『OTODAMA'22~音泉魂~』3日目ーー「これだ!」「戻ってきた!」感覚と「フェス」でしかなし得なかった幸福な空間

レポート
音楽
2022.5.21
『OTODAMA’22~音泉魂~“BACK TO THE OFURO”』 撮影=日吉"JP"純平

『OTODAMA’22~音泉魂~“BACK TO THE OFURO”』 撮影=日吉"JP"純平

画像を全て表示(104件)

『OTODAMA'22~音泉魂~“BACK TO THE OFURO”』2022.5.8(SUN)大阪・泉大津フェニックス

さて3日目のレポ。なのだが、この日、大トリを務めたユニコーンの奥田民生が、ライブを終え、去り際に言ったひとことから始めたい。

「来年も続くことを祈っております。夏じゃなくていいと思いますよ」

この言葉に大きくうなずいた参加者、多いと思う。というか、過半数だと思う。「いや、夏のままがいい!」と思った方、極めて少なかったのではないか、と思う。

「台風で中止になった年が二度もあった。今後もあるかも知れない」

「とにかく暑すぎる。このフェスを始めた2005年とは、日本の気候が変わってしまっている。お客さんに、これを耐えろというのは、さすがに申し訳なさすぎる」

というふたつの理由で、「この時期にここでやるのは今回で最後にします」と宣言した上で、2019年9月7日・8日に開催し、翌年=2020年は7月23日・24日に屋内(『レディクレ』でおなじみのインテックス大阪)で「開催希望」を発表するも、コロナ禍で持ち越し。で、2021年も開催できず、最終的に「夏に屋内」をやめて「春に野外の同じ場所」という結論に辿り着いたわけだが。

『OTODAMA’22~音泉魂~“BACK TO THE OFURO”』

『OTODAMA’22~音泉魂~“BACK TO THE OFURO”』

この選択がベストだった。これが最適解だった。結果オーライにもほどがある。2020年に開催できて、今後もインテックス大阪で、という展開にならなくて、本当によかった──初日はレポがないのに行った僕が、朝10時に会場に到着して、まず体感したのはそれだった。

暑くない! いや、ちょっと暑いけど、夏に比べれば全然楽勝。その分、夜は冷えるが、長袖一枚羽織れば余裕。野外ならではの開放感。青い空。飛行機と飛行機雲。日が暮れると夕陽が会場を染める。そして、この場所ならではの大音量。

暑さを避けられ、台風から逃れられ、かつ愛着のある泉大津フェニックスから離れなくてもいい。ちょっと冷静なことを言えば、屋内でフェスの祝祭空間を作るのは、おカネもアイデアも相当かけないと難しいが、野外なら、よっぽどヘボな運営をしなければ、比較的、その空気感を作りやすい。

で、前にも書いたことがあるが、清水音泉、ユルユルに見えて……いや、実際ユルユルだけど、こと運営に関しては全くヘボじゃない、むしろシビアでちゃんとしている方だ。日本各地のフェスやイベントを体験して来た者として、そう言える。

『OTODAMA’22~音泉魂~“BACK TO THE OFURO”』

『OTODAMA’22~音泉魂~“BACK TO THE OFURO”』

という話になったので、今年『OTODAMA』が導入した、前方ブロックの入替制についても触れておこう。ステージ最前にブロックを作り、1アクトごとに観たいお客さんを入れ替える。次のアクトを前で観たいお客さんは、前のアクトがやっている間、並んで待つ。並ぶ人が多そうなアクトの場合は、事前に整理券を配布し、番号順に入場してもらう、という。

言うまでもなく、ステージ前が密になりすぎるのを避けるための対策である。これに関しては、今は、フェスによってオペレーションが違う時期に入っていて、最前ブロックにイスを並べて入れ替え制にしているフェスもあるし、この春からそうした規制を一切やめたフェスもあった。

『OTODAMA』は言うなればその中間、入れ替えはするけどイスを置いたり地面に立ち位置指定をマーキングしたりはしません、というオペレーションをしたわけだが。これも、ちょうどいい温度だったのではないか。と、見ていて思った。

