英国ロイヤル・バレエ団のカスバートソンとモレーラが新国立劇場バレエ『不思議の国のアリス』にコメント
ローレン・カスバートソン
ラウラ・モレーラ
来たる2018年9月14日(金)~9月19日(水)、「英国ロイヤル・オペラ・ハウス 2017/18 シネマ・シーズン」におけるロイヤル・バレエのアンコール上映が、TOHOシネマズ日比谷とTOHOシネマズ日本橋にて開催される。上映されるのは、『バーンスタイン・センテナリー』『くるみ割り人形』『不思議の国のアリス』『白鳥の湖』『マノン』『冬物語』の人気6作品だ。なお、TOHOシネマズ日本橋では、左右の壁から壁いっぱいに拡大されたTOHOシネマズの独自規格ラージスクリーン「TCX」で上映される。同規模座席数のスクリーンよりも約120%拡大された画面サイズで、ダンサーの表情や足先の動きなどより細かい部分までバレエを堪能できる(TCXでの上映は18日まで)。
6作品のうち、9月16日(日)に上映されるバレエ『不思議の国のアリス』は、2018年11月に新国立劇場バレエ団が上演することも決定しており、特に注目度が高い。本作品は2011年にロイヤル・バレエで初演、その後、改訂され、今回の上映で観ることのできるのが、その最新形といえる。原作は、ナンセンス文学史上の金字塔とされ、言語遊戯がふんだんに散りばめられたルイス・キャロルの同名小説だが、その遊戯的エッセンスはそのままに、極上の音楽や、美術などの視覚効果と共に全く新しいバレエ作品として再構築してみせたのが振付家のクリストファー・ウィールドンだった。2015年にミュージカル『パリのアメリカ人』(2019年春に劇団四季が上演)でトニー賞振付賞を受賞するなど、いまや世界が最も注目する振付家の一人であるウィールドンであるが、やはり、彼の代表作といえば、バレエ史を塗り替えたといっても過言ではない『不思議の国のアリス』にほかならないだろう。
そして、もしあなたが、新国立劇場にバレエ『不思議の国のアリス』を観に行こうと思っているのであれば、そのオリジナル版ともいうべきロイヤル・バレエの同作品を映画館で予め見ておくことこそ、最良の予習となることは間違いない。あるいは、ロイヤル・バレエ版と新国立劇場版の違いを楽しむうえでも、ロイヤル・バレエ版のアンコール上映はぜひ観て欲しい。そのうえで注目したいのが、今回上映される『不思議の国のアリス』において、ヒロインのアリス役を美しく愛らしく踊っているローレン・カスバートソン、そして、ハートの女王役を憎たらしく滑稽に踊っているラウラ・モレーラの二人だ。
共に英国ロイヤル・バレエ団のプリンシパル・バレリーナであるカスバートソンとモレーラが、8月「ロイヤル・エレガンスの夕べ」のために来日した際、11月に新国立劇場で上演されるバレエ『不思議の国のアリス』について語ってくれたので、ここに紹介する。(なお、二人は『冬物語』にも出演、カスバートソンは『バーンスタイン・センテナリー』にも出演している)
--皆の大好きな『不思議の国のアリス』が、今年新国立劇場で上演されます。日本の観客に注目点を教えてください。
ローレン とにかくアリスに注目してほしいわ。様々なキャラクターがいて、ともすれば彼らが注目を奪ってしまうからね。アリスは多分14、いえ、16のシーンに出ていて、様々なキャラクターと触れ合うの。それこそが彼女の冒険の素晴らしさだと思うわ。アリスはクレイジーな冒険を続けるけれど、彼女に注目し続けて他のキャラクターたちと触れ合う様子を見れば、なんて不思議な国なのかがよくわかるわ。
ローレン・カスバートゾン
英国ロイヤル・バレエ「不思議の国のアリス」 (C) ROH.Johan Persson
--『不思議の国のアリス』は大変評判がよく、あなたの役に対しても大きな反応がありました。実は今年日本の新国立劇場でも『不思議の国のアリス』が上演されます。日本の観客に向けて、何に期待すべきか教えてもらえますか。
ラウラ とにかく、くつろいで楽しめばいいわ。受け入れるべきことがたくさんあるので、心を開いて見ることね。素晴らしいプロダクションだと思うわ。視覚的でとても楽しいの。そして、ハートの女王の素晴らしいところは、それぞれのダンサーの解釈が表れること。もちろんコメディだけれど、ダンサーにはコメディを作り出すための背景がなければならない。ただのパントマイムにならずに、彼女の失墜につながるようにね。でも、とにかく楽しい役だし、日本のダンサーも楽しんでくれると嬉しいわ。可能であれば自分の目で見てみたいわ。だって本当に素敵なんだもの。
ラウラ・モレーラ
英国ロイヤル・バレエ「不思議の国のアリス」 ©ROH, Bill Cooper, 2014
