殺人ピエロ映画『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』が思い起こさせる『学校の怪談』の感覚 EMILYのゆるふわ映画談vol.12
(C)2017 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC. ALL RIGHTS RESERVED.
こんにちは、男女J-pop・フォークデュオHONEBONEのVo.担当高円寺系ハーフのEMILYです!
すっかり寒くなってきましたね~。11月は新しい映画がたくさんやっていますね! そんな中、今回は以前からとっても気になっていたこの作品、私とは縁の深い作品、『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』を観てきました。
【あらすじ】
とある田舎町で児童が相次いで行方不明になる事件が起きた。主人公ビルは、病気しがちな青年。そんなビルの弟ジョージーが大雨の日に忽然と姿を消した。そして、自分を責めるビルの前に“それ”は現れた。目撃して以来、変幻自在に現れる“それ”の恐怖に、ビルは仲間たちと共に立ち向かう決心をするが……。
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この作品の原作は、かの有名なスティーブン・キングの人気ホラー小説。1990年(わあ、私が生まれた年や!)に、一度テレビ映画になっている。それを、『MAMA』で注目を浴びたアンディ・ムスキエティ監督が、再び映画化した作品なのだ。
私は1990年版の、トミー・リー・ウォーレス監督が撮ったほうの『IT』をだいぶ昔に観たことがある。正直、ホラー映画ファンとしては「こわくない!」「緊張感がない!」というのが当時の感想だった。私が月に一度開催しているトークライブでも、「見てはいけないホラー映画編」という回で、「ホラー映画なのにあまり怖くない!」という議題で取り上げたくらい強烈な印象があった(ある意味でね)。
だから、そんな作品が「2017年リメイクされて帰ってくる!」と聞いて、「オイオイ大丈夫か~?」と思ったのが正直なところなんだよね。しかし! 観てみると、こりゃすごい……現代の映画をなめてはいけないと思い知らされた。この物語はさ、ホラーとは言ってるけど、限りなく青春映画なんだよね。それは原作ですでに感じていたし、どことなく『スタンド・バイ・ミー』感が漂っている作品なのよ。そこに、殺人ピエロ“ペニー・ワイズ”が登場することで、スリルやワクワク感を表現した作品だったわけ。けど、当時の技術では限界があったのか、私の感覚がマヒしているのか「恐怖」感がいまいち伝わらなかった印象があった。原作は上下巻とあるしね。
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だから、今回はこの映画を観るときに、原作が伝えたがっている「青春」に目を向けようと思って、いつもホラー映画を見る時の気持ちとは若干違う構えで行ったのよ。だけど、いざ映画が始まると完全に引き込まれちゃってね。もう、さすがアンディ・ムスキエティ監督、完全に緊張感の虜。お化け屋敷の中に突然一人で残されたような感覚が上映中ずっと漂う。一瞬の気のゆるみも許されない中、物語はリズミカルに進んでいく。(結構あっという間!)原作と違って殺人ピエロのペニー・ワイズがかなり怖いし、劇中の音楽がこれまた意地悪なくらいびっくりさせてくる(笑)。あと、音でもかなりびっくりさせてくるしね!
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隣に座っていた女性はびっくりシーンのたびに「ビクッ!!!」ってひきつってたよ。「ここで出てくるんでしょ?」なんて分かっていても本気でびっくりする。なんていうんだろう、アトラクションのような映画だった。そして、同時に1995年公開の映画『学校の怪談』を思い出した。少年たちが一致団結して恐怖に立ち向かっていく話だったんだけど、当時子供だった私も登場人物にかなり感情移入してのめり込んでみていたのを覚えている。今回の作品も、気がつくと少年たちの中に自分もいるみたいな感覚だった。
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まとめるなら、久々の正統派ホラーでかなりびっくり系、だけどほろりと泣けるハートフルな一石二鳥な作品。私的に評価は高め! カップルで観たらなんだかいろんな効果が働いて観終わった後のデートが盛り上がりそう(笑)。
ぜひ、劇場でご覧あれ!
『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』は公開中。
2017年11月15日(水)発売
『静かにしろ』リリースワンマンツアー
2018年1月26日(金)大阪南堀江knave
2018年1月28日(日)渋谷TAKE OFF7
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(2017年/アメリカ/カラー/デジタル/英語/135分)
監督・脚本:アンディ・ムスキエティ
出演:ジェイデン・リーバハー、ビル・スカルスガルド、フィン・ウルフハード、ソフィア・リリスほか
【ストーリー】
“それ”は、ある日突然現れる。一見、平和で静かな田舎町を突如、恐怖が覆い尽くす。相次ぐ児童失踪事件。内気な少年ビルの弟も、ある大雨の日に外出し、通りにおびただしい血痕を残して消息を絶った。悲しみに暮れ、自分を責めるビルの前に、突如“それ”は現れる。“それ”を目撃して以来、恐怖にとり憑かれるビル。しかし、得体の知れない恐怖を抱えることになったのは、彼だけではなかった。不良少年たちにイジメの標的にされている子どもたちも“それ”に遭遇していた。自分の部屋、地下室、バスルーム、学校、図書館、そして町の中……何かに恐怖を感じる度に“それ”は、どこへでも姿を現す。ビルとその秘密を共有することになった仲間たちは“それ”に立ち向かうことを決意するのだが。
公式サイト:http://wwws.warnerbros.co.jp/itthemovie/
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