UNIDOTSインタビュー 瑞葵とコンノツグヒトが明かすこれまでの歩みとユニットの現在地

インタビュー
音楽
2020.3.4
UNIDOTS

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今こそ多くの人たちとの「巡り合い」の好機に違いない。まさに現在UNIDOTSは孵化し羽化し成虫として羽ばたこうとしている……。
UNIDOTSは瑞葵(Vo)とコンノツグヒト(B)によるユニット。2016年1月に活動を開始し自主企画やワンマンツアーの成功も含め人気を博してきた。とはいえ、これまで露出はほぼ皆無。初のMVは一昨年末に公開、音源に至ってはようやく昨年秋に会場限定のみでリリースされた。
そんな神秘的でミステリアスな印象の彼ら。その音楽性はコンノを軸にしたフレキシブルで様々な要素が現れる音楽性と、永遠と刹那が同居した真理性たっぷりの瑞葵の歌世界。そこはかとない歌謡性や哀愁性を有した人恋しさ溢れる瑞葵の歌声は、その世界観をきちんと広げていくコンノのサウンドエクイップメントと相乗し、曲毎にその歌物語へと誘い、浸らせてくれるものばかりだ。
そんな中、この6月には3度目の東名阪ツアーを行う2人。音源のリリースも経て、より新しく彼らに接した方々との素敵な出会いや巡り合わせも期待大だ。このタイミングで多くの人との邂逅へと向かうべく羽ばたく準備を始めた彼ら。このインタビューを通し2人をより知っていただき、今夏の東名阪ツアーで是非「巡り合って」欲しい。

――まずはお二人の出会いから教えて下さい。以前は各々バンド活動をされてましたよね?

コンノ:最初に会った時は、まだお互いバンド活動をしていました。思い返すと最初はかなり静かな立ち上がりでしたね。

瑞葵:彼(コンノ)が当時やっていたバンドの企画に私たちのバンドも誘われたのが最初でしたね。

コンノ:下北沢シェルターでのtricotとチリヌルヲワカとの4バンドでのライブの際で。当時のバンドメンバーが、瑞葵が居たバンドを知っていて、薦められたので誘ったんです。で、その日の打ち上げで接点が出来て……というのも、そのときに瑞葵が一人でポテトを振っていたんです、シャカシャカと懸命に(笑)。そこで、「この子、ステージのイメージと全く違う」と急に親しみが湧いて(笑)、話したらその発する言葉の感覚や使い方も印象的で。同時に何かを自身で発信したがっていたのも伺えたんです。

瑞葵:そこから1年ほど間があいて。ある時、彼のバンドを観に行ったのと、その辺りのタイミングで自分もバンド以外でイベント出演の依頼があったんです。だけど、私特に楽器が出来るわけでもないので、彼に「良かったら手伝ってくれませんか?」と。

コンノ:僕もベースがメインですが一応一通りの楽器ができたので。

瑞葵:その日はカバー曲ばかりでしたが、その形態にすごく可能性を感じたんです。私が欲していることを察してくれたりもして、「これなら私の温めていることが出来るかも……」と思って。波長も合うし、欲してた部分にきちんとハマるものがくる、みたいな。一緒に曲を作り始めたのはそこからですね。

コンノ:なので、「一緒にこんなことをやろう」「こんな音楽をやりたいよね」といった話は当時から全くしてなくて。

瑞葵:活動を始めてからお互いの価値観やバックボーンなどの共通さに気づいたぐらいなんです。

コンノ:しかも「あの曲のあの部分」と、かなりピンポイントで(笑)。徐々にですね、可能性を確信しだしたのは。2人が思う音楽やセンスを信じて進んで行こうと。

瑞葵:曲のレパートリーもそうですが、活動自体「必要に応じて対応してきた結果」というのがピッタリで。会場の大きさによって2人でやったりバンドでやったりとフレキシブルにやってきたりしてますし。

――その広がりが段々と音楽性にも表れてきた気がします。初期はもっと宅録的だったし、歌詞も徐々に外に向けてや相手がしっかりと伺える方向性へと移ってきた印象があります。

コンノ:確かに。ライブを経て得たものや反響等が音楽性や歌に反映されてきたなと自分たちでも感じますね。

瑞葵:歌詞なんてまさにそれです。都度その時の状況や自分自身がそのまま反映されてきたので。

――伝達手段も当初の2人+打ち込みから、徐々にバンドならではへと移行していった感もあります。

瑞葵:その辺りも必要にかられてですね。ライブももちろんですけど、お客さんが自分たちに期待していることも含め。そこに応えていくうちに、自分たちでも見えたり分かったりしたことがありましたね。

――それまでの自分たちが好きなものを発信するということから、徐々に求められているものを自覚し、そこに落とし込むようになった?

