『ウィーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道』大阪展、国立国際美術館で開催

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2019.5.22
グスタフ・クリムト《エミーリエ・フレーゲの肖像》1902 年 油彩/カンヴァス 178 x 80 cm ウィーン・ミュージアム蔵 (C)Wien Museum / Foto Peter Kainz

グスタフ・クリムト《エミーリエ・フレーゲの肖像》1902 年 油彩/カンヴァス 178 x 80 cm ウィーン・ミュージアム蔵 (C)Wien Museum / Foto Peter Kainz

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『ウィーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道』大阪展が、2019年8月27日(火)〜12月8日(日)まで、国立国際美術館にて開催される。

グスタフ・クリムト《パラス・アテナ》1898 年 油彩/カンヴァス 75 x 75 cm ウィーン・ミュージアム蔵 (C)Wien Museum / Foto Peter Kainz

グスタフ・クリムト《パラス・アテナ》1898 年 油彩/カンヴァス 75 x 75 cm ウィーン・ミュージアム蔵 (C)Wien Museum / Foto Peter Kainz

19世紀末から20世紀初頭にかけて、ウィーンでは絵画や建築、デザインなど、それぞれの領域を超えて新しい芸術を求めた、ウィーン独自の装飾的で煌びやかな文化が開花した。今日では「世紀末芸術」と呼ばれるこの時代に、画家グスタフ・クリムト(1862-1918)やエゴン・シーレ(1890-1918)、建築家オットー・ヴァーグナー(1841-1918)、アドルフ・ロース(1870-1933)など各界を代表する芸術家たちが登場し、ウィーンの文化は黄金時代を迎えた。

マクシミリアン・クルツヴァイル《黄色いドレスの女性(画家の妻)》1899 年 油彩/合板 171.5 x 171.5 cm ウィーン・ミュージアム蔵 (C)Wien Museum / Foto Peter Kainz

マクシミリアン・クルツヴァイル《黄色いドレスの女性(画家の妻)》1899 年 油彩/合板 171.5 x 171.5 cm ウィーン・ミュージアム蔵 (C)Wien Museum / Foto Peter Kainz

本展はウィーンの世紀末文化を「近代化(モダニズム)への過程」という視点から紐解く、新しい試みの展覧会だ。18世紀の女帝マリア・テレジアの時代の啓蒙思想がビーダーマイアー時代に発展し、ウィーンのモダニズム文化の萌芽となって19世紀末の豪華絢爛な芸術運動へとつながっていった軌跡をたどる本展は、ウィーンの豊穣な文化を知る展覧会の決定版といえるだろう。

フリッツィ・ベルガー《ファッション ウィーン工房ポストカード No.788》1912 年 カラーリトグラフ 14 x 9 cm ウィーン・ミュージアム蔵 (C)Wien Museum / Foto Peter Kainz

フリッツィ・ベルガー《ファッション ウィーン工房ポストカード No.788》1912 年 カラーリトグラフ 14 x 9 cm ウィーン・ミュージアム蔵 (C)Wien Museum / Foto Peter Kainz

見どころ1:絵画、建築、応用芸術、音楽 ウィーンの芸術文化の全容がわかる総合展

マルティン・ファン・メイテンス《マリア・テレジア(額の装飾画:幼いヨーゼフ 2 世)》1744 年 油彩/カンヴァス 216.2 x 162.5 cm ウィーン・ミュージアム蔵 (C)Wien Museum / Foto Peter Kainz

マルティン・ファン・メイテンス《マリア・テレジア(額の装飾画:幼いヨーゼフ 2 世)》1744 年 油彩/カンヴァス 216.2 x 162.5 cm ウィーン・ミュージアム蔵 (C)Wien Museum / Foto Peter Kainz

本展では、時代を18世紀中頃にまでさかのぼり、のちのウィーン工房に影響を与えたビーダーマイアー時代の工芸や、芸術都市へと発展する起源となった都市改造計画など、ウィーン世紀末文化に至るまでの歴史背景にスポットを当てる。絵画や工芸はもちろん、建築、デザイン、インテリア、ファッション、グラフィックデザインなど、当時の写真や資料、本展のために特別制作したウィーン市の変遷映像など、多様な展示品を通して、“芸術の都”ウィーンで育まれた芸術世界を網羅的に紹介する。

見どころ2:クリムト、シーレ、ウィーン世紀末の巨匠の傑作が集結

エゴン・シーレ《自画像》1911 年 油彩/板 27.5 x 34 cm ウィーン・ミュージアム蔵 (C)Wien Museum / Foto Peter Kainz

エゴン・シーレ《自画像》1911 年 油彩/板 27.5 x 34 cm ウィーン・ミュージアム蔵 (C)Wien Museum / Foto Peter Kainz

クリムト、シーレ、ココシュカらウィーン世紀末の巨匠が遺した作品の数々を一挙に紹介。クリムトが最愛の女性を描いた《エミーリエ・フレーゲの肖像》をはじめとする油彩画に加え、素描、ポスターなどのグラフィックを通して、モダニズムの黄金時代を築いた作家たちの作品世界に深く迫る。また、クリムトに影響を与えた画家ハンス・マカルト(1840-1884)による、1879年の皇帝フランツ・ヨーゼフと皇后エリーザベトの銀婚式記念パレードの絵画、作曲家アルノルト・シェーンベルク(1874-1951)が描いた絵画作品なども見どころだ。

見どころ3:ウィーン・ミュージアムの至宝が一堂に

ヨーゼフ・ホフマン《ブローチ》製作:ウィーン工房 1908-10 年 銀、金箔、瑪瑙、アメジスト、赤鉄鉱、碧玉、トルコ石、 ムーンストーン、珊瑚 H4.9 cm, W4.9 cm International Friends of Wien Museum, A.P. Collection (C)Asenbaum Photo Archive

ヨーゼフ・ホフマン《ブローチ》製作:ウィーン工房 1908-10 年 銀、金箔、瑪瑙、アメジスト、赤鉄鉱、碧玉、トルコ石、 ムーンストーン、珊瑚 H4.9 cm, W4.9 cm International Friends of Wien Museum, A.P. Collection (C)Asenbaum Photo Archive

ヨーロッパ有数の博物館として知られ、100万点におよぶ所蔵品でウィーンの歴史や文化を今に伝えるウィーン・ミュージアム。改修工事に伴い、同館の主要作品をまとめて公開する本展が実現する。大阪展の出展作品は、個人所蔵の作品をあわせて約300点。歴史ある同館が誇る貴重なウィーン世紀末のコレクションをオーストリア国外で目の当たりにできる、またとない機会となる。

イベント情報

日本・オーストリア外交樹立150周年記念
『ウィーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道』大阪展

大阪会場
■会期:2019年8月27日(火)~12月8日(日)
■会場:国立国際美術館
展覧会HP:https://artexhibition.jp/wienmodern2019/
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