うわ、本物の貞子だ……小芝風花、川村壱馬が映画『貞子DX』にちなみ、子供の頃に信じていたかわいいエピソードも告白
小芝風花、川村壱馬
日本が世界に誇るホラー映画シリーズの最新作『貞子DX』が10月28日(金)より全国公開される。同作は、鑑賞すると24時間以内に死を迎えるという呪いの映像をめぐり、IQ200の大学院生、一条文華と自称占い師の前田王司がその謎を解明するために奮闘する。ちなみに大阪松竹座では歌舞伎『日本怪談歌舞伎(Jホラーかぶき) 貞子×皿屋敷』が10月25日(火)まで上演されるなど、さまざまな「舞台」に姿をあらわしている貞子。そんな貞子と遭遇した感想や作品のテーマにちなんだふたりの挑戦を、文華役の小芝風花、王司役の川村壱馬(THE RAMPAGE)に訊いた。
川村壱馬、小芝風花
――貞子は、日本映画史上にのこるスーパースターと言えるキャラクターです。そんな貞子を目の前にしたとき、ある意味、感動するものがあったのではないですか。
小芝:たしかにありました。貞子を実際に見たとき、動きがすごく怖かったです。特に井戸から出てくるシーンでは、「貞子が本当にいた!」という感じがして。「うわ、本物だ……」と(笑)。でも今回、文華や王司などキャラクター同士の掛け合いはポップなシーンが多いんです。そういう貞子の姿を見て「ホラー映画を撮っているな」とあらためて実感しました。
川村:僕が演じた王司は、格好をつけても決まらない、ズレているキャラクター。オーバーリアクションも多いし、ホラーとして成立しているのか不安も多かったんです。そのなかで「やっぱりこれはホラー映画だ」と再認識できたのは、貞子の動きを見たときなんです。同じく「うわ、本物だ……」となりました。
小芝:そうそう。「本当に井戸から出てきた」となりましたよね(笑)。
小芝風花
――おふたりのキャラクターも個性的ですよね。小芝さん演じる一条文華はIQ200の大学院生。でもそういう数字的なキャラクター情報だけ見ると、偏ったイメージを持ってしまいがち。でも実際はとても親しみやすい人物像になっていますね。
小芝:最初に台本を読んだときは、私も鼻につくイメージで演じた方が良いと考えていました。なにごとにも動じずに理論的に詰めていく、冷たい印象があったのです。でも現場で台詞が追加されたりして、決してクールな人間ではなく、目の前になにかが飛び出してきたらちゃんと驚いたり、妹など人に対する愛情を深く持っていたりする。人間的な女性として演じようと思いました。演じる上で参考にしていたのは、クイズ番組に出演されている高学歴の現役大学生の方々。クイズのときは淡々と難問を解いていくけど、いじられたりしたら顔を赤くしたりして、人間的で愛らしい部分があらわれたりしますよね。文華にはそのイメージがありました。
――川村さんが演じた前田王司は格好をつけすぎる勘違い男性。笑える部分もたくさんありますね。
川村:自分が普段使っているカロリーの倍くらいのリアクションをとりました(笑)。格好をつけても決まらないところは、「こんな感じかな」と感覚でやっていきましたね。
貞子の登場に驚く小芝風花と川村壱馬
――王司は運命論者で、どんなことでも運命に結びつけていくところがあります。川村さん自身は「これは運命だ」と思うような出会いや瞬間はありますか。
川村:たとえば、自分が所属するTHE RAMPAGEのメンバーのなかだと、山彰(山本彰吾)さんですね。僕は大阪出身ですが、山彰さんも岡山出身で雰囲気的に関西のノリに近い。家族同士も仲が良くて、時には幼馴染みたいでもあるし、でも家族、兄弟みたいでもあり、親友でもあり。年齢も近くてお互いに漫画も好きで、ほかにも学生生活の送り方など共通点がたくさんあって。出会うべくして出会った気がするので、運命だなと思っています。
――物語的なキーワードとして、真偽不明のことがSNSなどを通して拡散していく怖さも描かれています。おふたりは日常的な部分も含めてこれまで「本当か嘘かわからないけど信じていた」ということはありますか。
小芝:フィギュアスケートを習っていたんですけど、試合の前日は足の爪を切らないようにしていました。ジンクスみたいなものですよね。足の爪を切ると、ちょっとした感覚の違いでジャンプのタイミングがズレそうな気がして。実際に爪を切って失敗をしたことがあったんです。だから「絶対に試合前は切らない」と決めていました。
川村:僕は小学校低学年の頃、ずっと「ポケモンは実在する」と思っていました(笑)。いや、薄々は感じていたんです。きっといないだろうと。でも信じていたかったというか。あと、忍者には実際になれるものだと思っていました。本当に忍者として活動していらっしゃる人もいますし、僕もからくりとかなく、火を吹いたりできるんじゃないかなとか。
川村壱馬
――『貞子DX』では、たとえ困難に直面しても一歩前に踏み出すことの重要さもテーマになっています。
小芝:新しいことに挑戦するのは、誰だって怖いもの。人間は、なにかを始める前は「こんなことが起きてしまうんじゃないか」と、想像して不安になることが多い。もちろん、そのおかげで身を守れたりもします。だけど、そんなことばかり考えていたら、すごく小さい世界のなかで生きることになると思うんです。私自身は、芸能界に一歩踏み出して今までとは全然違う環境になり、いろんな人と出会って「そういう考え方もあるんだ」と広がりが生まれました。それでも世界には、まだまだ知らないことがたくさんある。私の生きている世界は、その0.1ミリくらいなのかもしれない。怖さもあるけど一歩踏み出したら、良い出会いや運命が転がり込んできて、生き方が変わるかもしれない。私は、なにもせずに後悔するくらいなら一歩踏み出したいですね。
川村:小芝さんがおっしゃるように、なにかをやらないとなにも変わらない。この役をやりたい、こういうアーティストになりたいという願望があっても、自分から動いて掴みにいかないとなにも得られませんから。部屋のなかでジッとチャンスを待っているだけでは、難しい気がします。僕の場合は、グループに入るためのオーディションがまさにそうでした。2014年に受けて合格しましたが、あのとき「受けよう」と選択しなかったら、今頃なにをしているか考えるだけで恐ろしい。行動することがすごく大事だと思います。
撮影時もノリが良い貞子ら
取材・文=田辺ユウキ 撮影=高村直希
上映情報
(c)2022『貞子DX』製作委員会
川村壱馬(THE RAMPAGE) 黒羽麻璃央 八木優希 渡辺裕之
西田尚美 池内博之
脚本:高橋悠也 音楽 遠藤浩二 世界観監修:鈴木光司
主題歌:「REPLAY」三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE(rhythm zone / LDH JAPAN)
選曲:稲川壮 音響効果:大塚智子 スタイリスト:望月恵 ヘアメイク:内城千栄子 助監督:成瀬朋一 日髙貴士 製作担当:白石治 宣伝プロデューサー:梶原真理 益田和佳
製作:『貞子DX』製作委員会 配給・制作:KADOKAWA
2022年度作品 / カラー作品 / 上映時間:100分
公演情報
会場:大阪松竹座(大阪市中央区道頓堀1-9-19)
公演情報
会場:大阪松竹座(大阪市中央区道頓堀1-9-19)