楠本桃子のゲームコラムvol.63 ネジ君の人生は自分の手の中に!『ROOMMANIA#203』
※製品紹介サイトより引用
本日紹介するゲームは『ROOMMANIA#203』!
2000年1月27日、ドリームキャストで発売されたセガのゲームです。本作はPS2への移植版も発売されていますが、ゲームアーカイブスなどでの配信はされていない隠れた名作。一言では言い表すことのできない刺激的な魅力がつまった本作の魅力に迫ります!
【人の人生に介入できたら、なにをする?】
※製品紹介サイトより引用
本作のゲームジャンルを一言で表すなら、“人生介入シュミレーション”。主人公である大学生、「ネジ君」の人生を神様視点で覗いてみましょう。そして、平凡な彼の人生をちょっとだけ変えてあげましょう!
本作では、ネジ君の生活を見守ることが基本となるゲームのため、プレイヤーが介入できるシーンは少ないです。しかし、その少ないタイミングのちょっとした瞬間こそがゲームの行方を左右する重大なアクションとなります。
普段は定点カメラでネジ君を観察。ネジ君の行動は、画面上に表示され続けるため、神様であるプレイヤーには次にネジ君がどんな行動をとるのかもまるっとわかってしまいます。しかし、観察時にボールを投げると、ネジ君の意識はそのボールが当たった部分に向いていきます。自分の手でネジ君の行動を導いてあげると、彼の生活にも非日常がおとずれるかもしれません……!! そんな非日常を繰り返し起こし、ネジ君の人生を一緒に体験していく、というのが大筋。
また、ネジ君が出かけたときや部屋から出たときにはガサ入れのチャンス! モノを少し動かしてみたり、変化させてみたりして、いたずらを行ってみましょう。そのいたずらが物語の命運を左右するかもしれません。ネジ君の外出中には彼が書いた日記を読むこともできます。それにより、今ネジ君の周りで起こっている出来事を知ることとなります。神様といえど、部屋の外に出ることはできません……。
ネジ君がどんな行動を起こすかにより、発生するシナリオも変化していきます。シナリオは4つあるのですが、どのシナリオもどこか不思議さと切なさが漂う独特なもの。本作にしか出すことのではない、個性的な温度感は、ゲームデザインだけではなく、物語全体にも現れています。
【ゲームに華を添える存在、セラニポージって?】
※セラニポージ公式サイトより引用
本作を語るために欠かせない存在、それが「セラニポージ」です。
(※セラニポージについては、以前もこちらでお話ししているため、是非そちらもあわせてお読みください。)
その正体は、『ROOMMANIA#203』に登場する架空のアーティスト。ネジ君が大好きなアーティストで、彼の部屋ではよくセラニポージの音楽が流れています。
もともと本作はセガのサウンドチームである「WAVEMASTER」が指揮をとった異色作。そのため、作中の音に対するこだわりも強く、そのこだわりが形として最も表れているのがセラニポージです。ゲーム中に登場する架空のアーティストでありながら、実際にゲームに先駆けてデビューをし、サウンドトラックという形式ではなくアーティストのアルバムとしてCDを発売したセラニポージ。その音楽は、一度聴いたら忘れられない可愛らしいモノばかり。本作をプレイしたことのない音楽好きからも、高評価を得ています。
シナリオと絶妙にリンクした歌詞、ふわふわとしたウィスパーヴォイス、耳に心地よいメロディ。一度聴いたらあなたもネジ君のように虜になること間違いなし!!
【ニュールーマニア ポロリ青春!】
※製品紹介サイトより引用
さて、『ROOMMANIA#203』を紹介してきましたが、続編である『ニュールーマニア ポロリ青春』という作品も是非プレイしていただきたい作品のひとつ。基本的なシステムは『ROOMMANIA#203』と変わりはありませんが、ネジ君は立派な社会人になっています。
そしてなんと、ネジ君同様、主人公のひとりである新しいキャラクター、女子大生の「カカトちゃん」も登場。二人の主人公の人生に懲りることなく介入し、非日常を味あわせてあげましょう!
『ニュールーマニア ポロリ青春』では、シナリオ数も7本に増加。もちろん、セラニポージの新曲を聴くことだってできちゃいます。「社会人は辛いよ……」と言いながら、朝に玄関のドアを開けるネジ君の哀愁はどこかホロリと来てしまいます。
『ROOMMANIA#203』だけでは物足りない、もっとルーマニアの世界に浸りたい! という方は、是非『ニュールーマニア ポロリ青春』もプレイしてみてください。
【ルーマニア、新プロジェクト発動!?】
そんなルーマニアシリーズですが、なんと「project one-room(仮)」という新プロジェクトが進行中だとか! 同時にセラニポージも大復活!という、ファンにとってはとても嬉しい報告が『TGS2017』で行われました。こちらの新情報の発表を待ちつつ、前作である2本の予習復習プレイをオススメします!