『OTODAMA’22~音泉魂~“BACK TO THE OFURO”』

『OTODAMA’22~音泉魂~“BACK TO THE OFURO”』

あと、この入れ替え制をやると、どこのフェスでも悩みのタネである「地蔵問題」をクリアできる。というのも大きいことが、現場でわかった。

「地蔵」というのは、お目当てのアクトが出るまで最前列で待ち続ける、それより前のアクトには反応しない=地蔵と化すこと。だから最前列がいちばん盛り上がってないし、そのアクトを本当に好きな人たちが前に行けない、という、どのフェスにおいても発生する困った現象のことだ。

じゃあ入れ替え制にすればいいのに。いや、でも参加者の自由をそこまで拘束するのは疑問だし、オペレーションも大変だし、それはそれで新たな問題を生む可能性も大きいし……というわけで、どこのフェスも踏み切れなかったのだが、コロナ禍によっていったん「やるしかない」ということになった。それが、コロナ禍より前からあった問題をも解決した、という話だ。

『OTODAMA』は、もともと参加者の当事者意識が高くて、他に比べると「地蔵」は少ないフェスだが、であっても、効果は大きかったと思う。やっていない他のフェスにもお勧めしたい。やった方がいいですよ。

『OTODAMA’22~音泉魂~“BACK TO THE OFURO”』

『OTODAMA’22~音泉魂~“BACK TO THE OFURO”』

さて、3日目のアクト。この日は──清水番台も風呂具で書いておられたが──『OTODAMA』ならではのストーリーが幾重にも錯綜する、ややこしくも素敵なラインナップになった。

ユニコーン→マカロニえんぴつ、マキシマム ザ ホルモン→ヤバイTシャツ屋さん、という「リスペクトと影響」ライン。

ヤバT、岡崎体育、夜の本気ダンス(の米田と鈴鹿)という「京都府宇治市出身」のライン。

ユニコーンとほぼ同期(O.P.KINGも『OTODAMA』に出てますよね)のピーズ。そのピーズを大リスペクトするSHISHAMO。そして、どのバンドともなんとなくつながっている上に、ある意味『OTODAMA』の顔である四星球、などなど。

Lucky Kilimanjaro 撮影=渡邉一生

Lucky Kilimanjaro 撮影=渡邉一生

夜の本気ダンス 撮影=オイケカオリ

夜の本気ダンス 撮影=オイケカオリ

朝は、大浴場ステージのLucky Kilimanjaro→露天風呂ステージの夜の本気ダンス、つまり「ダンス・ミュージックのロック・バンド的解釈」を体現する2アクトでスタート。Lucky Kilimanjaroの熊木幸丸は「ダンスは自由です!」「自由に踊りましょう!」と何度もアジテーションしてフィールドにステップを広げ、「『OTODAMA』に帰って来たぜ! というか『OTODAMA』が帰って来たぜ!」と叫んだ夜ダンの鈴鹿は「正直、(清水音泉が)つぶれると思ってました、僕!」と、オーディエンスを笑わせる。この「つぶれると思ってた」発言、この後、他のアクトでも何度か聞いた。

THE BACK HORN 撮影=日吉"JP"純平

THE BACK HORN 撮影=日吉"JP"純平

2曲目「シンフォニア」の「帰る場所ならここにあるから」を、山田将司が「帰る場所なら『OTODAMA』にあるから」と変えて歌ったTHE BACK HORNは、8年ぶりの出演。「ライブは最高だなあ、生きてる感じがするなあ、という時間を味わっていきたいと思います」と、ドラムのマツ。コロナ禍でどんな思いを味わってきたのかが窺える。

四星球 撮影=渡邉一生

四星球 撮影=渡邉一生

『BACK TO THE OFURO』なので康雄がデロリアンで登場し、「2019年・2005年・2002年に戻ってみましょう」ということで、モリスはラグビーの笑わない男、U太『愛・地球博』のモリゾーとキッコロ、まさやんは多摩川のタマちゃんに扮して登場した四星球は、「僕らこの4月と5月で20本ライブやりました。コロナ禍前のライブ・シーンが戻って来てる。断言します、もうすぐ完全に戻りますよ」(康雄)と宣言。