瑞葵:そうですね。自分が好きなものと、自分ができることや求められていることは違うんだと気づかされた瞬間も多々ありました。好きだからやりたいけど一番向いているのはそこじゃなさそうだぞとか。それらを重ね取捨選択していって、いいバランスでできるようになったんです。偏るのではなく都度可能性を見出してそこに向けて広げていったり、戻ってみたり。そんな自由な感じで活動したり楽曲を作ってきましたね。その辺りはやっぱり、この2人で作っている自由さもあるんだろうなって思います。

コンノ:その“2人で考えられる”というのがまずは強みで。臨機応変にスタイルを変えることもできる。その辺りもお互い、それ以前にある程度バンド経験を経たが故もあるでしょうし。自由度やフレキシブルさでは、とにかく基本は自分たちが「これいいよね」と感じられる音楽。二人が「そう、これこれ!」と顔を見合わせる瞬間。それをやりたいし、それを人と共有したり薦めて「いい!」と言ってもらいたいし、好きになってもらいたいんです。いわゆるコミュニケーションツールとして自分たちの感覚を共有したいですね。

UNIDOTS

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――これは誉め言葉なんですが、「いい意味で何がやりたいのかを明確化させていないのがUNIDOTSの良いところ」じゃないかな?って。いい意味で捉えどころがなくいろいろと自由にできるのが強みというか。

コンノ:自分でもそれは感じます! とはいえ、これまでと今、そしてこれからは違ったものになっていくんだろうなと。実はそこにもきちんとストーリーがあって。まずは全ての可能性をやってみたかったんです。想像できる結果にそのまま向かいたくなくて。自分たちにとって最初はそこは重要じゃなかったんです。でも、健全な音楽って僕はそうだと考えていて。いろんな人に「ひょっとしたらこうなんじゃないか?」を提示してきたつもりです。あとは、簡単に自分たちがやっている音楽性を「君たちこうなんでしょ?」と明確に分かられたくなかったし、決めつけて欲しくなかったんです(笑)。
活動した際に、瑞葵と唯一方向性や音楽性について話したのも「可能性を提示していこう」ということだけでしたね。今は分からなくてもいい、そんなにすぐ「君たちこういったことがやりたいんだね?」と悟られることにそんなに興味がなくて。その確認作業もあり、なかなかCDも作らなかったんです。

――というと?

コンノ:みんながCDを作り活動を広げていくのが定石なら、逆に作らない方が目立つんじゃないか?って。今の時代みんながMVを作って発信している。ホームページも作れる。だったら作らなければ逆に面白く映るんじゃない?って。ライブだけやっていればいいんじゃない?と。それを2年程やってきた感じなんです。

瑞葵:それらを経たから、自身でもようやく「これが自分たちなんだな……」と感じ始めれるようになりました。なので、私たちはむしろこれからなんです。

――現在はサブスクやストリーミング、各種SNSも発達し、誰でもすぐに発信し広められる時代です。そんな中、あえてそこ頼りにせず、音源も映像もいよいよというまで出さなかったですよね。

コンノ:僕は何かをする際には、そこに意味がないとダメだと考えるタイプで……やってもそれがいつもと変わらないことや進歩のないことだったら意味がないし、やらない方がいい。MVもCDも意味がないなら撮らないし出さない方がいい。活動していく上で、「次、こうなっていくんじゃないか?」のワクワク感が常に必要なんじゃないかなって。基本、何かを公開するって大変だし非常に重要なことなので。だから、僕たちは本当に必要になる時まで出さなかった。でもその出し方も垂れ流しや出すだけに留めず、意味や意義のあるものにしたと思っています。

瑞葵:でも、それも「自分たちを好きでいてくれる人がいるからそれだけでいい」とは違った類いなんです。逆に今はとにかく広がっていけばいいと考えているくらいで。今振り返るとあえて音源を出さずに活動していた時期はある意味修行だったなって。今、簡単に音源が手に入る時代だからこそ本当に来てくれる人、そこからまた一緒に一歩進んでくれる人、そんな人がいるのか?を試せたし。お客さんがどれだけ増えたら、そこに実感・自信が持てるんだろうか?って。そこから今度は一歩また更に進んだ層、新たに出会っていく方々ともコミットしていきたい考えに至ったんです。だから逆に今はどんどん聴く人や興味を持ってくれる方、好きになってくれる方を増やしていきたいし出会っていきたいです。

コンノ:シンプルに「聴く方や観てくれる方が多ければ多いほどいい」、そっちに向かってます。でも、それは今になって考え方が変わったのではなく当初から考えていたことで。ようやく今、その段階まで来れたんです。

UNIDOTS

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――そのライブ会場限定発売と各サブスクにて公開中の初の音源「複雑因子-complex factor-」ですが、こちらはすごく自身の方向性が定まり、今後のUNIDOTSの王道となっていく予感溢れる作品でした。

