オンラインで三味線体験 重要無形文化財一中節・常磐津節(総合認定保持者)三味線奏者・都一中による動画シリーズが初配信
静寂の音 三味線音楽
重要無形文化財一中節・常磐津節(総合認定保持者)三味線奏者・都一中が自身でプロデュース・演奏する『静寂の音 三味線音楽』と題した動画シリーズが、2021年1月下旬より配信が開始された。
本シリーズは、特定非営利活動法人 都一中音楽文化研究所が、文化庁が主催する文化芸術収益力強化事業の一環として制作したもので、無料・有料のコンテンツが用意されている。
写真手前が一中節、奥が常磐津節の三味線 撮影:鍋島徳恭
無料コンテンツは、三味線音楽に親しむ入口となる3編。『ダイジェスト版「静寂の音 三味線音楽」』では常磐津節と一中節両方の魅力を短くまとめて紹介、『常磐津節 ショートムービー「佃」』『常磐津節 ショートムービー「出の合方」』では、「手」や「合方」と呼ばれる短いフレーズを紹介し、初めて三味線音楽に触れる方でも鑑賞しやすいようナビゲートしている。
ダイジェスト版より
有料コンテンツでは、文字解説付きの作品を制作。常磐津節名曲の特別ヴァージョン『常磐津節「本朝廿四孝奥庭狐火之段(ほんちょうにじゅうしこうおくにわきつねびのだん)」(通称 狐火)』、そして、江戸時代の戯作者・近松門左衛門による浄瑠璃が現代に通じる心情を描き出す佳曲『一中節「小春髪結之段(こはるかみゆいのだん)」(通称 小春)』の2編では、音が表す情景や人物の心の動きがよくわかる文字解説を見ながら高度な演奏を鑑賞できる内容になっているという。
「静寂の音 三味線音楽 解説編」より
『都一中「静寂の音 三味線音楽 解説編」』より
また、1月31日(日)にライブ配信された『都一中「静寂の音 三味線音楽 解説編」』のアーカイブ動画も発売。横尾忠則個展「slip off slip -摺れ摺れ草- With Mask Portrait」(ユキコミズタニギャラリーにて2月27日まで開催中)からの中継で、アートや文豪の話などを交えながら歴史的な背景や三味線の表現の精妙さを語っている。
配信にあたり、「今後はいずれも英語・簡体字・繁体字の字幕を付けたヴァージョンも登場し、 世界中に三味線音楽の魅力を発信してまいります」としている。