ピノキオピー、混沌とした世界の核心をつく7thアルバム『UNDERWORLD』引っ提げて臨むツアーを前に想いに迫る

インタビュー
音楽
2026.4.17
ピノキオピー

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2009年の活動開始以来、「すろぉもぉしょん」「神っぽいな」「匿名M」「ラヴィット」「ノンブレス‧オブリージュ」等の代表曲を始めとして、精⼒的にオリジナル楽曲を発表しつつ、イラストやMVの制作、他アーティストへの楽曲提供など多⽅⾯で活動しているピノキオピー。2026年1月には前作『META』から約2年半、前作のミニマルさとは一転して、奔放でエッジの効いたサウンドが混沌とした世界を描き出した7thアルバム『UNDERWORLD』をリリース。そんな核心作を引っ提げてのツアーを前にした今に迫る。

──前回インタビューをさせていただいたのが、デビュー15周年ツアー『モンストロ』のタイミングで。その時点で『UNDERWORLD』に収録されている「アポカリプスなう」「Aじゃないか」「嘘ミーム」はすでに発表されていましたけども、アルバムとして聴いたときに、あの時話していたものがそのまま形になったんだなという感覚があって。

あのときって何を話してましたっけ?

──前作『META』を作ってから、何を作ればいいのか分からなくなってしまったと。

まさにそうですね。

──先にコンセプトを決めてから曲を作ったことによって、自分の中で良いものって何なんだろうという基準が見えなくなってしまったけれども、改めてザ・クロマニヨンズを聴いて、これだ!と思ったという。

あー! ありましたね。その時期がありました(笑)。

──あとは、自分が書いてるのは綺麗事なんだけれども、綺麗事だけを言われても響かないからちゃんと現実を描くんだというお話もされていて。まさにそれが立体的になっている1枚だなと思いました。『UNDERWORLD』はピノキオピーさんにとってどんなアルバムになったと感じていますか?

最初はテーマが浮かんでいなかったんですよ。アルバムが出ることを想定せずに曲を作っていて。その中で曲がだんだん出揃っていって、ディレクターと話をしていたときに、“全体的にテーマとしているのが「絶望」なのでは?”と言われたんですよね。“歌詞が何かしらに対して絶望している”と言われて、まさにだなと思って。曲をどうしようという迷いもありましたし、創作の苦しみもありましたし、テーマ的に考えていることも苦しみとか絶望だったので。音の面に関しては、そういう絶望や閉塞感が非常にあったので、それこそザ・クロマニヨンズとか、パンキッシュなものを求めていた部分があって。それゆえに、音は抜けのいい、エッジーなものを求めて作っていたと思います。

ピノキオピー

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──アルバムのテーマが見えたのはいつ頃だったんですか?

去年の夏ぐらいだったので、「T氏の話を信じるな」を出してすぐぐらいでしたね。無意識でそういう方向性の曲を作ってはいたんですけど、何に向かって行っているのか分かっていなかったところでディレクターの意見を聞いて、確かにそういう感覚が入っているなと。その一言があったおかげでテーマが決まって、アルバムになったなと思いました。

──創作の苦しみもありつつ、世の中を切り取っている楽曲達でもあるので、そういう意味では世の中にも絶望していた?

そうですね。抗えなさというか。たとえば、こうなったらいいなとか、こうあるべきだとか、答えがひとつ決まった状態でみんなが流されてしまっているような空気をずっと感じていて。ちょっと立ち止まって考えようみたいなことが、あまり重視されていないというか。そうやって視野が狭くなってしまうことは僕自身もあるけど、それは危ないなと思いながら過ごしていたので、そういうことを曲のテーマにすることが多かったなと思います。「T氏の話を信じるな」だったら何かを妄信してしまうこととか、「超主人公」だったら力を持った人の支配の話とか、そういう部分にフォーカスしていたかなと思いました。

──立ち止まることをよしとされない世の中で、いざ立ち止まってみたときの周りの景色って、それこそ絶望的だしかなり怖いと思うんですが、そういう感覚もありました?

ありましたね。自分自身もその流れにちょっと流されそうになる感覚とか、この流れは止まらずにどんどん加速度的に進んでいくのかなっていうドキドキ感はあります。それは自分が思っているだけなのか、みんなは意外とそう思っていないのかとか、いろいろ考えてしまうことがありますね。

──危ないなとは思いつつも、怖くて立ち止まれない人もいるでしょうし。

そうですよね。そのまま行ったほうがラクだったりもしますし。

──絶望の中には恐怖もあったでしょうし、絶望の成分を噛み砕けたらいいなと思ったんですけど。他にどんなものがありました?

