《連載》もっと文楽!〜文楽技芸員インタビュー〜Vol. 6 吉田玉延(文楽人形遣い)×吉田玉征(文楽人形遣い)

2023.11.10
インタビュー
舞台

「技芸員への3つの質問」

【その1】入門したての頃の忘れられないエピソード

玉延入門2年目の時に師匠が「玉女」から「玉男」へと襲名されたので、師匠の両方の名前の時代を体験できて良かったですし、襲名時の華やかな雰囲気を体感できたのも嬉しかったですね。ただ、襲名披露口上では、舞台上でずっとじっとしているし、疲れと暖かさからうとうとしてしまい、お客さんにもバレてしまっていたのは、恥ずかしい思い出です。

玉征僕は入門した緊張から胃腸炎になり、病院に行って帰ったら家が火事になっていて、夜の11時半頃まで部屋に入れなかった思い出があります。あと、初めて師匠の足についたのが『生写朝顔話』の阿曾次郎だったのですが、これまた緊張し過ぎて、足同士が交差するような形で持ってしまったんです。当然ながら、後からめちゃめちゃ怒られました。

【その2】初代国立劇場の思い出と、二代目の劇場に期待・妄想すること

玉延ずっと研修を受けてきたし、大雪が降った日も来たし、育ててもらった劇場です。辛いことも沢山あったけれど愛着があるので、本当に寂しいです。二代目の劇場は初代を超えるぐらい良い劇場になってくれたら嬉しいですね。初代は空調があまり効かなかったので、効くようになるのを期待しています。

玉征楽屋食堂のカツ丼がめちゃめちゃ美味いなと思って、他の人に聞くとそうでもないよいなんですけど、僕はすごくお気に入りでした。初代は正倉院がモデルということで、二代目も立派な、伝統的なモデルの、カッコいい建築のが建ったらいいですよね。

【その3】オフの過ごし方

玉延3歳と1歳半の娘がいるので、公園で遊んだり遠出したり、そういう家族サービスがメインです。あと、息抜きは料理ですね。時間のかかる煮込み料理をずっと作ったりして、それがストレス解消になります。

玉征筋トレを頑張っています。それから、最近ギターを始めて。息抜きになるし、リズム感も養えるし。これも3年、がむしゃらに頑張ろうと思ってやっています。

取材・文=高橋彩子(演劇・舞踊ライター)

公演情報

『令和5年12月文楽公演』
 
日程:2023年12月4日(月)~12月14日(木)
会場:シアター1010(足立区文化芸術劇場)

開演時間:午後2時・午後5時開演(午後4時20分・午後7時20分終演予定)
 
演目・主な出演者:
源平布引滝 (げんぺいぬのびきのたき)
竹生島遊覧の段
九郎助住家の段
(字幕表示がございます)
 
主催=独立行政法人日本芸術文化振興会
 
等級別料金(税込):一般 6,500円(学生 4,600円)
 

公演情報

『令和5年12月文楽鑑賞教室 / 社会人のための文楽鑑賞教室』
 
日程:2023年12月5日(火)~12月14日(木)
会場:シアター1010(足立区文化芸術劇場)
 
開演時間:午前11時・午後2時・午後5時30分開演
(午後1時・午後4時・午後7時30分終演予定)
 
演目・主な出演者:
団子売(だんごうり)
解説 文楽の魅力
 
傾城恋飛脚(けいせいこいびきゃく)
新口村の段
 
(字幕表示がございます)
 
等級別料金(税込):学生1,800円 一般4,500円
 

募集要項

第32期文楽研修生募集【締切延長】
(令和5年度随時開講)

募集要項はこちら https://www.ntj.jac.go.jp/training/group/bunraku/guidelines.html

第33期文楽研修生募集
(令和6年4月開講)

募集要項はこちら https://www.ntj.jac.go.jp/training/group/bunraku/guidelines33.html