【RUSH BALL 2018 クイックレポ】クールに、確実に刻んだPAELLASの魅力

RUSH BALL 2018【ATMC】 PAELLAS

幻想的なSEに誘われるかのように人々が集まってきた中、登場したのは4人組バンド、PAELLAS。まだまだ日差しの強い15時半からのATMCに登場した。

｢よろしくお願いします。僕、(泉大津市と)隣の岸和田出身なんです。近いのでご贔屓にお願いします｣というMATTON（Vo）の挨拶からスタートしたライブは、3月リリースの「Yours - EP」からまずは｢Pray For Nothing｣をプレイ。浮遊感のあるサウンドに乗せて、このバンドの魅力の1つであるMATTONの甘い歌声をじっくりと響かせていく。
セクシュアルかつロマンチックなサウンドから夜の雰囲気が漂う彼らだけに、青空の下というシチュエーションにやや不思議な感覚に陥ったが、始まってみればなんのその。立て続けに披露されたスタイリッシュな｢Shooting Star｣、「Yours」のリード曲である｢Echo｣と、スケール感のある音楽はとても心地よく広がり、勝手に抱いていた違和感を払拭していく。

｢Anna｣を演奏する前に、｢僕、岸和田に住んでいて、RUSH BALLがある日はいつも天下茶屋とか近隣の駅がドロドロになるんですよ。どんな荒くれ者が暴れているフェスなのかなと思って、(今日は)ドキドキして来ました。でも平和的で安心しました｣と話したMATTON。都会的なダンスビート、洗練されたブラックミュージック、浮遊するサイケデリアを基調とした洗練された深いサウンドは、じっくりと楽しむに尽きる。それを証明するかのように、集まったオーディエンスたちはリズム、グルーブに合わせ、ゆったりと体を揺らし、時には手を挙げ、思い思いに彼らが鳴らす音楽を堪能していた。

スウィートなミドルナンバー｢Anna｣を演奏し終わると、音の余韻が残る中ステージを後にした4人。最後の1音が消えるまで堪能していたオーディエンスが多くいたように、その音楽はしっかりと刻まれたはずだ。
 

文＝金子裕希　撮影＝森好弘

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