をお書きになられたというちょっと変わった作りの小説です。
そもそも、この『騙し絵の牙』の発案の出発点というのが、雑誌『ダ・ヴィンチ』の表紙に出るとき、おすすめの本を一冊選ばなければならなかったことなんです。私は表紙撮影がある度に、『大泉エッセイ』を担当してくれていた同編集者に、いつも「お薦めの本、ない?」と、聞いていたんです。“映像化されて、私が主演をできるような小説”をと。それを、毎回訊かれるのが、彼女はめんどくさくなったんでしょうね。「じゃあ、もう大泉さんを主人公としてイメージした本をつくります!」と言ったのが始まりなんです。

今回速水というやたらかっこいい雑誌の編集長が出てくるのですが、あくまで塩田さんが私をイメージしたらこうなったというキャラクターです。たいがいダメなお父さんを演じるのが多い私ですが、今回は実に大人なかっこいい男で、この速水に扮してカバーも撮影しました。 中にも私の写真が入っておりまして、私の写真集と言っても過言ではございません!

でも今、何より怖れているのが、この小説が映画化されたとき、速水役が私ではない、ということです。映画館で「特報」を観て、『騙し絵の牙』ってタイトルが出てきてるのに、主演俳優が違っていて「あー! 俺じゃない」って。本書の帯のキャッチに<最後は“大泉洋”に騙される!>ってあるんだけれど、<最後は“大泉洋”が騙される!>って。実はそれが“騙し絵の牙”だったんだと。それだけは避けたいですね。

書籍情報
騙し絵の牙(だましえのきば)
あらすじ
大手出版社で雑誌編集長を務める速水輝也。誰もが彼の言動に惹かれてしまう魅力的な男だ。ある夜、上司から休刊を匂わされたことをきっかけに、速水は組織に翻弄されていく。すると次第に彼の異常なほどの“執念”が浮かび上がってきて……。斜陽の一途を辿る出版界で牙を剥いた男が、業界全体にメスを入れる。
著者:塩田武士
写真(モデル):大泉 洋
発売日:2017年8月31日(木)
定価:本体1,600円+税
仕様:四六判/384ページ
I S B N :978-4-04-068904-3
発行:KADOKAWA
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