ClariS 切り開いた未来の先に見えるものは?「ALIVE」「Masquerade」両楽曲に込めた思いを語る

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2022.9.14
ClariS

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 鮮やかなメタモルフォーゼを繰り返しながら、クララとカレンは2022年の夏を全速力で駆け抜ける。ClariSの2か月連続シングルリリース、第一弾「ALIVE」(アニメ『リコリス・リコイル』オープニングテーマ)はかつてないほど激しく情熱的な疾走感みなぎるポップチューンで、第二弾「Masquerade」(アニメ『シャドーハウス 2nd Season』エンディングテーマ)は謎めいた異国情緒とゴシックなムードをたたえた魅惑の1曲。仮面を外して新しく広い世界を開拓中、挑戦と前進を続ける二人の本音を探ってみた。


――春にアルバムが出たばかりだと思ったら、この夏は2か月連続シングルリリース、そして2年半ぶりの有観客ライブも開催しました。すごい勢いで飛ばしてますね。

カレン:そうなんですよ。

クララ:今年はフルスピードで。

――頼もしいです。しかもシングル2曲はまったく曲調も違って、カップリングも個性あふれるいい曲揃い。順番に聞いていきますね。まず8月に出た「ALIVE」は、この夏一番跳ねたアニメと言ってもいい『リコリス・リコイル』のオープニング曲になりました。

クララ:私たちも見ていてすごく面白いです。でも日常のかわいらしい部分もありつつ、戦闘シーンもあるアニメの曲を私たちが担当するという印象を、あまりみなさんは持たれていなかったんじゃないかな?と思うんですね。今までの雰囲気で言うと。

カレン:可愛い系とかね。

クララ:まどマギみたいに、ファンタジーな世界観が含まれている作品が多かったので。そういった意味で、こんな素敵なアニメにタイアップさせていただけてうれしいですし、楽曲としても挑戦できたので、本当にありがたいなと感じてます。

――確かに、「ALIVE」は今までのClariSにはあまりなかったような、スピード感と激しさと情熱を全面に感じさせる曲ですよね。どんな気持ちで歌ってますか。

カレン:リコリコは女の子二人が軸になって進んでいくお話で、私たちも二人組ですし、二人の絆や思いを大事にしつつ、それぞれの思いをぶつけられる楽曲になったらいいなと思っていました。ただ戦うだけじゃなく、それぞれ使命感を持って進んでいくお話なので、そこを考えつつ、用意されたレールの上じゃなくて自分で新しい道を切り拓くぞという強い意志をこの楽曲から感じたので、気持ちだけじゃなくて、声量だったり、声の出し方も工夫しながら歌いました。

――これは相当にパワーが必要な曲ですよね。

クララ:そうなんですよ。

カレン:(レコーディングで)1回歌うたびにふーっと息を抜かないといけないぐらい、全身を使って歌いました。

クララ:アップテンポで疾走感があって力強い楽曲というのは、私はどちらかというと得意ではなくて。最初に受け取った時は、これを私が歌えるかな?ってドキドキした気持ちがあって、カレンが言ったみたいに、レコーディングまでに声量や声の出し方を根本のところから見直して、いい意味で「ClariSっぽくないね」と言ってもらえるような楽曲にできたらいいなと思って、力強さや声の太さを意識して歌いました。でも本当に体力を使うレコーディングで、今までに感じたことのない疲労感を感じました(笑)。

カレン:ライブとも違うよね。

クララ:そうなんですよ。体がこわばるぐらいに力を入れて歌いました。

――力強さと激しさが、アニメの世界観に合ってるなと思います。ある意味、アニメに引き出された内なる力という感じもします。

カレン:そうですね。オリジナルアニメなので、展開がまだわからない部分があるんですね。そこもすごくワクワクしながら、リコリコファンのみなさんと同じ気持ちでアニメを見てます。

――ああそうか、ストーリーの結末を知っていて曲を作ったわけではないんですね。

カレン:そうなんですよ。

クララ:もしかしたらどこかで、(アニメと楽曲が)ものすごく合致する回が生まれるのかな?とか。

カレン:この子のことを歌ってるのかな?とか、明確な何かが出てくるかもしれない。

クララ:それも楽しみの一つです。

――ファンはすごくうれしいですよ、同じ気持ちで見ていると思うだけで。あと、これってよく聞かれると思いますけど、二人は主人公の錦木千束と井ノ上たきなと、どっちのタイプに似てると思います?