瑞葵:いい選曲だと自負しています。最初の作品って名刺代わりじゃないですか。この盤を通して今後さらにいろんな人に出会い広がっていく、その際の「はじめまして」の気持ちは強くありました。なので選曲も広く聴けて、いま自分たちとして最も聴いて欲しいし響いて欲しい、そんな気持ちも込もってます。

コンノ:ニッチなものや変化球もあるのがライブだとしたら、うちらの中で根底にあり変わらないものがこれらの曲なんです。タイトル自体、自分たちを示してたりするし(笑)。だけどそこから出てくるものはすごくシンプルなものだぞって。たくさんの人により聴いてもらえる要素、いわゆる自分たちの中で流れているみんなと同じ感覚や血を形にできた曲たちを収められた感は強くあります。

――この4曲はタイプは違えど、どれもすごく人恋しいし、永遠と刹那が同居し且つ真理が詰まっている感受がありました。

瑞葵:それはもう私の考え方のクセなのかな……よく「人とは?」「死ぬとは?」等を考えるんです。基本人が好きだし「人って何なんだろう?」「自分って何なんだろう?」を考え始めたら止まらないタイプで。そんな中、「でももしこれがプツンとある日、終わったり途切れてしまったら」と、そんな極端な二極を常に考えている自分が居るんです。いわゆる「不変的にこうだよね」と言いたい反面、「だけど結局それってこうでもあるよね」とのしょうがない愛しさというか……。その辺りのテーマはずっと一貫してある気がします。それが自分にとっての「人間」って存在なんだろうなと。

――6月からは3度目の東名阪のツアーも控えてますね。

コンノ:これまで一緒に歩いてきて下さった方々もですが、音源を聴いて気になったり気に入って下さった方々とも新たに出会える機会でもあるので、今からすごく楽しみですね。みなさんと今後に向かって一緒にワクワクしながら進んでいきたいです。「ここまで来ながらも、まだこんな凄いことが起こるんだ」「また次はどうなっちゃうんだろう?」……それが今の段階での自分たちがライブをやる異議や意味だと思っているので。今はそれらをワクワクしながら考え準備している最中です。楽しみにしていて欲しいし、期待して欲しい。自分たちもお客さんもきっと今まで感じることのできなかったことを起こします。

瑞葵:すごく楽しみです! また今までとは違った気持ちで、もっと広範囲でライブが出来るし歌えそうな気がしていて。とにかく来てくれる方を包んでいきたい。そして、「はじめまして」の方もこれまで観て下さった方も含めもっと好きになってもらえるライブをして、たくさんの人の心を掴んでいきたいです。

コンノ:もう瑞葵の歌が始まった瞬間にUNIDOTSの世界に誘い惹き込んでいく自信はあるので。その歌声があり、歌詞があり、もうそれだけで成り立つ世界観というか……。

瑞葵:もう、「とにかく来いよ!」です(笑)。

――おお、力強い!(笑) 例えライブ会場とはいえ、各曲毎にここではないどこかへ誘ってくれたり連れ出してくれたり引っ張っていって欲しいです。

瑞葵:そのようなトリップ感は常に心がけているし、目指しているところではあります。その場に居る自分が特別に感じられ、その日が特別に感じられる、そんなご利益がありそうな(笑)ライブ。来て下さった方の人生を肯定できる、自分が世界の主人公になったような、そのバックにUNIDOTSの歌たちが流れているような、そんなライブをお約束します。是非それを味わい浸りに来て下さい。いや、「とにかく来いよ!」か(笑)。


取材・文=池田スカオ和宏

ツアー情報

UNIDOTS Live Tour 2020
鮮明 - clear/blur -

2020年
6/14(日) 大阪梅田 Shangri-La
6/20(土) 名古屋伏見JAMMIN’
6/27(土) 東京渋谷CLUB QUATTRO 
open16:00 / start17:00
前売り¥3,300

 
先行予約受付中
【3次プレオーダー】
受付期間:3月4日(水)12:00~3月10日(火)23:00
一般発売
2020年5月9日(土)

リリース情報

UNIDOTS 1st EP『複雑因子 - complex factor -』
2019.11.18 配信開始
1. 舗道に咲いた花
2. 神様の言うとおり
3. 僕らの終着点
4. あなたは嘘つきだ
配信ストアリンク:https://linkco.re/834mmZxN
 
[CD]
※初回プレス分大好評につき追加プレス決定!

UNIDOTS 1st EP『複雑因子 - complex factor -』
2019.11.04 リリース
¥1,500(TAX IN)
[収録曲]
1. 舗道に咲いた花
2. 神様の言うとおり
3. 僕らの終着点
4. あなたは嘘つきだ
5. 29/07/19_demo (ボーナストラック)

MV情報

最新ミュージックビデオ「あなたは嘘つきだ」
[UNIDOTS official YouTube Channel]
http://www.youtube.com/c/UNIDOTSOFFICIALchannel
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