朝夏まなとが鮮やかに“女優”デビュー! ミュージカル『マイ・フェア・レディ』が9月16日開幕~ゲネプロレポート

レポート
舞台
2018.9.16
ミュージカル『マイ・フェア・レディ』

ミュージカル『マイ・フェア・レディ』

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2018年9月16日(日)より、東京・東急シアターオーブにてミュージカル『マイ・フェア・レディ』が開幕する。初日前日となる15日、同劇場にてゲネプロ(最終通し稽古)が行われた。この日公開されたのは、昨年宝塚歌劇団を退団し、これが退団後初ミュージカルとなる朝夏まなとがイライザ役を、そして今回で3回目の出演となる寺脇康文がヒギンズ教授役を務めるチームだ。この模様をレポートする。

ミュージカル『マイ・フェア・レディ』

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ロンドンの下町。貧しい花売り娘のイライザ(朝夏)は、ひょんなことから言語学者のヒギンズ教授(寺脇)と出会い、彼の提案で、下町訛りの矯正と淑女になるための礼儀作法を教わることになる。厳しいヒギンズ教授のレッスンに耐えたイライザは、見違えるように麗しき貴婦人へ変貌を遂げる。華々しく社交界のデビューを飾ったイライザだったが、ヒギンズ教授にとって自分は研究対象にしか過ぎないと気づき、彼のもとを去ってしまう―

この日、お誕生日だった朝夏さん。おめでとうございます!

この日、お誕生日だった朝夏さん。おめでとうございます!

イライザは、お金持ちに必死ですがりながら花を売る。とはいえ、必要以上に値段をふっかけて売ろうとはしない。朝夏が作るイライザには生きる強さだけではなく、貧しいながらも人間としてのプライドを感じさせるイライザだ。その後、ヒギンズ教授と出会って血のにじむような特訓をスタートするイライザ。ガサツで不器用だがどこか愛嬌があるイライザ。ついに正しい発音を会得した瞬間はヒギンズ教授やピッカリング大佐(相島一之)と共に褒めてあげたくなった。

ミュージカル『マイ・フェア・レディ』

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貴婦人に変貌した後のイライザは、宙組トップスターとして培ったスターオーラに満ち溢れていたが、その眩しさがあるが故にイライザが胸の内に抱えていた苦悩の深さを濃く感じさせる。歌唱力も見事。先日まで男役をしていた人物とは思えないくらい高音の美声を響かせる。朝夏は、本作で“女優”人生の華やかなスタートを切ったと誰もが思うことだろう。

ミュージカル『マイ・フェア・レディ』

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ヒギンズ教授役の寺脇は、言語学者としてはプロ中のプロ。だが言葉の向こうにある人の心には無頓着。この時代の身分の高い男性に多い傾向なのか、はたまたヒギンズが特殊なのか、女性を軽んじる考えを払拭できない男をイライラするくらい魅力的に演じていた。イライザが血を吐くように胸の内を口にしてるのに、感心するくらいその意図を理解していないヒギンズ。だが、そのヒギンズの心が揺れる瞬間を、ほんの少しの動きで表現した寺脇。さすがの芝居巧者だと感じさせた一瞬だった。

ミュージカル『マイ・フェア・レディ』

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本作はイライザとヒギンズ教授だけでなく、ピッカリング大佐役の相島、イライザの父・ドゥーリトル役に今井清隆、イライザに一目惚れをするフレディ役を平方元基、ヒギンズ教授に仕えるピアス夫人は春風ひとみ、アインスフォードヒル夫人を伊東弘美、そしてヒギンズの母を前田美波里……と、贅沢な顔ぶれが登場し、作品をしっかり支える。父・ドゥーリトルを演じる今井が歌い踊る大騒ぎの場面は、下町の人々が持つ生命力に溢れ、なるほどこんな環境でイライザは生まれ育ったのか、と伝えてくる。一方、ヒギンズの母は後半のストーリーに必要不可欠な存在。前田の圧倒的な存在感とチャーミングな立ち振る舞いが物語を明るい光へ導いているかのようだった。

朝夏&寺脇チームの芝居と神田沙也加&別所哲也チームでは「同じ『マイ・フェア・レディ』なのに魚類と鳥類くらいの違いがある」という話も初日前会見で出た。神田&別所チームが果たしてどのような物語を紡いでいるのかも気になるところだ。

取材・文・撮影=こむらさき

公演情報

ミュージカル『マイ・フェア・レディ』
 
■脚本/作詞:アラン・ジェイ・ラーナー
■音楽:フレデリック・ロウ
■翻訳/訳詞/演出:G2
■製作:東宝

 
■出演:
イライザ:朝夏まなと / 神田沙也加(Wキャスト)
ヒギンズ教授:寺脇康文 / 別所哲也(Wキャスト)
ピッカリング大佐:相島一之
ドゥーリトル:今井清隆
フレディ:平方元基
ピアス夫人:春風ひとみ
アインスフォードヒル夫人:伊東弘美
ヒギンズの母:前田美波里
 
■公式サイト:http://www.tohostage.com/myfairlady/
 
《東京公演》
2018年9月16日(日)~30日(日)
東急シアターオーブ
 
《福岡公演》
2018年10月6日(土)、7日(日)
久留米シティプラザ ザ・グランドホール

 
《広島公演》
2018年10月10日(水)、11日(木)
上野学園ホール

 
《大阪公演》
2018年10月19(金)〜21日(日)
梅田芸術劇場メインホール

 
《愛知公演》
2018年10月24日(水)、25日(木)
日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール
 
《大分公演》
2018年10月31日(水)、11月1日(木)
iichiko総合文化センター iichikoグランシアタ
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