『東京芸術祭 2023』で上演する、木ノ下歌舞伎『勧進帳』 出演者など公演詳細と第一弾ビジュアルが発表

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2023.5.25
東京芸術祭 2023 芸劇オータムセレクション 東京芸術劇場 Presents 木ノ下歌舞伎『勧進帳』

東京芸術祭 2023 芸劇オータムセレクション 東京芸術劇場 Presents 木ノ下歌舞伎『勧進帳』

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東京芸術劇場にて、『東京芸術祭 2023』芸劇オータムセレクションプログラムとして、木ノ下歌舞伎による『勧進帳』を、2023(令和5)年9月1日(金)から上演する。この度、公演の詳細、及び第一弾ビジュアルが発表された。

2006年から京都を中心に活動を展開する演劇団体・木ノ下歌舞伎(通称:キノカブ)。木ノ下歌舞伎の代表作である『勧進帳』は、主宰・木ノ下裕一が監修・補綴、そして創作当時は企画員として木ノ下歌舞伎に在籍していた、KUNIO主宰の杉原邦生が演出・美術を担い、2010年に初演された。その後、2016年にリクリエーション版を上演、『ジャポニスム2018』の一環として招聘され、パリ公演も好評を博した。

『勧進帳』2016年版 舞台写真

『勧進帳』2016年版 舞台写真

『勧進帳』2016年版 舞台写真

『勧進帳』2016年版 舞台写真

『勧進帳』2016年版 舞台写真

『勧進帳』2016年版 舞台写真

木ノ下裕一の多岐にわたるメディアなどでの活躍とともに、歌舞伎の現代における上演の可能性を問う挑戦的な作品を生み出し続けるキノカブと、国内外、古典・現代劇を問わず確かな演出力を発揮し続ける杉原邦生。本作は、そんな二人が、「再び上演したい!」と切に願った自信作の5年振りの再演、初めての東京公演となる。

『勧進帳』2016年版 舞台写真

『勧進帳』2016年版 舞台写真

『勧進帳』2016年版 舞台写真

『勧進帳』2016年版 舞台写真

『勧進帳』2016年版 舞台写真

『勧進帳』2016年版 舞台写真

出演者は、武蔵坊弁慶役をリー5世、富樫左衛門役を坂口涼太郎、源九郎判官義経役を高山のえみ、常陸坊海尊/番卒オカノ役を岡野康弘、亀井六郎/番卒カメシマ役を亀島一徳、片岡八郎/番卒シゲオカ役を重岡漠、駿河次郎/太刀持ちの大柿さん役を大柿友哉が務める。また、スウィングとして佐藤俊彦、大知が出演。

リー5世

リー5世

坂口涼太郎

坂口涼太郎

高山のえみ

高山のえみ

岡野康弘

岡野康弘

亀島一徳

亀島一徳

重岡漠

重岡漠

大柿友哉

大柿友哉

佐藤俊彦

佐藤俊彦

大知

大知

さらに、今回の『勧進帳』公演では、オーディションで選出された若手スウィング俳優の出演回の設定や、東京芸術劇場が2009年から取り組む鑑賞サポートの特別版の実施、公演前の特別対談映像配信、公演期間中の有料トークイベント(詳細は後日発表)など、より深く作品を楽しむことができる、さまざまな関連プログラムを展開していく。

