舞台『有頂天家族』稽古場レポート到着、主演の中村鷹之資&濱田龍臣や若月佑美、檀れいらが舞台上を所狭しと駆け回る
左から中村鷹之資、若月佑美
舞台『有頂天家族』が11月3日(日・祝)~11日(月)に新橋演舞場、16日(土)~23日(土・祝)に南座、11月30日(土)~12月1日(日)に御園座にて上演される。稽古場のオフィシャルレポートが到着したので紹介する。
下鴨家VS夷川家の空中戦
シリーズ累計55万部を誇る、森見登美彦の人気作『有頂天家族』を今回ストレートプレイとして舞台化。初日にむけて連日白熱する稽古場の様子と、主演の中村鷹之資、濱田龍臣、脚本・演出を手掛けるG2の3名によるコメントが到着した。
<稽古場レポート>
この日は第一幕の稽古。物語の幕開き、テンポの良い愉快な音楽とともに登場する主人公・下鴨矢三郎(中村鷹之資・濱田龍臣)の語りと、コンテンポラリーダンスが、狸・天狗・人間が暮らすこの物語の世界に誘う。京都の夏の風物詩「五山の送り火」を、空に飛ばした納涼船から眺めるのが狸界の習わし。公開された第一幕では、下鴨家と対立する夷川家との、納涼船での空中合戦が見どころとなる。
下鴨矢二郎
檀れい
珍皇寺の井戸は、カエルに化けて井戸に引きこもっている次男・矢二郎の住処で、ユーモラスな操り人形が台詞に合わせてコミカルに動きだします。井戸を訪れた矢三郎は、矢二郎に井戸の外で起こった出来事を語っていく。下鴨一家の納涼船は昨年、夷川家の策略で壊されてしまい、今年は新たに調達しなければならない。はりきって調達に乗り出した長男・矢一郎(渡部秀)ですが、残念ながら失敗に終わってしまう。熱心なタカラヅカファンの母・桃仙(檀れい)に説得され、結局矢三郎がその調達に奔走することに。矢三郎が思いついた相談相手は、空飛ぶ奥座敷を所有している大天狗・赤玉先生(相島一之)。
左から濱田龍臣、有川マコト、相島一之
その赤玉先生は不思議な魅力をもつ女性・弁天(若月佑美)に心を奪われ、コーポ桝形に引きこもっているうえに、その奥座敷を弁天にプレゼントしてしまった。弁天は、忘年会で狸鍋を食べる狸の天敵・・・苦心して奥座敷を譲り受けたものの、いざ飛ばすと、今度は下鴨家の前に夷川家の父・早雲(池田成志)や双子の息子金閣・銀閣が立ちはだかり、事態は空中戦に発展! 果たして今年の「五山の送り火」を無事に空の上から見ることができるのか?!
若月佑美
キャストが勢揃いしてのバトルシーンではアドリブも飛び交い、稽古場も笑いが起きて盛り上がる。舞台の道具で表現される納涼船と奥座敷、映像も交えて迫力満点であること間違いなし! ぜひ注目してほしい。このほかにも原作の文章から飛び出した狸や虎など不思議なものたちを舞台で表現する面白い小道具が登場し、小説の世界観が目の前に現れるような期待感が膨らむ。
左から若月佑美、濱田龍臣
舞台はいよいよ11月3日(日)から新橋演舞場で開幕、その後京都・南座、愛知・御園座で上演する。ワクワク感たっぷりの舞台『有頂天家族』に期待しよう!
<囲み取材>
稽古場で行われた囲み取材に、中村鷹之資、濱田龍臣、脚本・演出のG2が答えた。
【中村鷹之資】
左から中村鷹之資、佛淵和哉、檀れい、池田成志、橋本偉成、渡部秀
歌舞伎以外の舞台に出演するのは初めてです。一から作り上げていく現場が新鮮で、毎日勉強です!
矢三郎は何に対しても全力で、そのあふれ出るエネルギーを大事にしたいですし、「あいつは阿保だなぁ」と言われながらも憎めない、たぬきらしい愛嬌のあるキャラクターを表現して、愛していただける役になるように頑張りたいです。森見先生の小説ではその情景が浮かび上がってくるような書かれ方をしていて、原作を読んでから京都を訪れた時に、この上を天狗が飛んでいるのかなとか、この小川に下鴨一家がいるのかなと想像して楽しくなりました。
【濱田龍臣】
左から濱田龍臣、中村鷹之資、G2
父・下鴨総一郎の「面白きことは良きことなり!」という言葉を兄弟の中で一番大事にしているのが矢三郎で、物事に対する判断基準が「面白いかどうか」。巻き込まれていく物事にただリアクションするだけではなく、その渦をさらに大きくできるようエネルギーを注いでお芝居を作っていきたいです。先日下鴨神社や、南座周辺を訪れて、感慨深い気持ちになりました。南座でご観劇の方は、周辺のゆかりのスポットにも行けて、観劇+αの楽しみができるのではと思います。新橋演舞場、御園座でご観劇の方には京都の空気を感じてもらえるように演じていきたいです!
【G2】
左からG2、中村鷹之資、濱田龍臣
鷹之資さん・濱田さんはとてもクレバーな二人。歌舞伎と映像で積み重ねてきた土壌がちがうこともあり、二人とも役へのアプローチが異なっているので、ぜひそれぞれの回を観ていただきたいです。お互い高め合いながら作っていっているので、私も楽しくやらせてもらっています。物語の舞台となる南座周辺は歴史が止まっているような雰囲気で、とても好きな場所。森見先生の作品は京都が舞台のことが多いですが、不思議なことにだれも京都弁を話さないんです。いろいろなキーワードから京都らしさの味わいを出していきたいと思います。
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