上映情報
ロイヤル・バレエ アンコール上映
2018年9月14日(金)~9月19日(水)
TOHOシネマズ日比谷&TOHOシネマズ日本橋にて
■上映日:2018年9月14日(金)
■上映時間:185分
<幽玄 YUGEN>
■振付:ウェイン・マグレガー
<不安の時代>
■振付:リアム・スカーレット
<コリュバンテスの遊戯>
■振付:クリストファー・ウィールドン
■上映館・上映時間:
・TOHOシネマズ日本橋 SCREEN7 19:00~22:10(※「TCX」上映)
・TOHOシネマズ日比谷 SCREEN5 10:00~13:30
『くるみ割り人形』
■上映日:2018年9月15日(土)
■上映時間:160分
■振付:ピーター・ライト
■出演:フランチェスカ・ヘイワード、サラ・ラム、スティーヴン・マックレー、ギャリー・エイヴィス、他
■上映館・上映時間:
・TOHOシネマズ日本橋 SCREEN7 13:00~15:45(※「TCX」上映)
・TOHOシネマズ日比谷 SCREEN5 10:00~12:45
『不思議の国のアリス』
■上映日:2018年9月16日(日)
■上映時間:193分
■振付:クリストファー・ウィールドン
■出演:ローレン・カスバートソン、フェデリコ・ボネッリ、ラウラ・モレーラ、スティーヴン・マックレー、他
■上映館・上映時間:
・TOHOシネマズ日本橋 SCREEN7 13:00~16:20(※「TCX」上映)
・TOHOシネマズ日比谷 SCREEN5 10:00~13:20
『白鳥の湖』
■上映日:2018年9月17日(月・祝)
■上映時間:205分
■振付:マリウス・プティパ/ レフ・イワノフ
■追加振付:リアム・スカーレット / フレデリック・アシュトン
■出演:マリアネラ・ヌニェス、ワディム・ムンタギロフ、他
■上映館・上映時間:
・TOHOシネマズ日本橋 SCREEN7 13:00~16:30(※「TCX」上映)
・TOHOシネマズ日比谷 SCREEN5 10:00~13:30
『マノン』
■上映日:2018年9月18日(火)
■上映時間:192分
■振付:ケネス・マクミラン
■出演:サラ・ラム、ワディム・ムンタギロフ、平野亮一、ギャリー・エイヴィス、他
■上映館・上映時間:
・TOHOシネマズ日本橋 SCREEN8 19:00~22:20(※「TCX」上映)
『冬物語』
■上映日:2018年9月19日(水)
■上映時間: 188分
■振付:クリストファー・ウィールドン
■出演:ローレン・カスバートソン、平野亮一、サラ・ラム、ワディム・ムンタギロフ、ラウラ・モレーラ、他
■上映館・上映時間:
・TOHOシネマズ日本橋 SCREEN5 19:40~22:55
・TOHOシネマズ日比谷 SCREEN8 10:00~13:15
公演情報
■公演日程:
2018年11月2日(金)19:00
2018年11月3日(土・祝)14:00 ※託児サービス利用可
2018年11月4日(日)14:00 ※託児サービス利用可
2018年11月7日(水)13:00
2018年11月8日(木)13:00
2018年11月10日(土)13:00 ※託児サービス利用可
2018年11月10日(土)18:30
2018年11月11日(日)14:00 ※託児サービス利用可
■振付:クリストファー・ウィールドン
■美術・衣裳:ボブ・クロウリー
■照明:ナターシャ・カッツ
■台本:ニコラス・ライト
■映像:ジョン・ドリスコル、ジュンマ・キャリントン
■パペット:トビー・オリー
■マジック・コンサルタント:ポール・キエーヴ
■指揮:ネイサン・ブロック
■管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
■共同制作:オーストラリア・バレエ
2018年11月2日(金)19:00 アリス米沢 唯 ハートのジャック渡邊峻郁
2018年11月3日(土)14:00 アリス小野絢子 ハートのジャック福岡雄大
2018年11月4日(日)14:00 アリス米沢 唯 ハートのジャック渡邊峻郁
2018年11月7日(水)13:00 アリス小野絢子 ハートのジャック福岡雄大
2018年11月8日(木)13:00 アリス米沢 唯 ハートのジャック渡邊峻郁
2018年11月10日(土)13:00 アリス小野絢子 ハートのジャック福岡雄大
2018年11月10日(土)18:30 アリス米沢 唯 ハートのジャック渡邊峻郁
2018年11月11日(日)14:00 アリス小野絢子 ハートのジャック福岡雄大
■公式特設サイト:https://www.nntt.jac.go.jp/ballet/alice/