亡くなった志村けんさんに代わり、沢田研二の出演が決定 映画『キネマの神様』が2021年公開を目指して撮影調整へ
(C)2021「キネマの神様」製作委員会
映画『キネマの神様』主演の志村けんさんの代役として、沢田研二が出演することがわかった。
『キネマの神様』は、松竹映画100周念を記念した作品で、小説家・原田マハ氏による同名小説を映画化するもの。メガホンを山田洋次監督がとっている。主人公は無類のギャンブル好きで家族に見放されたゴウ。彼は、かつて映画の撮影所で働いた仲間で名画座の館主・テラシンとともに青春時代を過ごしていたが、ふたりがともに食堂の娘に恋心を抱いたことから、運命の歯車は狂い始める。
2020年1月の製作発表段階では、志村けんさんと菅田将暉がW主演をつとめる予定だった本作は、3月1日にクランクイン。物語は過去パートと現在パートにわかれており、3月末に過去パートの撮影を終えていた。しかし、4月から現在パートの撮影に入ろうとしていた矢先、新型コロナウイルスによる肺炎の悪化により、志村さんが亡くなってしまう。程なくして政府による緊急事態宣言が発出し、撮影は長期中断を余儀なくされたという。志村さんは、1999年の『鉄道員』以来21年ぶりの映画出演となるはずだった。
製作側は「この作品の撮影を無事に終わらせ、作品を完成させることが、志村さんへの一番の供養になる」と信じ、このコロナ禍の終息が見えない中ながら、志村さんが演じる予定だったゴウ役の再キャスティングを開始。そして、今回の沢田出演決定に至ったという。
志村さんと沢田は、かつては同じ事務所で先輩後輩関係にあり、非常に仲が良く、『8時だョ!全員集合』『ドリフ大爆笑』TV番組や、共同のラジオ『ジュリけん』やコントなどで共演していた。なお、沢田の映画出演は、14年振り。山田監督作品への参加は、1982年の『男はつらいよ 花も嵐も寅次郎』以来38年振りとなる。
現在も撮影再開への調整中にある本作。公開については、当初予定していた2020年12月から、2021年に変更しての調整を行っているとのこと。山田組は、志村さんへの思いを胸に、前を向いていく思いを込めたメッセージビジュアルを作成・発表している。なお、このビジュアルは、本日5月16日の読売新聞朝刊全国版にも掲載されている。
出演が決定した沢田、志村さんが所属したイザワオフィスの井澤 健社長、房 俊介プロデューサーのコメントは以下のとおり。
沢田 研二
志村さんの、お気持ちを抱き締め、やり遂げる覚悟です。
井澤 健(株式会社イザワオフィス 代表取締役社長)
長年親交のあった沢田研二さんがご出演されると聞き、志村けんも大変喜んでいる
と思います。作品の完成を心待ちにしております。
房 俊介(プロデューサー)
人生のおかしさや哀しみ、夢や挫折を背負い、繊細な狂気をまとった主人公のゴウ。
志村さんは、この役を演じる事をとても楽しみにしておられました。残念でなりま
せん。心からご冥福をお祈り致します。
兼ねてから志村さんと縁が深い沢田研二さんは、誰よりも志村さんの想いを抱きし
め、取り組んでいただけると思います。
かつて『男はつらいよ』でご一緒した山田監督は「志村さんとは違うゴウちゃん。
沢田研二さんならば、別なゴウちゃんの魅力を引き出してくれると確信していま
す」と仰っております。
周りを包み込む暖かい色気、唯一無二の感性を持ち合わせた沢田研二さんと、新た
な『キネマの神様』を描いていきたいと思います。
『キネマの神様』は2021年公開予定。