片岡千壽、上村吉太朗、茂山逸平が意気込みを語る 南座『歌舞伎鑑賞教室』取材会レポート

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2022.3.16
(左から)茂山逸平、片岡千壽、上村吉太朗

(左から)茂山逸平、片岡千壽、上村吉太朗

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南座では、2022年5月12日(木)~5月18日(水)『歌舞伎鑑賞教室』を上演する。

平成5年(1993年)に第一回『歌舞伎鑑賞教室』がスタートし、分かりやすい演目と、ユーモアあふれる解説によって好評を博し計23回にわたり上演されてきた本公演。このたび、新たな出演者と解説者を迎え、平成27年(2015年)以来7年ぶりに、リニューアルした『歌舞伎鑑賞教室』を上演する。

3月16日(水)公演に先駆けて取材会が行われ、片岡千壽、上村吉太朗、茂山逸平が出席し、それぞれの思いを語った。オフィシャルレポートが到着したので、紹介しよう。


『吉野山』にて静御前を勤める片岡千壽は、「師匠(二世片岡秀太郎)から受け継いだ上方の歌舞伎俳優としての心を大事に、伝統ある南座という劇場でこのような大役を勤めさせていただけるという幸せを噛みしめ、『吉野山』静御前を勤めさせていただきたいと思います」と熱く語った。

過去、上方歌舞伎塾の研修生時代に二度出演し、平成11年『吉野山』では、黒衣を着て、静御前を勤めていた上村吉弥の手伝いをしており、「今回は私が静御前を勤めさせていただけるということで、身の引き締まる思いです」と決意を新たにした。

『吉野山』で佐藤忠信実は源九郎狐を勤める上村吉太朗は、「忠信と子狐とのギャップを大切にし、今までさせていただいたお役の経験を活かしながら、大切に勤めさせていただきます」と述べた。

『歌舞伎鑑賞教室』には師匠である上村吉弥と共に、過去5回連続で出演しており、「師匠が続けてこられたこの大切な公演を受け継がせていただけますこと、大変ありがたく、幸せに思います。初心者の方にも、歌舞伎の魅力を知って楽しんでいただき、普段の歌舞伎公演も見に来ていただけますと幸いです」と意気込みを語った。

『歌舞伎のみかた』で解説を勤める茂山逸平は、「以前(歌舞伎鑑賞教室の公演を)拝見しました際、歌舞伎に関してとても分かりやすい公演でした」と過去の印象を話し、「今回、狂言という歌舞伎とよく似たお芝居に携わる者がご案内をさせていただきます。初心者の方が、狂言・能と歌舞伎の、似ているが実は違うところをご説明していきながら、歌舞伎のみならず狂言についても、多くの方に知っていただける機会になればいいなと思います」と、気合十分な様子を見せた。

(左から)茂山逸平、片岡千壽、上村吉太朗

(左から)茂山逸平、片岡千壽、上村吉太朗

公演情報

南座『歌舞伎鑑賞教室』
 
■日程:2022年5月12日(木)~5月18日(水)
■会場:京都四條 南座
 
曲目・演目
一、歌舞伎のいろは
 解説 茂山逸平
 
二、義経千本桜
 吉野山 竹本連中
 佐藤忠信実は源九郎狐 上村吉太朗
 静御前 片岡千壽
 
出演者プロフィール
 
片岡千壽(かたおか・せんじゅ)
兵庫県出身。昭和56年生まれ。平成11年3月上方歌舞伎塾第一期修了。同月大阪松竹座『仮名手本忠臣蔵』十一段目の村松三太夫ほかで初舞台。12月二世片岡秀太郎に入門し、24年12月南座『廓文章』吉田屋の仲居およしで初代片岡千壽を名乗り名題昇進。以降、『輝虎配膳』唐衣、『廓文章』女房おきさなど女方の大役を勤める。千壽ら上方歌舞伎塾の卒業生が中心となった「あべの歌舞伎晴の会」でも精力的に活動中。日本俳優協会賞奨励賞、咲くやこの花賞、大阪文化祭賞奨励賞を受賞している。
 
上村吉太朗(かみむら・きちたろう)
大阪府出身。平成13年生まれ。19年5月に第三回みよし会『傾城阿波の鳴門』どんどろ大師の巡礼お鶴で上村吉太朗を名乗り初舞台を踏む。21年12月南座『時平の七笑』の稚児松乃丸で片岡我當の部屋子となる。関西を地盤に芸の研鑽を積み、近年では令和2年12月南座『傾城反魂香』土佐修理之助、3年2月歌舞伎座『於染久松色読販』丁稚久太などを勤めた。南座の「歌舞伎鑑賞教室」には上村吉弥とともに過去5回連続で出演している。十三夜会賞奨励賞、国立劇場奨励賞を受賞。
 
茂山逸平(しげやま・いっぺい)
京都府出身。昭和54年生まれ。大蔵流茂山千五郎家に生を受け、祖父に四世茂山千作、父に二世茂山七五三を持つ。58年『業平餅』の童にて初舞台を踏む。兄・宗彦や従兄弟らと「Cutting Edge Kyogen」として活動。新作狂言を多数手掛ける。また舞踊家尾上菊之丞とともに「逸青会」を主催するなど、狂言師の次代を担う一人である。また、俳優としてはNHK 連続テレビ小説「カーネーション」「ごちそうさん」などにも出演している。京都市芸術新人賞、京都府文化賞奨励賞を受賞。
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