川島如恵留(Travis Japan)初単独主演、『すべての幸運を⼿にした男』⽇本初演が開幕 舞台写真&オフィシャルレポートが到着

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10:22

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川島如恵留(Travis Japan)が単独初主演を務める舞台『すべての幸運を⼿にした男』が、2025年11⽉14⽇(⾦)に東京グローブ座で初⽇を迎えた。初日前に行われた囲み取材のオフィシャルレポートが到着した。


世界を代表する劇作家アーサー・ミラーの初期の傑作戯曲で、1944年にニューヨークで世界初演された本作が、新訳でついに⽇本初演が実現した。主⼈公のデイヴィッド・ビーヴスの⼈⽣に次々と思いがけない幸運が訪れる。

まるで「幸運そのもの」のような存在で、どんな困難にも打ち勝ち、失敗することがないかのように思えたが、その幸運が続くうちに、そのことに対して不安を感じ始めるようになった。運命と⼈間の意志はどのように相互作⽤するのか。構成や登場⼈物の成⻑に、寓話的な構造を取り⼊れながら、愛と不安、希望と孤独が交錯する⼈間ドラマを描き出していく。

初⽇公演前にマスコミ取材陣にゲネプロを公開。囲み取材も⾏われ、主⼈公のデイヴィッド・ビーヴス役の川島、ビーヴスの恋⼈へスター・フォーク役の花乃まりあ、兄のエイモス・ビーヴス役の⼤野拓朗、⽗のパターソン・ビーヴス役の⽻場裕⼀、そして演出を担当したリンゼイ・ポズナーが登壇した。

登壇した5名はそれぞれ初⽇を迎えた⼼境と意気込みを伝えた。

川島如恵留「本⽇、初⽇を迎えるということで、とてもとても楽しみです︕ 舞台上では我々はマイクを使わずに地声で、⽣の声でお届けする形の作品となっております。声を最後の⼀滴まで全部絞り出していきたいと思いますので、よろしくお願いします︕」

花乃まりあ「リンゼイさんの温かいご指導のもと、とっても濃厚で楽しいお稽古を重ねてまいりました。今⽇、皆様に観ていただけるのがとても嬉しいですし、楽しみです。⾵邪も流⾏っている季節ですので、最後まで健康に注意して駆け抜けたいと思います」

⼤野拓朗「ようやくこの⽇を迎えることができて本当にうれしく思います。この作品を観に来てくださった皆さんに、素敵な時間を過ごしていただきたいなと思います。叫ぶシーンも多いので、みんなで喉や⾝体をケアしながら、100%、120%の舞台を連⽇皆様にお届けできるように全⾝全霊頑張ってまいりたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします」

⽻場裕⼀「⻑い⻑い⻑い稽古を経て、やっと今⽇初⽇が開けますが、このお芝居を観に来ていただいた⽅に幸運を⼿にしていただければと思っております。よろしくお願いします」

リンゼイ・ポズナー「本⽇、ここで開幕を迎えることを嬉しく思っております。こちらにいらっしゃるみなさんをはじめ、本当に素晴らしい俳優の皆さん、そして素晴らしいスタッフの皆さん、プロデューサーの皆さんと、始めから今⽇に⾄るまで毎⽇毎⽇が本当に嬉しい素晴らしい⽇でした。本⽇、皆さんが楽しんでいただけることを楽しみにしております」

今作は川島にとって初の単独主演作となるが、「昨⽇までは、初⽇を迎える今⽇は緊張の渦に巻き込まれているんじゃないかと思っていたんですが、いざこうして初⽇を迎えて、ステージに⽴ってみると、緊張の“き”の字も無くて、すごく楽しみでワクワクしているんですよ。それもそのはず。すごくたくさん準備をしてきたので何も怖がることがないんです。そして、このステージ上で⼆度も⾐裳付きの通し稽古をさせていただいて、誰も不安なことなく、しっかりとした気持ちで臨めるということが⾃信につながっているので、怖さは全く無くて、すごく楽しみでございます」と、初⽇当⽇になって“不安”がなくなったと明かし、「初の単独主演を『すべての幸運を⼿にした男』という作品でさせていただけることに、本当に幸運を感じていますので、12 ⽉2 ⽇までの全公演を楽しんでいきたいと思います」と笑顔を⾒せた。

主演ということで“座⻑”でもある川島は「僕、座⻑らしいことしてます︖」と共演者に聞くと、⽻場が「明るくていいんじゃない」と答え、⼤野も「ポジティブだよね。リンゼイさんからのノートの全てを受け⽌めて、絶対に消化してやってやる︕って感じだったり」と川島の座⻑っぷりを絶賛。それを聞いた川島は「それは、感覚としては“Travis Japan 魂”なんです。Travis Japan というグループが『全部を受け⽌めて、それを全部形にして成⻑していこう』というメンバーが集まっているので、それがこのカンパニーに少しでもいい影響をお渡しできていたらいいなと思います」とTravis Japanでの活動が今回の作品にも活きていることを実感。

演出のリンゼイ⽒は、「“主演”の川島はどう⾒えたのか︖」という質問に「本当に酷(ひど)かった。冗談です(笑)」とジョークで場を和ませて、「如恵留さんとのコラボレーションは楽しかったですし、いい関係が作れました。僕からの演出に対してもとてもオープンだったし、細かくディテールまで応えてくださって、素晴らしい稽古時間を過ごすことができました。そして、稽古を通して如恵留さんがすごく成⻑して、どんどん役を掴んでいく様を⾒るのも嬉しかったですし、常に完璧を求めて稽古をしている姿にも感⼼しました」と称賛。リンゼイ⽒の嬉しいコメントを聞いて、川島は「いい質問ありがとうございます︕」と上機嫌に。

