最も美しく、最も謎に満ちたヘンデルのオペラ バロック・オペラ『シッラ』全3幕が神奈川県立音楽堂、開館65周年記念で上演
2020年2月29日(土)、3月1日(日)神奈川県立音楽堂にて、バロック・オペラ ヘンデル 歌劇『シッラ』全3幕が上演される。
本公演は、開館65周年を迎えた神奈川県立音楽堂が、「音楽堂室内オペラ・プロジェクト」と題して始めた新しいシリーズの一環。会場となる神奈川県立音楽堂は、日本初の公立の本格的音楽専用ホールとして戦後の横浜に誕生し、世界の建築三大巨匠の一人、ル・コルビュジエに師事した前川國男の遺した名建築として、また「東洋一の響き」と愛された木のホールの美しい音響で知られ、国内外の名演奏家が訪れて歴史に残る名演奏を聴かせてきた場所。2019年6月に一年の改修休館を経てリニューアルオープンすると同時に開館65周年を迎え、オリジナルの建築や音響の美しさがよりブラッシュアップされた。
上演されるのは、世界の古楽ムーブメントを牽引する、ファビオ・ビオンディとエウローパ・ガランテによるバロック・オペラ。ビオンディは、イタリア・パルマ音楽院の若者たちを中心にアンサンブル、エウローパ・ガランテを結成し、バロック音楽を中心に、ロックミュージックにも例えられる、グルーヴ感あふれるキレッキレの演奏で世界の音楽ファンを驚かせ、古楽旋風をまきおこしたカリスマ的ヴァイオリニストだ。
ファビオ・ビオンディ(指揮・ヴァイオリン)
ファビオ・ビオンディとエウローパ・ガランテ
ビオンディ&エウローパ・ガランテと神奈川県立音楽堂が5年ぶり、3度目のタッグを組むのはヘンデルのオペラの中でも「最も謎が多く、最も美しいオペラ」とされる『シッラ』。共和制ローマ時代に実在し、塩野七生の「ローマ人の物語」などにも登場する、暴君ルキウス・コルネリウス・スッラと彼をとりまく群像劇だ。すでに2017年のウィーンでの演奏を皮切りに、バロック・オペラ界の実力派歌手を集めて欧州で何回かコンサート形式で上演され、絶賛されている。
今回、演出を担うのは、彌勒忠史。バロック・オペラを知り尽くした彌勒は、近年では、市川海老蔵ともたびたびコラボ。他にも各館でのプロデュースオペラの演出を行う等、日本の伝統と西洋のオペラの垣根をまたぎ、演出家としての活躍が著しい人物。彌勒は舞台美術に、メジャーなテレビ番組のセットや、NISSAY OPERA等で活躍する舞台美術家、tamako☆のほか、日本のオペラ界を支える気鋭のクリエイターたちを起用した。そんな彼が、ファビオ・ビオンディ&エウローパ・ガランテ、そして世界の古楽界のスター歌手たちを迎え、どんな舞台を創り上げるのか。フレッシュな感性による「日本ならでは」の舞台が期待される。
彌勒忠史(演出)
舞台美術家、tamako☆による舞台セットデザイン画
神奈川県立音楽堂での公演は、ビオンディ&エウローパ・ガランテにとって、舞台セットや衣裳などをつけた完全舞台版『シッラ』として世界初演となる。
ファビオ・ビオンディから日本の皆さまへのメッセージ
公演情報
バロック・オペラ ヘンデル 歌劇『シッラ』全3幕
(イタリア語上演/字幕付)日本初演
日程:2020年2月29日(土) 3月1日(日) 各日14:00開演(開場13:00) 2回公演
※公演当日13:15~13:45 ファビオ・ビオンディによるプレ・トークつき
演奏:エウローパ・ガランテ
演出:彌勒忠史
美術:tamako☆
衣裳:友好まり子
照明:稲葉直人(ASG)
舞台監督:大澤 裕(ザ・スタッフ)
映像:田中有紀(㈱ストロベリーメディアアーツ)
演出助手:家田淳
字幕翻訳:本谷麻子
ローマの執政官、シッラ=ソニア・プリナ(コントラルト)
ローマの騎士、クラウディオ=ヒラリー・サマーズ(コントラルト)
シッラの妻、メテッラ=スンヘ・イム(ソプラノ)
ローマの護民官、レピド=ヴィヴィカ・ジュノー(メゾソプラノ)
レピドの妻、フラヴィ=ロベルタ・インヴェルニッツィ(ソプラノ)
シッラの副官の娘、チェリア=マリア・イノホサ・モンテネグロ(ソプラノ)
神=ミヒャエル・ボルス(バリトン)
スカブロ=神谷真二(黙役)
天使ほか=桧山宏子/板津由佳(エアリアル)
兵士ほか=春日克之/佐久本歩夢(BLUE TOKYO)
S席15,000円 A席12,000円(残券僅少) B席10,000円(完売) 学生(24歳以下)8,000円
*車椅子席有り(付添1名無料) *未就学児童入場不可 *有料託児サービス有り(要予約)
※*については主催者にお問合せください。
2月29日(土) 3月1日(日)発車時刻 ①12:45 ②13:00 ③13:15 ④13:30 ⑤13:45
*終演後の帰路運行はありません。
助成:一般財団法人地域創造 朝日新聞文化財団
文化庁文化芸術振興費補助金(劇場・音楽堂等機能強化推進事業) 独立行政法人日本芸術文化振興会
後援:イタリア大使館 イタリア文化会館
協力:日本ヘンデル協会