奈良・大安寺に伝わる貴重な仏像や出土した瓦などを展示 特別企画『大安寺の仏像』開催
「大安寺の仏像」キービジュアル
東京国立博物館では、2023年1月2日(月・休)から3月19日(日)まで、特別企画『大安寺の仏像』を開催する。
奈良市にある大安寺(だいあんじ)は、国家によって造営された日本最初の国立寺院である。前身寺院は、国家の寺院のなかでも最も重要であることを意味する大官大寺という名をもち、8世紀初めの平城京遷都に伴って現在の地に移され、やがて大安寺と呼ばれるようになった。中国、インド、ベトナムなどから来日した著名な僧侶たちが住んで教えを伝えるなど、国際色豊かな環境で多くの優秀な僧侶たちを育てた仏教研究の中心拠点として栄え、日本仏教の興隆に重要な役割を果たしたという。
重要文化財 楊柳観音菩薩立像 奈良時代・8世紀 画像提供=奈良国立博物館 撮影=西川夏永
重要文化財 多聞天立像(四天王立像のうち) 奈良時代・8世紀 画像提供=奈良国立博物館 撮影=西川夏永
本展では、大安寺に伝わる仏像のほか、大安寺出土の瓦などをあわせて展示し、日本仏教の源流ともいうべき大安寺の歴史を紹介。大安寺には奈良時代につくられた木彫の仏像群が伝わっているが、奈良時代の木彫像は現存作例が少なく、平安時代以降に仏像の素材として主流となる木でつくられた先駆的な存在として貴重なものである。いずれも一木造で、優れた身体表現や細やかな彫りに奈良時代の木彫像の特色が表われている。
重要文化財 不空羂索観音菩薩立像 奈良時代・8世紀 画像提供=奈良国立博物館 撮影=西川夏永
重要文化財 聖観音菩薩立像 奈良時代・8世紀 画像提供=奈良国立博物館 撮影=西川夏永
大安寺に伝わる仏像を東京でまとめてみられる貴重な機会となる特別企画『大安寺の仏像』は、2023年1月2日(月・休)から3月19日(日)まで、東京国立博物館にて開催。