是枝裕和監督が韓国映画で初のメガホン ソン・ガンホ、カン・ドンウォン、ペ・ドゥナら競演『ブローカー(仮)』製作へ
左上から時計回りに、是枝裕和監督、ソン・ガンホ(提供 : CJエンターテインメント)、ぺ・ドゥナ(提供 :ジョルジオ アルマーニ ビューティー)、カン・ドンウォン(提供 : YGエンターテインメント)
是枝裕和監督が自身初の韓国映画となる『ブローカー(仮)』を次作として手がけることがわかった。
『ブローカー(仮)』は、是枝裕和監督が韓国の製作陣・俳優と共に長年温めていた企画。子どもを育てられない人々が匿名で赤ちゃんを置いていくことができるように用意された“ベビーボックス”を巡って出会った人々を描いた物語だ。今回キャストとして発表されたのは、ソン・ガンホ、カン・ドンウォン、ぺ・ドゥナの3名。ソン・ガンホとカン・ドンウォンは『義兄弟 SECRET REUNION』以来の共演。ぺ・ドゥナは、是枝監督の『空気人形』に出演している。
なお、『ブローカー(仮)』の制作は『#生きている』、『最も普通の恋愛』、『国家が破産する日』、『MASTER/マスター』、『プリースト〜悪魔を葬る者』などで知られる韓国の映画社ジップ(ZIP CINEMA)が手がけ、投資配給はCJ ENMが進行。現在、シナリオを準備している段階で、クランクインは2021年を予定しているとのこと。
是枝監督のコメント全文は以下の通り。
是枝裕和(監督)
是枝裕和監督
この『ブローカー』(仮)は、コロナ自粛中に「愛の不時着」や「梨泰院クラス」にハマったからやることになったわけではもちろん無く(ハマったのは事実ですが)、企画のスタートは、今から5年ほど前に遡るかと思います。
始まりは、やはり、役者さんでした。ソン・ガンホさんとは最初は釜山映画祭で、カン・ドンウォンさんは仕事で東京に来た時にお会いして以来、お二人と、東京や、ソウルや、釜山や、カンヌで交流を続けてきました。
最初はご挨拶程度でしたが、お話を重ねていくうちに、一緒に映画を、という流れに自然と変化していきました。
ペ・ドゥナさんとは2009年にご一緒してから、「また必ず一緒に、次は人間の役で」と固く誓っていたので、10年越しの夢が叶ったことになります。この3人はもとより、今回は尊敬する韓国のキャスト、スタッフの皆さんの胸を借りる気持ちで撮影に臨みます。
『ブローカー』(仮)はベビーボックスを巡る話です。
頭の中で3人の名優を動かしながら、今脚本を書いているところで、僕自身が多分1番ワクワクしております。このワクワクを皆さんに共有していただけるような、スリリングで、ヒリヒリする、それでいて切ない映画にしたいと思っています。
今回は、僕にとっては前作に続いて母国と母国語を離れての映画作りになります。言語や文化の違いを超えて一体何が伝わり、共有出来るのか?そもそも監督とはどういう存在なのか?作品作りを通して、もう少し踏み込んで模索してみたいと思っています。