クララ:それがけっこう難しくて、二人の持ってるどこかが…。

カレン:どこかを抜き合わせた子が千束で、またどこかを抜き合わせた子がたきなで。

クララ:どっちがどっちというよりは、ここは共感できるという部分が分かれてる気がします。千束ちゃんのはっちゃけた感じはカレンっぽいなと思うんですけど、私がたきなちゃんほど凛としているか?というと、そこまでじゃないと思うし。

カレン:千束ちゃんの視野の広い部分をクララが持っていたりとか。ミックスですね。

――ClariSの新たな挑戦がここに。そしてカップリングも要チェック。かっこいいエレクトロポップの「ループ」は、作詞がClariSです。

クララ:これは二人で一から組み立てていきました。

カレン:女の子独特の感情だと思うんですけど、一度負のループに入ってしまうとなかなか抜け出せなくて、それを何かのせいにして責任逃れをしたくなったり、でもちょっとしたきっかけで今度はいいループに入れたり、それって感情論だけでは言いきれない部分があるので。ファンタジックな要素も入れて、直接的ではない言葉で描けたらと思って書いた歌詞です。

クララ:後半に行くにつれてどんどんいいループに入って行って、聴いてくださる方が、憂鬱な気持ちからだんだん前向きな気持ちになっていけるような歌詞を書きたいと思ってました。

カレン:何かが変わったんじゃなくて自分が変わったんだよ、ということを伝えたかったんですよ。

クララ:楽曲もすごくキャッチーなので、“魔法かけて!”とか、耳に残る言葉を選んで作って行きました。

――そこは二人で書く強みもあるんじゃないですかね。

クララ:そうですね。お互いにもともとの性格や視点が違うので、違うところから出てきた言葉が一緒になるのがすごくいいなと思います。

――そしてもう1曲、しっとりせつないバラードの「忘れてもいいよ」。

クララ:夏にぴったりの曲だと思います。今までもたくさん書いてくださった丸山真由子さんの曲で、以前に「花火」という夏の楽曲もあったんですけど、また一歩成長した、夏のせつない楽曲になったんじゃないかなと思います。「忘れてもいいよ」って…。

カレン:あなたは忘れてもいいけど私は忘れないよ、という気持ちを感じるところがね。

クララ:そう。ただせつない感情を伝えるよりも、「忘れてもいいよ」という言葉で伝えているところがよりせつなく感じられるなと思います。

カレン:女性特有だよね。本音とは逆のことを言っちゃう。この曲にはぐっと心をつかまれます。

――という、それぞれに個性の際立つ3曲収録のCDシングル。しかもゴスロリちっくなアートワークもすごくかっこいい。

クララ:ミュージックビデオも、今までとはまったく違った雰囲気になっています。私たちは新曲で、素顔でミュージックビデオを撮るのが初めてだったので、楽曲自体も挑戦だったんですけど、ミュージックビデオやビジュアル面でもかっこよさが伝わる衣装だったり、今までは白を基調としたふわふわした女の子らしいものが多かったので、見た目からも「えー、ClariSなのこれ?」って思っていただけるような感じに仕上がったと思います。

カレン:ミュージックビデオには、ダンスだけじゃなくてドラマちっくなシーンがあったり、感動的な要素も含まれていて、かっこいい表情とか、顔を作るというのも新しい挑戦でした。今までは体を使って表現していたものが、目や口元で伝えていけるようになったので、そこもすごく大きな一歩かなと思います。

――そうですよね。あらためて、素顔を出して活動することに、もう違和感みたいなものはなくなりました?

カレン:やっている時に違和感はないんですけど、ミュージックビデオとかを自分たちで見た時に、不思議な気持ちにはなります。

クララ:だいぶ慣れてきましたけどね。10周年の配信ライブ(2020年10月)を機に仮面を外したんですけど、仮面を外すことでいろんなジャンルに挑戦していけるんじゃないかな?と思っているので。「ALIVE」はこれからもどんどん挑戦を続けて行く一歩になったと思うので、自分たちもこの楽曲に成長させてもらったなと思っています。

――挑戦と言えば、9月14日リリースの最新曲「Masquerade」も大きな挑戦じゃないですか。

カレン:そうなんです。

次ページでは「Masquerade」に関してじっくりお聞きします!

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