なんでしょうね……ひとつは創作の立ち行かなさもありましたし。それに加えて、僕って前までは結構楽観的というか。“まぁなんとかなるよ”みたいな感じの歌詞を書くことが多かったんですけど、“まぁなんとかなるよ”って言っていられないかもという感覚が、成分としては多いのかなと思います。だからちゃんと伝えないといけないというか、“まぁなんとかなるよ”のままだと、なんかよくないかもという感じですかね。楽観視がリアルじゃないかもと思ってしまったところはありましたね。

──そう思い始めたのはいつ頃だったんです?

ここ2、3年だと思いますね。コロナ禍で閉塞感のある時代があって、それが終わってからの、みんなの溜まっていたエネルギーが散っていく感じを見ていてそう思うようになったかもしれないです。

──エネルギーの散り方の様子がなんかおかしいかも、みたいな。

そうですね。あらゆるところでそうなっていってるかもと思って。でも、ちょっと待とうよって言う人のほうが異端というか。“なんでそんな水をさすことをことを言うんだ”みたいな感じがあって。僕も水をさしている側だと思うんです。でも、そういう動きもないとバランスが悪くなっていくんじゃないかなと思っているっていう感じですかね。

──絶望の成分に悲しみはありましたか? そういった方向に世の中が流れてしまっていることが悲しかったりとか。

悲しみではないのかもしれないですね。曲を作って伝えるということをしている中で、伝わらないかもという孤独感というか。感想をいただく中で、伝わったなって思うことももちろんあるんですけど、その真逆で、自分の言った言葉を真逆に捉える人もいたりして。それを食らったときに、なんでそうなってしまうんだろうって。自分なりに結構いろいろ気をつけてやっているんですよね。ここの言い方は気をつけようとか、こう伝わるようにしようとか。でも、考えても考えても、結局1ヶ所だけを切り取られてしまって全部なしになるみたいな(笑)。だから、やるせなさですかね。やるせなかったんだと思います。

──僕も世の中をくさす気はないんですけど、考察ブームってあるじゃないですか。ただ、たまにそれって考察なのか?みたいなこともあって。考察というよりは創作の領域になっていたり、ポストトゥルース的な考察みたいなものも多いなと思うこともあるんですけど。

感覚はすごくわかります。歌詞で言っていない範囲まで含めて、それはこうだという話になり、それが答えになっていくみたいな感じとか。なんならもはや考察するために曲を聴いているんじゃないかという感覚もあって、曲を作ったり歌詞を書いたりすることがだんだん虚しくなったりとか。でも、伝わっている人がいるからということを信じて作るんですけど、それが大きくなってしまうと怖いという感覚は、やっぱりありますね。

──立ち止まって考えることや何かを疑うことはめちゃくちゃ大事だと思うんですけど、世の中的に騙されたくない気持ちみたいなものも強くなっているなと思っていて。まぁ騙すのはよくないし騙されたくもないんですけど。ただ、疑うことの大切さはもちろんありつつ、それが行き過ぎてしまっている場面もあるなと思うこともあって。

両方あるかなと思いますね。何かを正解だと信じ込む人のことに僕は着目しがちではあるんですけど、確かに騙されないようにしようと思うのは……そうですね。自分と真逆のものに対してそう思っているのかなと感じます。

──ああ。なるほど。

自分が信じるものがあって、それと逆の色合いだと感じたときにそうなるっていう。もう二極化じゃないですけど、でも背中合わせというか。片方だけっていうこともないのかなと思いますね。

──そういう意味では世の中が過剰なんでしょうね。

そこはあると思いますね。過剰なもののほうが注目されやすいし、みんなも見るし。そういう仕組みが分かりすぎているので、その過剰さに全乗っかりし始めている人を見たときに、大丈夫か?って。それこそ考察の話もそうなんですけど、考察されるような仕組みみたいなものを作るとかって、それはもはや音楽ではないのかもしれないなって。創作のもっとピュアな部分というか。もっといい音楽を作りたいとか、いい音楽を聴いてそれが思い出になったりとか。もしかしたら考察したことが思い出になったりするかもしれないんですけど、でもそれって音楽なのか?って考えてしまいますね。それが進んでしまうことに不安を感じている人のほうが、僕は安心するというか。“いや、いいでしょ。今はそういう世界なんだから”って言って、そうなっていくのって本当にいいんだろうか?って思いますね。僕が思っているだけかもしれないですけど。

ピノキオピー

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──絶望の成分に怒りみたいなものもあったりしました?

