Baby Cantaがおくる音楽シーンを担う新世代の、新世代による、新世代のためのイベントをレポート

レポート
音楽
2025.7.25
Baby Canta

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Baby Canta『TOKYO BABY #2』2025.07.01(tue)渋谷WWW

これからの音楽シーンを担う新世代の、新世代による、新世代のためのイベント。シンガーソングライター・Baby Cantaがホストを務める「TOKYO BABY #2」が、7月1日に東京・渋谷WWWで開催された。ソールドアウトした前回の開催から2か月後、会場のキャパシティがぐっとアップしたにも関わらず場内は大盛況。J-WAVE「STEP ONE」でナビゲーターを務めるサッシャ&ノイハウス萌菜も応援に駆けつけてオープニングトークを担当するなど、華やかなムードの中でいざ開演。

友成空

友成空

友成空

友成空

先陣を切るのは2002年生まれのシンガーソングライター・友成空。PCと鍵盤に囲まれたワンマンスタイルで、どこか懐かしい歌謡曲テイストのメロディと精密なトラック、低音がよく響く独特のボーカルで観客の心をつかむ。「ACTOR」「睨めっ娘」、そして「黄色信号」(TVアニメ『暗殺教室』再放送 新OPテーマ)と、バイラルヒット満載のセトリで観客を沸かせ、「Cantaくんはとってもいい人。シティボーイ」と語るニコニコ笑顔で観客を魅了。鍵盤弾き語りの「コーヒー」ではプレイヤーとしての確かなスキルを見せ、「ベルガモット」からこの日の深夜配信開始の新曲「宵祭り」へ、さらにストリーミング総再生回数1億回超えの「鬼ノ宴」と、代表曲連発で初見の観客の目と耳に「友成空」を刻み込むことに成功。素朴なキャラクターの内に複雑な音楽的人格を感じさせる、とても興味深いアーティストだ。

紫 今

紫 今

紫 今

紫 今

二番手は紫 今。同じく2002年生まれのシンガーソングライターで、作詞・作曲・編曲・アートワーク、ミュージックビデオのプロデュースも一貫して手がけるクリエイター。アカペラの強烈なシャウトから始まる「Server Down」を皮切りに、スリーピースのバンドを率いてエネルギッシュにステージを動き回る。踊れるファンクとオルタナロックを掛け合わせた「エーミール」「正面」、「酔い夏」と、演劇的要素も加えたドラマチックなスタイルで観客をぐんぐん引きこみ、ヒット曲「魔性の女A」から「ウワサのあの子」「凡人様」と、代表曲連発で全7曲を全力疾走。「最高の夜をありがとう!」と手を振る笑顔が愛らしい。パフォーマンス中はミステリアスで尖った空気感を身にまとうが、MCでは等身大の素直さやかわいらしさもチラ見せして、「もっと知りたくなるアーティスト」として観客の心にしっかり爪痕を残してくれた。

Baby Canta

Baby Canta

Baby Canta

Baby Canta

「Baby Canta、ライブ、始まるぜ!」

そしていよいよ本日のホストアーティスト、Baby Cantaがステージイン。バックバンド、というよりはバンドの一員のようにエレクトリックギターを背負って中央に立ち、陽気なロックンロールの1曲目「696936」からリードギターもばりばり弾いて気合満点。昨年10月のデビュー曲「ビビってバビってブー」はおしゃれファンクといなせなロックを掛け合わせた魅惑のチューン。「お熱いライブはお好きですか?」と煽りながら「Hot Cake」へ、ファンキーなリフを弾きまくりながら英語フィーリングのしなやかなボーカルを聴かせる。ソウルとロックとポップを掛け合わせたアイコニックなボーカリストとギターヒーロー像を併せ持つ、とてもステージ映えするアーティスト。

Baby Canta

Baby Canta

Baby Canta

Baby Canta

「二人に負けじと、やったろうかなと思ってます」と気合を入れ直し、4月リリースの初EPからの「SHYBOY」で夏を先取り。ギターを下ろしてマイクをつかみ、スクエアな四つ打ち、軽やかなカッティング、ポップな曲調に乗せて人懐っこく観客にアピールする柔軟なスタイルがとても現代的。切なさスパイスをちょっぴり振りかけたバンドサウンドのポップチューン「HOME」から、伸びやかファルセットを聴かせるメロウなチルアウトチューン「揺れる」へ、R&Bシンガーのように歌い方を変えるスキルの高さがライブだとよくわかる。歌い終えたあとの「Canta!」というたくさんの呼びかけも愛情いっぱいだ。

「活動を初めてまだ半年ぐらいで、不安や葛藤もありますが、音楽が大好きで、歌っている時は本当の自分でいられる気がします。これからも背伸びせず、ビビらず、自分の音楽を届けるミュージシャンになりたいと思います」

Baby Canta

Baby Canta

Baby Canta

Baby Canta

誠実な挨拶のあとの「Brother」はとことん明るく、観客全員のクラップを合わせて一体感たっぷりに。「アークサーチライト」も陽性のリズムに乗って疾走感いっぱいに。そしてラストチューン「The Weak」はキレキレのファンキーなリズムとギターリフに、観客の掛け声を求めながらクライマックスへ一直線。全9曲を40分でやり切って満足げな笑顔を浮かべ、「あなたたちに出会えたこと、誇りに思います!」と叫ぶBaby Canta。ポップ、ファンク、ロック、ダンスと様々な表現が浮かんでくるが一言では言い表せないアーティスト。大器の予感がする、

終演後にはサッシャ&ノイハウス萌菜が再登場して、友成空、紫 今を交えた3人のアフタトークに花が咲く。紫 今が「もうマブダチです」と力強く二人にグータッチを求めれば、Baby Cantaは「二人の力を借りて、めちゃめちゃ最高のライブになったんじゃないですか?」と感謝を述べる。「みなさん次も来てくれますか?」という問い掛けの答えの代わりに、大歓声と拍手がステージに送られる。新世代アーティストの胎動は、まだ始まったばかり。Baby Cantaのこれからの活動と、「TOKYO BABY #3」の開催に期待しよう。


取材・文=宮本英夫

『TOKYO BABY #2』

『TOKYO BABY #2』

リリース情報

Baby Canta 1st EP「SHYBOY - EP」
Now On streaming
https://lnk.to/shyboy_ep
 
1. SHYBOY
2. 696936
3. Hot Cake
4. Brother
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