《連載》もっと文楽!〜文楽技芸員インタビュー〜 Vol.4 吉田玉助(文楽人形遣い)
「技芸員への3つの質問」
【その1】入門したての頃の忘れられないエピソード
入門してすぐの頃、国立劇場の公演には師匠であるうちの親父が借りていた勝どき5丁目のマンションから通っていたんです。終演してから帰るのに使うのは、いつも最終の一つ前のバス。『鬼瓦』と言われていた親父は毎日、怖い顔でちゃんと料理を作ってくれていて。もうある程度飲んで出来上がっていて、『今日は遅いやないか』! 寄り道なんてしてないから『いつもと同じバスです』と答えて。親父の料理は特別美味しくはなかったと思うのですが、いい思い出です。
【その2】初代国立劇場の思い出と、二代目の劇場に期待・妄想すること
初代国立劇場は昭和41年、僕と同じ年に生まれたので、一緒に育っている感覚があったんです。最初に国立劇場を見た時は、その大きさと正倉院みたいなデザインにびっくりして、『どんな宝が入っているのか』と(笑)。劇場の45周年に三番叟を遣わせてもらった時は、自分を祝っているような感覚もありまして。簑助師匠が翁をなさるなど、記念にふさわしい配役の中でやらせてもらったのは、本当に栄誉なことでした。
今は劇場でも飲食は制限されていますが、新しい劇場ではあまり堅苦しくなく、お弁当を食べるぐらいの気軽さで、楽しく文楽を観ていただきたいですね。
【その3】オフの過ごし方
ちょっと前までは旧型のスクーターに乗っていたのですが、劇場側に危ないから止めるよう言われ、泣く泣く止めまして、大阪では車通勤です。最近は、オフは落語を聴きに行ったり歌舞伎などのお芝居を観たりしています。
取材・文=高橋彩子(演劇・舞踊ライター)
公演情報
未来へつなぐ国立劇場プロジェクト
初代国立劇場さよなら公演
公益財団法人文楽協会創立60周年記念
『令和5年5月文楽公演』
初代国立劇場さよなら公演
公益財団法人文楽協会創立60周年記念
『令和5年5月文楽公演』
日程:2023年5月11日(木)~2023年5月30日(火)
会場:国立劇場 小劇場
会場:国立劇場 小劇場
第一部 (午前10時45分開演)
通し狂言 菅原伝授手習鑑 (すがわらでんじゅてならいかがみ)
初段
大内の段
加茂堤の段
筆法伝授の段
築地の段
大内の段
加茂堤の段
筆法伝授の段
築地の段
第二部 (午後2時開演)
通し狂言 菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ)
二段目
道行詞の甘替
安井汐待の段
杖折檻の段
東天紅の段
宿禰太郎詮議の段
丞相名残の段
道行詞の甘替
安井汐待の段
杖折檻の段
東天紅の段
宿禰太郎詮議の段
丞相名残の段
※9月公演にて『菅原伝授手習鑑』三段目~五段目を上演予定です。
第三部 (午後5時45分開演)
夏祭浪花鑑 (なつまつりなにわかがみ)
住吉鳥居前の段
内本町道具屋の段
釣船三婦内の段
長町裏の段
内本町道具屋の段
釣船三婦内の段
長町裏の段
(字幕表示がございます)
主催=独立行政法人日本芸術文化振興会
公演情報
『令和5年夏休み文楽特別公演』
日程:2023年7月22日(土)~2023年8月13日(日) 休演日:8月1日(火)
会場:国立劇場 小劇場
会場:国立劇場 小劇場
第1部 【親子劇場】 午前10時30分開演
小佐田定雄=作 鶴澤清介=作曲
桐竹勘十郎=演出 望月太明藏=作調
かみなり太鼓(かみなりだいこ)
解説 文楽ってなあに?
山田庄一=作 竹澤團七=作曲 望月太明藏=作調
西遊記(さいゆうき)
閻魔王宮より釜煮の段
西遊記(さいゆうき)
閻魔王宮より釜煮の段
第2部 【名作劇場】 午後1時30分開演
通し狂言 妹背山婦女庭訓(いもせやまおんなていきん)
四段目
通し狂言 妹背山婦女庭訓(いもせやまおんなていきん)
四段目
井戸替の段
杉酒屋の段
道行恋苧環
鱶七使者の段
姫戻りの段
金殿の段
入鹿誅伐の段
杉酒屋の段
道行恋苧環
鱶七使者の段
姫戻りの段
金殿の段
入鹿誅伐の段
第3部 【サマーレイトショー】 午後6時30分開演
夏祭浪花鑑(なつまつりなにわかがみ)
野澤松之輔=補曲
住吉鳥居前の段
釣船三婦内の段
長町裏の段
《字幕表示がございます》