三浦宏規・高野洸、小関裕太・牧島輝、鈴木大河・神里優希がWキャストで挑む! 舞台『キングダム』インタビュー
三浦:信にとって、親友である漂を目の前で亡くしているショックは大きいと思うんです。下僕だった頃からずっと2人で暮らしてきて、彼しか頼れる人がいなかった。そんな親友を亡くした気持ちは計り知れない。将軍になりたい気持ちが一番の原動力ではありますが、どんなに辛い戦いの中でも漂の存在があるからこそ、信はすべてを乗り越えていける。だからこそ、特に序盤に来るであろう漂とのシーンを大事に描きたいです。僕自身は信とはまったく違う性格ですが、無鉄砲に突っ込んでいくところはある。小さい頃から舞台が好きで、一人で東京に出てきて、何も考えずに周りにも迷惑をかけてきたので。自分自身とリンクするところもありますし、精いっぱい演じたいです。
高野:信は思ったことを素直に言いますし、とにかくまっすぐ突き進むんですよね。そのなかでも、内に秘めた人間力が魅力的。たとえ敵だとしても罪のない人は殺したくないっていう思いを大事にしているところがかっこいいし、正義を貫く姿はついていきたくなる存在。味方の士気を上げるのが得意というところにも惹かれます。演じる上でハードル高いなって思うんですけど……頑張ります!
――小関さんと牧島さんは若くして中華統一を目指す嬴政と、信の親友・漂の2役を演じます。
小関:共通して、すごくミステリアスな人物だと思っています。漂は回想シーンによく出てくるので、漂に感情移入するというよりも「信にとってどういう存在なんだろう?」って思いながら見ている人が多いはず。漂自身は実際にどんな景色を見ていたのか、(役の)中に入る身としては、考える余白がたくさんある。作り甲斐のあるキャラクターです。政は、国を統一するという当時としては現実味のない夢を信念に持っている。「俺はこういう国を作る」と真剣に言えるための現実味をちゃんと持たせたい。最近携わった作品で、もともと原作の漫画が大好きだからこそ「この役は想像しきれる!」と臨んで、いざ入ってみるとまったく違った景色が待っていたという経験をしました。ミステリアスという印象から始まったこの役には、どんな景色が待っているのか楽しみです。
牧島:漂が出てくるシーンは全体から見るとほんのわずかなんですが、村のみんなから好かれていたのがよくわかる。いつもニコニコしていて冷静な面もあるし、現実にいたら僕も好きになるタイプです。政は強くて、民のことを考えてくれている。『キングダム』にはいろんな国が出てきますが、僕は政が王としている国にいたい。持ち上げられて王になっているわけでなく、自ら先導している。男として憧れるし、かっこいいです。
――成蟜は嬴政の異母弟であり、クーデターを起こす役どころです。
鈴木:たぶん、読者が最初に嫌いになるキャラクターだと思うんです。成蟜さえいなければ漂が死ぬことはなかったけど、成蟜がいなければ『キングダム』という物語は始まらなかったとも言える。読んでいくうちにどんどん好きになっていくキャラクターなんですが、最初は「なんだあいつ!」って思ってもらえるような表現をしていけたらと考えています。
神里:とにかく性格が悪い奴ですが、僕は彼の中に寂しさもあるんじゃないかと感じているんです。純血なのに王になれなかったことは悔しかったでしょうし、その気持ちはみんなにはわかってもらえない。うまく処理できなかったんだろうなって。ただ、舞台上ではしっかりと嫌われるように頑張ります。生意気でやんちゃ坊主だった頃の自分を生かしたいですね(笑)。