 
『勧進帳』あらすじ
鎌倉幕府将軍である兄・源頼朝に謀反の疑いをかけられた義経たちは、追われる身となり奥州へ向かっていた。
道中の加賀国(※1)・安宅で、義経一行は自らを捕らえるための関所に行く手を阻まれる。義経は強力(※2)の姿、家来たちは山伏の姿に化けて関所を通ろうとするが、関守の富樫左衛門には山伏姿の義経たちを捕らえるよう命令が下されていた。そこで武蔵坊弁慶は機転を利かせて、焼失した東大寺を再建するため勧進(※3)を行っているのだと話す。すると富樫は、弁慶に勧進帳(※4)を読むよう命じるのだった。もちろん勧進帳など持っていない弁慶は、別の巻物を開くと、それを本物と見せかけて勧進帳の文言を暗唱してみせた。その後も一行は山伏を演じきり、関所を通る許しを得る。しかし、ふとしたことから強力が義経ではないかと疑われてしまった。緊迫した状況のなか、弁慶は義経をどこまでも強力として扱い、杖で打ち据える。それを見た富樫は、頼朝の命を破り、一行を通してやるのだった――。
(※1)現在の石川県小松市。
(※2)山伏に伴って荷物を運ぶ従者。
(※3)寺院の建立・修繕などのため、信者や有志者に説いてその費用を奉納させること。
(※4)勧進の目的について記された巻物形式の趣意書。


『勧進帳』監修・補綴 木ノ下裕一(木ノ下歌舞伎主宰) コメント

木ノ下裕一    (C)東直子

木ノ下裕一    (C)東直子

今までに増して、一枚のが重くなっているようです。
疫禍にも収束の光が見えつつあると言っても、依然として突然の中止があり得る世界において、作り手と観客が同じ時と場を共有する舞台芸術はまさに一期一会。お客さまもまた、時間的な余裕と、経済的な余裕を見極めながら、今見るべき一本の舞台を、慎重に選んでいるように見受けられます。
一方、ますます格差が広がっていく社会の中で、誰もが気軽に娯楽や文化芸術を享受できなくなりつつあるのだとしたら、〝公共劇場〟の意義と責任はより重大です。そんな中、東京芸術劇場さんと一緒に『勧進帳』を上演いたします。公共劇場とカンパニーが協同することで、何ができるのか。少しでもクオリティの高い作品をお客様のお目にかける以外にも、まだまだやれることがあるのではないか。より作品をお楽しみいただくための講座、知的好奇心を刺激するための関連イベント、中高生へ向けた鑑賞会、障がい者への観劇サポートなど、ありったけの知恵を絞って、少しでも皆様の傍に〝寄り添える〟公演を目指します。
思えば、『勧進帳』は、登場人物全員が、寄り添えないはず(立場上寄り添ってはいけないはずの)の他者に、それでも少しずつ寄り添おうとする物語でもありました。
「この公演は自分のためにあった」と、お客様お一人ひとりに思っていただけるように、心を込めて臨みます。
一枚の重さを受け止めながら。

『勧進帳』演出・美術 杉原邦生 コメント

杉原邦生    撮影:細野晋司

杉原邦生    撮影:細野晋司

2016年にリクリエーションした木ノ下歌舞伎版『勧進帳』を5年ぶりに上演できること、とても嬉しく思っています。と同時に、初演時よりさらに目まぐるしく移り変わるこの時代に、7年前の作品が未だ〈チカラ〉を持ち得ているのだろうかと、少しだけ不安を感じたりもしています。
ですが、そもそも歌舞伎の『勧進帳』も、“能の『安宅(あたか)』を歌舞伎化する”というアイデアから創作され、初演から今日に至るまで形を変えながら練り上げられ、幾たびも上演されてきました。その事実こそが、古典芸能の〈チカラ〉を証明していると言えるかもしれません。ということは、“歌舞伎の『勧進帳』を現代劇化する”という野心的な試みによって生まれた僕たちの『勧進帳』も、こうして時代の変化とともに上演を重ねていくことで、日本の古典芸能、さらには、日本の舞台芸術の〈チカラ〉を証明することに繋がっていくはず——そんな野望を胸に、ただただ良き上演を届けられるよう、粛々と準備を重ねています。
皆さまのご来場お待ちしております。

公演情報

東京芸術祭 2023 芸劇オータムセレクション
東京芸術劇場 Presents 木ノ下歌舞伎『勧進帳』
 
日程:2023(令和5)年9月1日(金)~9月24日(日)
会場:東京芸術劇場 シアターイースト
上演時間:約90分(途中休憩なし) 
 
