アジアのアートシーンを牽引するリー・キットの個展『僕らはもっと繊細だった。』が、原美術館で開催

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アート
2018.8.24
(C) Lee Kit, courtesy of ShugoArts

(C) Lee Kit, courtesy of ShugoArts

リー・キットの個展『僕らはもっと繊細だった。』が、2018年9月16日(日)〜12月24日(月・祝)まで、東京都品川区・原美術館で開催される。

2013年ヴェネチアビエンナーレで脚光を浴び、アジアのアートシーンを牽引する注目の作家リー・キット(李傑/Lee Kit)。日本の美術館では初の個展開催となる。

現在、台北を活動拠点にするリー・キットは、中国への返還(1997年)を経て変貌していく故郷・香港でアーティスト活動をスタートした。近年は、絵画やドローイング、プロジェクターの光や映像、さらには家具や日用品等を配置し、展示空間全体を淡い色調の絵画のように仕上げたインスタレーションに力を入れている。

独特の歴史的背景を持って揺れ動く街・香港を出自とするリーは、アートという開かれた表現を通して自身のあり方を問い、自分が生きる今の世界と向かい合おうとしている。展覧会を開催する場合、その街、その場所の空気や感情に静かに寄り添い、サイトスペシフィックな作品(=特定の場所に存在するために制作すること)を創り上げるのも大きな特徴だ。

原美術館の建物はもともと原家の私邸であり、第二次世界大戦を乗り越え、GHQから返還された後、美術館に生まれ変わって40年の時を経ようとしている。この場からリーが何を感じ、どのような新しい“絵画”を描くのか、本展は彼の魅力が遺憾なく発揮される機会となることだろう。

アーティストプロフィール

リー・キット(李傑/Lee Kit)
1978年香港生まれ。2008年香港中文大学美術学部修士課程修了。台北を拠点に、アジア、アメリカ、ヨーロッパ各地で滞在制作を行い、美術館、ギャラリー、アートスペース等での発表を続けている。
2013年、ヴェネチアビエンナーレの香港代表。2016年にはウォーカー アート センター(アメリカ、ミネアポリス)とS.M.A.K.(ベルギー、ゲント)において個展を同時開催。
2017年にはパレ ド トーキョー(フランス、パリ)の「Sous le regard de machines pleines d’amour et de grâce」展に参加。
日本では、2014年よりシュウゴアーツにて3度の個展の他、2015年に資生堂ギャラリーにて「The Voice Behind Me」展を開催。
広島市現代美術館のグループ展「被爆70周年 ヒロシマを見つめる三部作/ふぞろいなハーモニー」(2015年)に参加。

イベント情報

リー・キット『僕らはもっと繊細だった。』
会期:2018年9月16日(日)〜12月24日(月・祝)
会場:原美術館(東京都品川区北品川4-7-25)
原美術館公式サイト:http://www.haramuseum.or.jp
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