こまつ座「戦後"命″の三部作」第二弾 栗山民也演出、松下洸平ら出演で『木の上の軍隊』を再々演
井上ひさし没後10年目の2019年、「井上ひさしメモリアル10」として様々な舞台をラインアップするこまつ座が、2019年5月11日(土)~19日(日)新宿・紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYAにて『木の上の軍隊』を再々演する。
演劇界最高峰の実力派が集う本作は、沖縄で起こった真実の物語。山西惇、松下洸平、普天間かおりのこまつ座版オリジナルキャストが再集結し、混沌とする現代に問いかける。数々の演劇賞を総なめにした本作は、こまつ座「戦後“命”の三部作」の第二弾。山田洋次監督が『父と暮せば』(作:井上ひさし、 演出:鵜山仁/初演1994年)、『木の上の軍隊』(原案:井上ひさし、 作:蓬莱竜太、 演出:栗山民也/初演2013年)、『母と暮せば』(作:畑澤聖悟、 演出:栗山民也/初演2018年)を「戦後“命”の三部作」と命名し、それぞれが、数多くの演劇賞に輝いた傑作だ。
山西惇
松下洸平
普天間かおり
また、本公演はこまつ座にとって記念碑的な作品でもある。井上ひさしは生前、ヒロシマ・オキナワ・ナガサキで突然に日常を奪われた人々の姿を書こうとしていた。この思いを引き継ぎ、2013年に蓬莱竜太が書き下ろしたのが本作だ。本作の開幕は、こまつ座が井上ひさしの思い残しを後世に継ぐ試みとして、新たな一歩を踏み出した瞬間だった。そして2016年には、こまつ座オリジナルバージョンとして、琉歌など新演出を盛り込み、よりアクチュアルかつ胸に迫る作品へと進化を遂げた。
2018年秋には、ナガサキを舞台とする『母と暮せば』を、作家・畑澤聖悟、演出家・栗山民也を迎え、二人芝居として上演した。この舞台成果により、読売演劇大賞 大賞・最優秀演出家賞が栗山民也に、読売演劇大賞 優秀男優賞・杉村春子賞および文化庁芸術祭演劇部門 新人賞(関東参加公演の部)が松下洸平に贈られた。
『木の上の軍隊』は、いま最も演劇界で注目される栗山・松下の二人が、再び相まみえる作品として、改めて注目されている。
栗山民也
ある南の島……。 その島では戦争が行われていた。
激しい銃撃戦の末、 二人の兵士が追いつめられて、 ガジュマルの大木の上に身を隠す。
その木は太い枝と覆い茂った葉で絶好の隠れ場所であった。
本土出身、 生真面目で戦争経験が豊富な“上官”と、
島出身、 おおらかな性格で初めて戦争を経験する“新兵”。
彼らを静かに見つめるのはガジュマルに棲みつく精霊“語る女”。
木の下に広がる仲間の死体……日に日に大きくなっていく敵軍の基地……。
兵士達は、 終戦を知らぬまま二年もの間、 二人だけの“孤独な戦争”を続けた。
公演情報
場所:紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA
作:蓬莱竜太
演出:栗山民也
出演:
山西惇
松下洸平
普天間かおり