四星球 撮影=ヨシモリユウナ

四星球 撮影=ヨシモリユウナ

「絶対音感彼氏」では、「『OTODAMA』ゆかりのアーティストのメドレーを」と、くじでヤバTとユニコーンとホルモンを引いて(超能力戦士ドリアンも引いたがそれは捨てて)、その3バンドの曲をつなげた「ぶっ生き返す大迷惑ピーポー」を演奏、大拍手を浴びた。

SHISHAMO 撮影=オイケカオリ

SHISHAMO 撮影=オイケカオリ

今回初登場のSHISHAMOは、前任のベーシストが去ることが決まっている状態で『RUSH BALLに出演した時、専門学校の研修で来ていた松岡彩に宮崎朝子が目をつけて加入させた、という有名な逸話があるが、その松岡は、加入1年前の2013年にひとりで『OTODAMA』に来た、シャトルバスで隣になった子に話しかけて一緒に一日すごした、というエピソードを披露。朝子は今年がCDデビュー10周年であることに触れ、「10周年でも初めて出られるフェスがある、うれしい」と笑顔を見せた。

バックドロップシンデレラ 撮影=日吉"JP"純平

バックドロップシンデレラ 撮影=日吉"JP"純平

「四星球が名前出したのに曲をやらなかったのがかわいそうなので」と、超能力戦士ドリアンのカバーを聴かせたバックドロップシンデレラは、「昔から言うじゃんか、お腹空いてる時は食べ物うまいのよ。俺らフェス出たくてフェス出たくて、今日、最高に決まってんじゃん!」と喜びを露わに。

ヤバイTシャツ屋さん × 岡崎体育 撮影=渡邉一生

ヤバイTシャツ屋さん × 岡崎体育 撮影=渡邉一生

ヤバイTシャツ屋さんは、「『OTODAMA』で特別なことをしたいと思って地元の先輩を呼んでます」と岡崎体育を呼び込み、4人で「Beats Per Minute 220」をプレイ。

前日にギター新井弘毅が体調不良で出られなくなったTHE KEBABSは、他の3人による「ざ・けばぶす・わくわくGIG」という名義で、1曲目とラストだけバンド編成でやる、間はアコースティック編成でセットリストを決めずにぶっつけで挑む、という変則的かつレアなステージに挑んで、オーディエンスを楽しませた。

THE KEBABS 撮影=オイケカオリ

THE KEBABS 撮影=オイケカオリ

マカロニえんぴつ 撮影=日吉"JP"純平

マカロニえんぴつ 撮影=日吉"JP"純平

フェスを取り巻くシーンは様変わりしてしまいましたが、去年や一昨年と比べるとフェスが戻って来ている感じがお客さんからわかる、それを見ているだけでうれしい、と、最初のMCで言ったマカロニえんぴつはっとりは、「言いたいことはいつも一個か二個です。会えてよかった、また会いたい。今日はそのふたつです」という言葉から、ラスト「はしりがき」に。

ピーズ 撮影=渡邉一生

ピーズ 撮影=渡邉一生

ピーズのはること大木温之は、2曲目の「ブラボー」を終えたところで「ああたまらん! たまらんぜ! これはたまらんよ!」と口にし、後半の「生きのばし」では「オトダマ―! 言っちゃったあ。オトダマー! 言っちゃったあ」と、二回繰り返した。普段はそういうことを言わないのです、この人。でもテンションが上がりすぎて、あまりにも気分がよくて、思わず言っちゃった、ということです。

マキシマム ザ ホルモン 撮影=浜野カズシ

マキシマム ザ ホルモン 撮影=浜野カズシ

『OTODAMA』出演はなんと15年ぶりのマキシマム ザ ホルモンは、モッシュやクラウドサーフがなくても、声が出せなくても、ヘドバンの海を起こせることも、参加者全員一糸乱れぬ「恋のおまじない」を実現することも、フェスで可能であることを立証した。そこからの「恋のスペルマ」では、ヤバTと四星球が乱入。ただただ走り回ったり(ヤバT)、タマちゃんとして床を引きずり回されたりして(まさやん)、ステージを盛り上げた。

