『Trickstar』VS『Eden』、アイドルの頂点はどちらだ!? 『あんさんぶるスターズ!THE STAGE』-Witness of Miracle-ゲネプロレポート

レポート
舞台
アニメ/ゲーム
2022.10.13

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『あんさんぶるスターズ!!』とは、スマートフォン向け大人気ゲームアプリで、現在1000万DLを突破。男女問わず多くの人が楽しんでいるゲームだ。キャラクターたちによるCGライブ、原作声優によるライブなど幅広く展開しており、2.5次元舞台である『あんさんぶるスターズ!オン・ステージ/THE STAGE』もシリーズ11作目となる。

今回はメインストーリー第二部『SS』編、『キセキ』シリーズの後篇を描く。

キャラクターへの説得力の高さ『Trickstar』・『Eden』

物語は天祥院英智(笹森裕貴)と日々樹 渉(安井一真)が生徒会室で、アイドルの頂点を決める祭典『SS』について会話をするところから始まる。夢ノ咲学院の代表は『Trickstar』。たくさんのアイドルたちが出演する中でも最大のライバルとなるのが『Eden』という4人組のユニットだ。彼らとは前作『あんさんぶるスターズ!THE STAGE』-Track to Miracle-(以下『TtM』)でも対峙しており、そこでの苦い経験が『Trickstar』の成長のきっかけとなった。格上のアイドルに新進気鋭の革命児は勝てるのだろうか。原作ストーリーを読んで涙した人はタオルを持っていくことを強くオススメする。

天祥院英智:笹森裕貴

天祥院英智:笹森裕貴

日々樹 渉:安井一真

日々樹 渉:安井一真

今回特に注目したいのが、『Eden』についてだ。まず『Eden』は乱 凪砂(松田 岳)・七種 茨(橋本真一)の『Adam』と、巴 日和(宮城紘大)・漣 ジュン(岸本勇太)の『Eve』の2ユニットが合体したユニットであり、前作『TtM』では『Eden』としての出番はなかった。今作では最大の注目どころと言っても遜色ないだろう。

岸本のジュンは視線と動きで、野性的な艶やかさでこちらを挑発してくる。ジュンと同じモーションであっても柔らかさや気品があったり、ころころと変化する心と表情に親しみを覚える宮城の日和。戦闘力ともいえるような鋭さと折れない芯の強さが魅力の橋本の茨。ライブと平時とのギャップの高さやなびく髪の動きすら美しい松田の凪砂。

前作を経て更にキャラクターに近づいており、シルエット、立ち方、呼吸のひとつにさえ「キャラクターへの説得力」がぐっと増したように感じた。『Eden』の曲は人智を超えるような圧を感じる鋭さやカッコよさを感じる曲調でもあるが、彼らのパフォーマンスはまさに曲とぴったり合致していたのが印象的だった。

乱 凪砂:松田 岳

乱 凪砂:松田 岳

巴 日和:宮城紘大

巴 日和:宮城紘大

七種 茨:橋本真一

七種 茨:橋本真一

漣 ジュン:岸本勇太

漣 ジュン:岸本勇太

『Eden』の輝きを受けて、『Trickstar』もさらに魅力度を上げている。

前作『TtM』でさらなる成長を遂げた『Trickstar』を演じる谷水 力の衣更真緒、松村泰一郎の遊木 真、山本一慶の氷鷹北斗は、作品やキャラクターへの想いが本当にあふれ出ているように見える。安定感のある演技やパフォーマンスは、舞台上や客席をキラキラに包みこみ、笑顔一色にしてくれるパワーを持っている。そして、いつも明るく、ムードメーカー的な存在の明星スバル(竹中凌平)は今作中非常に辛い思いをする。竹中の緩急ある演技は、とても自然体で感情移入がしやすいと感じるほどだ。

『Trickstar』はキラキラのかけらをたくさん集めて瞬く星のような、対して『Eden』は荒々しくも強烈な存在感で光り輝くアイドルたちである。その輝きの違いはライブ衣装にも表れているようで興味深い。

氷鷹北斗:山本一慶

氷鷹北斗:山本一慶

明星スバル:竹中凌平

明星スバル:竹中凌平

遊木 真:松村泰一郎

遊木 真:松村泰一郎

衣更真緒:谷水 力

衣更真緒:谷水 力

そのほか『Trickstar』、『Eden』以外のメンバーの関係性も見どころが多い。

まずは伏見弓弦(飯山裕太)と青葉つむぎ(工藤大夢)は、サポートの役回りが大きいが実はアイドルとしての能力も高い。次にスバルと守沢千秋(佐伯 亮)のバスケ部のふたり。原作では過去にターニングポイントとなり、互いに成長のきっかけを与えたという深い間柄。最後に演劇部の北斗と渉。過干渉はせずとも互いを尊重しあうさまが見て取れる。バスケ部と演劇部、ふたつの部活動の対比にも注目したい。

伏見弓弦:飯山裕太

伏見弓弦:飯山裕太

守沢千秋:佐伯 亮

守沢千秋:佐伯 亮

青葉つむぎ:工藤大夢

青葉つむぎ:工藤大夢

『あんステ』を楽しむために

『あんステ』はアイドルたちが歌って踊るライブシーンがあり、ペンライトや自作のうちわで応援することができる。さながら3次元アイドルのライブであるかのように、彼らのパフォーマンスを体感することができるのだ。他の2.5次元舞台、特にアイドルをテーマとした作品の中でも群を抜いてキャラクターと観客との一体感がある舞台だ。持ち込めるペンライトやうちわの本数は決まっているため、詳しくは公式HPを参照のこと。

体感型の舞台のため、いつアイドルたちから視線をもらえるかなども積極的に楽しめる。東京公演もあとわずか。この後は京都、大阪で11月6日(日)まで公演予定。

(C)2021 Happy Elements K.K/あんステ製作委員会
取材・文=松本裕美

>(NEXT)キャストコメントを紹介!

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