曲を作る動機として憤りみたいなことはもちろんあったりするんですけど、歌詞に怒りが出てしまうと主観的になりすぎちゃって聴きにくい感じがするので、そこはむしろ入れないようにしようとはしてますね。なんか、怒りってめちゃめちゃ脇が甘くなるというか、刺されやすくなる感じがするんですよ。強いエネルギーではあるんですけど。たとえば怒ってる人同士だったら怒りと怒りが重なって、先鋭化して、そこに人が集まったりもするんですけど、そういう集まり方はあんまり望ましくないなと思ってます。

──そういった自分の中にある絶望を解放したいという気持ちで、エッジーなサウンドにしていたと。

音の面ではそうだったかなと思います。でも、それこそ『モンストロ』のときにザ・クロマニヨンズの話をして、これだ!と思って作ろうともしたんですけど、実はあんまりうまくいかなかったんですよ。最終的にできたものはエッジーでパンキッシュではあると思うんですが、一発すごい強いフレーズがあって、シンプルで抜けが良い状態のものは、結局今回は作れていないかなと思うし、そこに近づくために何回もトライしたっていう感じがします。

──そうなんですね。

なんか、クロマニヨンズって一発録りみたいな凄みがあるじゃないですか。浮かんだアイデアも強くてバーン!って感じですけど、僕は浮かんだアイデアを何回も削って最終的にパンキッシュなものにするみたいなニュアンスだったので、作るプロセスとしてはできなかったなと思いますね。結局迷いまくって作ってます。いっぱいボツもありましたし。

──アルバムのコンセプトが決まってから作った曲となると「不死身ごっこ」がそうですね。

絶望というコンセプトから新曲を作るとしていろいろ考えていたんですけど、「不死身ごっこ」っていうフレーズだけ浮かんで。要は強がりなんですけど、“効いてないアピール”ってあるじゃないですか。あと、普段からめちゃくちゃストレスにあったりとかしているけど“大丈夫ですよ”っていうフリをしたりとか。そのどちらも悲哀があるものとして捉えていて。そこから膨らませて、ちょっと元気になれるものというか。みんな効いてないアピールしてるけど、結局みんな死ぬよね?っていう身も蓋もないことを言って、それでもやっていこうということを書けたらいいなと思ってましたね。この身も蓋もなさがむしろ元気が出るかもというか、自分自身が元気出るなと思って。

──「Q」もユニークな歌詞ですね。

この曲を作り始めたのは、「デラシネ」や「Honjara-ke」みたいな、ライヴで盛り上がるダンスミュージック寄りの曲にしようと思っていて。なので最初はインストぐらいの曲にしようと思っていたし、歌詞も少なくする予定だったんですよ(笑)。

──(笑)。めっちゃ多くなっちゃいましたね。

こんなに多くなる予定じゃなかったです(笑)。「Q」っていうタイトルだけ浮かんでいて、クイズをベースに歌詞を書こうとは思っていたんですが、コンセプトはそこまで考えていなくて。それで、歌詞に出てくる問題の答えは全部“人間”で、それから目を背けていくことをテーマに据えたら、なんかどんどん筆が乗ってしまって、歌詞がいっぱいになっちゃったっていう(笑)。

──あと、アルバムの中で強く印象に残ったのが、「僕なんかいなくても」でした。〈それでも〉という本作の核になっている言葉が繰り返し出てきていて。この曲はアルバムコンセプトがまだ見えていない中で作った曲だと思うんですけど、どういうところから作り始めたんですか?

即売会でファンの方にお手紙もらったり、お話を聞いたりしていて、たとえば受験でとか、病気されていてとか、自分は今こういう状況にあるんだけど、曲に励まされて頑張れましたということを聞く機会が本当に多かったんですね。2023、2024年辺りにどっと増えて。なので、そういった方々の顔が浮かんでいる中で、お返事じゃないですけど、そういう曲が書けたらいいなと思って。今までそういうことはあまりやったことなかったんですけど、明確に励ましたいとか、大変なときでもそれでもやっていきましょうみたいなことを、本当にまっすぐに、ひねることなくただただ伝えたいと思って作った曲です。

──即売会とか、あとはライブも大きいと思いますが、聴いている人の顔が見える状態で、その言葉をもらえたことが大きかったと。

大きかったですね。インターネットで活動を始めて、それこそ即売会やライブとか、実際に聴いてくださっている方に会う機会もあるんですけど、やっぱりメインとしては動画をアップロードして、そこにコメントがついてというやり取りが主であって。それだけだと文字の情報でしかないから、どういうパーソナリティを持っている人が聴いているのか、あんまりわからないんですよ。だから『トゥルーマン・ショー』状態じゃないですけど(笑)、本当は誰も聴いていないのに、こっちは文字の情報だけを受け取っていて、みたいな。そういうことを考えてしまう状況だったんですけど。でも、即売会でCDを手に取ってくれる方がいたり、ライブに来てくれる方がいたりするときに、ちゃんと聴いてくれてる方がいるんだ!って実感することができて。そのときに楽しんでくれている表情を見て、僕自身が励まされたり、この曲をこういう感じで聴いてくれているんだっていう。それが見えたときの感動は、普段見えない分、僕自身がグッと思う幅が大きいかもしれないです。

ピノキオピー

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──今まであまりやったことのない曲を作ってみていかがでした?