岡崎体育 撮影=オイケカオリ

岡崎体育 撮影=オイケカオリ

「バンドと違って楽やわ。セッティングせんでええし、家で作って来たトラックをかけるだけやし」と、ライブのしょっぱなで憎まれ口を叩いていた岡崎体育、中盤でトラブル発生。てっくんが歌うバージョンの「感情のピクセル」のボーカルが、途中で音がズレていたことに気がついて大慌て、曲を止めてボーカルとトラックを合わせ直す。フリとオチが完璧すぎて、オーディエンス、大笑い。

その2曲前の「Quick Report」を歌う前に「このフェスはクイックレポートあるんですか?」と言っていたのをすかさず拾って、「QuickReport 最終日の露天風呂ステージ六番風呂は岡崎体育。家で打ち込んできた音源は音ズレ。観客のボルテージは一気に最高潮に」とツイートした『OTODAMA』ツイッターも、さすがだった。

ユニコーン × はっとり(マカロニえんぴつ) 撮影=日吉"JP"純平

ユニコーン × はっとり(マカロニえんぴつ) 撮影=日吉"JP"純平

そして大トリ、ユニコーン。最近まで行っていた『ツイス島&シャウ島』の二回目のツアー(EBIを全面フィーチャー)でのレパートリーに、関西なので「7th Ave.」を加えた特別なセットリスト。そしてラス前で、川西幸一のあのドラムとテッシーのあのリフが響き、「この曲を知ってるかー!」とオーディエンスに問うたOTが「はっとり!」と叫ぶと、ソデからマカロニえんぴつはっとりが登場、歌い始めるというサプライズ。

曲の8割を堂々と歌いきったはっとり、大したもんだったし(並のプレッシャーではなかったと思う)、「この人最後まで歌わない気だな」と思った瞬間にボーカルを引き継いだOTのボーカルも、やはりすさまじいもんだった。

ユニコーン 撮影=日吉"JP"純平

ユニコーン 撮影=日吉"JP"純平


ユニコーン 撮影=日吉"JP"純平

ユニコーン 撮影=日吉"JP"純平


ユニコーン 撮影=日吉"JP"純平

ユニコーン 撮影=日吉"JP"純平

ユニコーン 撮影=日吉"JP"純平

ユニコーン 撮影=日吉"JP"純平

ユニコーン 撮影=日吉"JP"純平

ユニコーン 撮影=日吉"JP"純平

ユニコーン 撮影=日吉"JP"純平

ユニコーン 撮影=日吉"JP"純平

ユニコーン × はっとり(マカロニえんぴつ) 撮影=日吉"JP"純平

ユニコーン × はっとり(マカロニえんぴつ) 撮影=日吉"JP"純平

ユニコーン × はっとり(マカロニえんぴつ) 撮影=渡邉一生

ユニコーン × はっとり(マカロニえんぴつ) 撮影=渡邉一生

ああ、また全アクト書いてしまった。初日担当鈴木淳史からすると「話が違う!」だろうし、清水番台もnoteに「出演バンド全てを綴れてません、ご容赦ください」と書いているのに。

でも。「『OTODAMA』は四星球が盛り上げます!」と宣言し、最後に多数のダンボール小道具から一文字ずつちぎって「『OTODAMA』超ダイスキ」というボードを作った四星球や、「これまでで最高! これからまた最高の日があっても、今日のことは覚えてる!」と言い切ったバックドロップシンデレラや、「清水音泉には、(悪い意味で)さんざん思ってることありますけど……内緒ですよ? いちばん好きです、このフェス」と言葉にした岡崎体育を目の当たりにしていたら、なんか、書きたくなってしまったのだった。

四星球 撮影=渡邉一生

四星球 撮影=渡邉一生

「久しぶりに『OTODAMA』です。寒いですけどね、雨が降らないだけ充分。降るのを見越してましたからね。こんな寒さは、『OTODAMA』では天国です」

と言った奥田民生はよく知られているように、清水音泉のロゴを描いた人であり(今年の『OTODAMA』ロゴは川西幸一が描いている)、清水番台に「もう夏に野外でやるのやめろ」と忠告した人でもある。

その人のバンドが、その言葉どおりに再開した『OTODAMA』のトリをとって、後輩ミュージシャンも呼び込んだりして、「寄せ集めのイベント」であれば到底できない、「フェス」でしかなし得ない、幸福な空間を作っている。というのは、たとえ今はまだコロナ禍であっても……いや、まだコロナ禍だからこそ、さらに、本当に、感動的な光景だった。