監修・補綴:木ノ下裕一
演出・美術:杉原邦生[KUNIO]
出演:
リー5世 坂口涼太郎 高山のえみ
岡野康弘 亀島一徳 重岡漠 大柿友哉
 
スウィング:佐藤俊彦 大知
 
発売日】
一般発売 2023年7月1日(土)10:00~ (各プレイガイドにて先行販売あり)
※9月23日(土・祝)の有料トークイベントの発売は後日発表いたします。
 
料金】全席自由(入場整理番号付・税込)
一般 5,500円/早割 4,500円(9月1日(金)~9月3日(日)公演限定、前売りのみ)/
スウィング俳優出演回 4,000円/65歳以上5,000円/25歳以下 3,500円/
高校生以下 1,000円/ペア割 10,000円
※未就学児はご入場いただけません。
※ペア割(一般2名)は、東京芸術劇場ボックスオフィスのみ取扱い(枚数限定)。
※65歳以上、25歳以下、高校生以下割引は東京芸術劇場ボックスオフィスにて前売りのみ取扱い(枚数
限定・要証明書)。
※一般料金ので年齢割引の対象者様が入場されても差額の返金はできません。また、年齢割引ので一般の方がご入場される際は、公演当日に受付で差額のお支払をお願いいたします。
※障害者手帳をお持ちの方は、割引料金でご観劇いただけます(要事前申込)。詳細は、東京芸術劇場ボックスオフィス、または当劇場webサイト(鑑賞のサポート)にてご確認ください。
※車いすでご鑑賞を希望のお客様は、ご案内できるスペースに限りがあるため、ご来場前に東京芸術劇場ボックスオフィスへお問合せください。
※全日程でヒアリングループ(磁気ループ)を作動します。
※やむを得ぬ事情により、記載内容・公演情報などに変更が生じる場合がございます。
※営利目的の転売は固くお断りいたします。
※公演中止の場合を除き、ご予約・ご購入いただきましたのキャンセル・変更は承れません。
※ご来場前に必ず当劇場 web サイト内の注意事項と本公演の最新情報をご確認ください。

■アフタートークあり(参加は、当日のをお持ちの方に限ります)
9月7日(木) 木ノ下裕一×杉原邦生
9月13日(水) 木ノ下裕一×杉原邦生×出演者数名
9月18日(月・祝) 木ノ下裕一×杉原邦生×スウィング俳優(佐藤俊彦、大知)
※9月23日(土・祝)は、有料トークイベント開催予定(詳細は後日発表)

【託児サービス】
東京芸術劇場でご鑑賞の際には、一時託児をご利用いただけます。
(生後3ヵ月~小学校入学前までのお子様対象/有料・定員制・土日祝を除く希望日1週間前迄に要申込)
ご予約受付・お問合せ:株式会社ミラクス ミラクスシッター 0120-415-306(平日 9:00~17:00)
 
【お問合せ】
東京芸術劇場ボックスオフィス
0570-010-296(休館日を除く 10:00~19:00) www.geigeki.jp
公演詳細:https://www.geigeki.jp/performance/theater331/
 
主催:東京芸術祭実⾏委員会[公益財団法⼈東京都歴史⽂化財団(東京芸術劇場・アーツカウンシル東京)、東京都]
助成:一般財団法人地域創造
協賛:アサヒグループジャパン株式会社
企画制作:東京芸術劇場・木ノ下歌舞伎/一般社団法人樹来舎
 
【ツアー日程】
[沖縄公演] 9月29日(金)~10月1日(日) 那覇文化芸術劇場なはーと 大劇場(特設客席)
[上田公演] 10月7日(土)・8日(日) サントミューゼ(上田市交流文化芸術センター)大ホール(特設客席)
[岡山公演] 10月14日(土)・15日(日) 岡山芸術創造劇場 ハレノワ 小劇場
[山口公演] 10月21日(土)・22日(日) 山口情報芸術センター スタジオA
[水戸公演] 10月27日(金)・28日(土) 水戸芸術館 ACM劇場
[京都公演] 11月4日(土)・5日(日) 京都芸術劇場 春秋座(特設客席)
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