デイヴィッドの恋⼈という重要な⼈物“へスター”を演じる花乃には「へスターの魅⼒的な部分は︖」という質問が投げかけられ、「この作品に登場する⼈物はみんなそうなんですけど、へスターも台本に1ページくらい、役に対する細かいト書きがありまして、ヘスターの場合は『⾛るのも速く、⽔泳も得意、重い物だって持ち上げる』と書いてあるんですけど、私は全部苦⼿で、最初はどうしようかと思いました(笑)。唯⼀共感できると思ったのは『笑い声は⼤きく、喉から響く』で、これは⾃分と似ているかなって思いました」と答えた。

本作の⾒どころについては⼤野が「この作品は、皆さんの⼈⽣において、誰しも起こり得るというか、誰しもが直⾯するであろう“運”と“努⼒”と、そこの葛藤を登場⼈物たちみんなが直⾯したりして進んでいく物語だと思うんです。観てくださる皆さんも共感できる瞬間が⾄る所に散りばめられていると思いますので、登場⼈物たちの葛藤だったり、祈りだったりとかに気持ちを寄り添いつつ、この作品を楽しんでいただけたらと思っております」と真剣な⼝調で答えた。

川島が「深いですよね」とその考えに共感すると、⼤野は「⼈間の⼼理を描き出すのがアーサー・ミラーの真⾻頂だと思うんですけど、それが存分に散りばめられているのでぜひ楽しんでいただければ」とアピールした。

和気あいあいとした雰囲気で囲み取材が⾏われていたが、稽古場の雰囲気について聞かれると、⽻場は「意外と、稽古中はみんなストイックで、無⼝でコツコツと台本とにらめっこしていましたね。この囲み取材のような和やかな感じになるのは休憩中のほんの10 分とか15 分くらいで、あとは本当にストイックでした。いい意味で、稽古場の空気は重かったです。真剣でした」と、出演者全員が真剣に作品や役と向き合っていたと伝え、川島も「“必死さ”という⾔葉が近いんです」と稽古時を回顧。

また、作品にちなんで「最近の幸運な出来事は︖」という質問も。川島は「スーパーで⼀週間分くらいの買い物をしたら、税込で7,777円でした︕ グループのメンバーも7⼈だし、7という数字に思い⼊れがあるのでうれしかったです」と答えた。花乃は「最近⾃転⾞に乗っていて、⾃転⾞ごと倒れたんです。稽古期間中にこけたんですよ。でも無傷だったんです︕ だから不幸中の幸いだったのかなって思いました」とアクシデントに遭ったことを告⽩。⼤野は「昨⽇、⼀円⽟を拾って、そのあと10 円⽟を拾いました。次は50 円⽟ですかね︖(笑)」とニッコリ。⽻場が「昨⽇、劇場に来る前、家のソファーで横になってたら、今まで全くなついてなかった猫が⾜元に来て寝てくれました。これはちょっと嬉しかったですね」と話すと、共演者たちから「かわいい︕」という⾔葉が漏れた。

最後は主演の川島が「カンパニー⼀同、キャストもスタッフの皆さんもみんなで⻑い時間をかけて、この東京グローブ座さんで共演できることをとても楽しみに頑張ってまいりました。ラストワンピースを埋めるのは客席に来てくださる皆様です。皆様にこの劇場の客席を綺麗に埋めていただいて、そして素敵な幸運を持ち帰ってもらえたらいいなと⼼から思っております。みんなでこの東京グローブ座からから“幸運”を世界中に広げられたらいいなと思っておりますので、よろしくお願いします」というメッセージを伝えて、囲み取材が終了した。

ゲネプロでは、囲み取材でそれぞれが語っていた通り、それぞれが役に真剣に向き合っている様⼦がしっかりと伝わり、観ている側も“運”や“⼈⽣”など、いろんなことを考えさえられる内容となっていた。

11⽉14⽇(⾦)、ついに初⽇の幕が上がった。上演期間は12⽉2⽇(⽕)まで。川島如恵留の単独初主演作で、アーサー・ミラーの初期の傑作戯曲の⽇本初演を東京グローブ座でぜひ体感してもらいたい。

写真=阿部 章仁

公演情報

『すべての幸運を⼿にした男』
 
作:アーサー・ミラー
翻訳:髙⽥曜⼦
演出:リンゼイ・ポズナー
美術・⾐裳:ピーター・マッキントッシュ

 
出演:
川島如恵留(Travis Japan)
花乃まりあ
⼤野拓朗
古河耕史
駒⽊根隆介
永島敬三
栗⽥桃⼦
内⽥紳⼀郎
⼤⽯継太
⽻場裕⼀
 
■公演⽇程・会場
会場:東京グローブ座 (東京都新宿区百⼈町3-1-2)
2025年11⽉14⽇(⾦)〜12⽉2⽇(⽕) 

 
料⾦
S席11,000円/A席9,500円 (全席指定・税込)
※未就学児⼊場不可 ※無断有償譲渡禁⽌・営利⽬的の転売禁⽌
※公演中⽌など、主催者がやむを得ないと判断する場合以外にの払い戻しはいたしません。

 
■お問い合わせ 東京グローブ座 03-3366-4020
■公式サイト https://alltheluck.jp/
主催・企画製作:東京グローブ座
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