ユニコーン 撮影=日吉"JP"純平

ユニコーン 撮影=日吉"JP"純平

康雄は「前のライブシーンが戻ってきている」と言ったが、僕は全面的に同意はできない。ここ数ヵ月、月平均15本、ライブに足を運んでいる実感として、そう思う。

この『OTODAMA』でも、フィールドいっぱいの参加者がみんなマスクをしている画がビジョンに映ると「うわ、異様な光景」と思ったし。フォーリミやヤバTやホルモンで思いっきり楽しめない、というのは、ファンにとってはストレスだろうし。あと、シンプルに、一緒に歌えないし。

僕は現場から頻繁にツイートしていたので、よくツイッターを開いていたのだが、「来てよかった! 楽しい!」みたいな声よりも、「楽しそう、やっぱり行けばよかった」とか「観たかった」という声の方が多く目についた。俺みたいにライブ行きまくってる奴が想像するよりも、相当多いんだろうな。仕事や家庭の事情、あるいは自分自身の気持ちの問題で、フェス参加にまだ踏み切れない人。と、実感した。

ただ、そうであっても(もしくは迷いなく)参加した方の、現場での「これだ!」「そう、この感じ!」「戻ってきた!」「というか取り戻した!」という気持ち。耳や目だけでなく、全身で野外フェスを受け止める感覚と、それにもたらされる歓喜。それは、途轍もなく大きかったのではないかと思う。少なくとも僕はそうだった。コロナ禍でもフェスがあればあちこち足を運んで来たが、それをもっとも全身で食らったのが、今年の『OTODAMA』だった。で、それが今年の『OTODAMA』でよかった、と思った。

あとふたつだけ。

ひとつは、協賛があまり付かないことで有名だった『OTODAMA』に、今年は(鈴木淳史も書いていたように)数社のサポートが付いた。その中に「ダスキンレントオール」と「ダスキンイベント衛生サービス」の名もあった。飲食エリアで、参加者が立ったあとのベンチをマメに拭いて回っているスタッフの姿、忘れられません。

『OTODAMA’22~音泉魂~“BACK TO THE OFURO”』

『OTODAMA’22~音泉魂~“BACK TO THE OFURO”』

a flood of circle 撮影=ヨシモリユウナ

a flood of circle 撮影=ヨシモリユウナ

それからもうひとつは、3日間のCloserを務めた a flood of circleが、すさまじく力の入ったすばらしいライブをやってのけ、帰るのを遅らせて見守った参加者の大拍手を浴びた直後のこと。

『OTODAMA’22~音泉魂~“BACK TO THE OFURO”』

『OTODAMA’22~音泉魂~“BACK TO THE OFURO”』

花火が上がったのだ。さっき大トリのユニコーンが終わったところで上がったばかりなのに。僕が知っている限りでは、こんなふうにイレギュラーに花火が上がったこと、四星球がトリをとった2017年の2日目に、康雄が「花火上げてください!」と言ったら、ライブの途中なのに花火が上がった時以来だ。

「これまで、Closerとかで花火を上げたことありました?」と、終演後に訊いたら、「ああ、そういえば、ないですねえ。でもなんか、何もなしで終わったら、フラッド、寂しいかなあと思って」と、軽く答える清水番台なのだった。男前。

来年も楽しみにしています。ないとは言わせない。

取材・文=兵庫慎司 写真=オフィシャル提供(渡邉一生、日吉"JP"純平、オイケカオリ、ヨシモリユウナ)


■初日のレポートはこちら

『OTODAMA'22~音泉魂~』初日ーー「BACK TO THE 90's」と「素晴らしき未来」が繋がった、2年半ぶり開催の奇跡

■2日目のレポートはこちら

『OTODAMA'22~音泉魂~』2日目ーー「なんかもうカオス!」だけど「これがやりかった」必然に満ちたドラマチックなラインナップ

■音泉魂写真館(3日目・5月8日編)

大浴場ステージ(2ページ目)、露天風呂ステージ(3ページ目)のライブ写真を掲載中。

シェア / 保存先を選択