自分の中ではいい歌詞だし、いいアレンジにできたなって思ってはいるんですけど、真面目すぎたかもしれないなという気持ちもちょっとあるんですよ。普段であれば「Q」みたいに外したり、ユーモアを入れたりしてしまう中で、まっすぐ伝えてみたらどうなるのかなと思って作ってみたんですけど、これは伝わっているのかな?と思ったりはします。

──いつもの作風とは違うから。

そうです。やってよかったなとは思いつつ、これも迷いの中で作っていましたね。まっすぐ作ったものなので、この曲をいいねって言ってもらえた時は素直に嬉しいですね。

──励まされたというお話を聞く機会が増えた時期と、エネルギーの散り方がおかしいと感じ始めた時期がどちらも2023、2024年ぐらいで重なっていたんですね。

確かに!

──そういう中でも救いになる一言でもありましたよね。

そうですね。僕自身が救いになる言葉だったりもしましたね。

──タイトルトラックの「アンダーワールド」は、ドラムンベースで解放感があるし、それこそ地獄に光が差し込んでいるような感覚になる曲だなと思いました。これはもうタイトル曲を作るんだ!という気持ちで制作されました?

これはそうですね。今思っていることを一番純度高く出力できた一番歌詞だなと思います。ここまで『LOVE』『META』と来て、キレイめな曲を表題曲にしていたんですけど、今回はこういうパンキッシュなものが表題として来るのが自分にとって一番しっくりくるなと思って、激しめなアレンジになりました。歌詞は『META』の表題曲と同じく、こういう気持ちでアルバム全曲書いてますよっていう種あかしみたいな曲になってます。

──〈絶望した分だけ心に染みる ハズレの物語〉というフレーズがすごく素敵だなと思いました。

自分自身への励ましでもあるんですけど、絶望がただダメージになるんじゃなくて、良い方向に向かったりとか、今後を考えるための何かになったりだとか。あと、絶望して孤独感を抱えていたりしても、たぶん同じような人はいるんじゃないかなとか、いてほしいなとか、そういう気持ちを込めて書いていたと思います。

──なんていうか、このアルバム自体が“絶望検査薬”みたいなものというか。聴いて染みれば染みるほど、俺、絶望してるんだなぁって。

それはあるかもしれないです。

──おっしゃっていた通り、絶望しているんだってわかることで前を向ける、先に進めることもあると思うので、そういったところの力にもなる1枚ですね。

確かに絶望している人にとっては前に進めるものでもあるんですけど、絶望していない人からすると“絶望させるなよ”っていう意見もあって(笑)。

──確かに!(笑)

“嫌なことばっかり言ってて嫌だ”って言う人もいたんですよね。僕はみんな絶望してると思っていたので、薬のために作っていたら、絶望していない人からしたら、それは薬じゃなくて毒だったっていう。確かにそういうこともあるなっていうのは結構思い直したことですね。みんながみんな絶望してるわけじゃないんだな、とか。逆に言うと、ある意味それは希望ですし。それがわかったのも良かったかなと思いますね。

──世の中意外と大丈夫なのかもしれない。

かもしれない。それは良くも悪くもどっちにも捉えられることができるなとは思いますね。

ピノキオピー

ピノキオピー

──6月からは本作を掲げて全国5大都市を廻る『ピノキオピー2026 TOUR「アンダーワールド」』がスタートしますが、それこそ閉塞感を打ち破りたかったという曲達なだけあってライヴで聴きたい曲が揃っていますが、どんなライヴにしたいですか?

新曲をとにかくやりたいですね。「Q」はライヴを想定して作っていますし、「アンダーワールド」もライヴでできたら気持ちいいだろうなと思いますし。絶望で鬱屈していたところが僕はやっぱりあったので、ライヴではみんなで楽しくというか、盛り上がれたらいいなと思ってます。みんなそれぞれが持ってる絶望があって、ものすごく絶望している人もいれば、ちょっとだけ絶望してる人もいて。でも、その人たちにとっていい方向に向かうような、いい気持ちで帰れるような、来てよかったなって思えるような、そんなライブにできたらいいなと思ってます。

──絶望した曲をライヴでやって、お客さんの顔を見たことで、また何かいろいろなことを得られそうですね。

今回の絶望というテーマを成仏させられたらいいなと思いますね(笑)。僕自身、なるべく視野を広くと思っていたけど、絶望しすぎてみんなも絶望しているに違いないぐらいに思ってしまっていて。ただ、ライヴで発散させることでみんな元気になったり、マイナスに考えていたものがちょっとプラスで返ってきたりとかしたら、その手触りを感じて今後作りたいものも見えてくるかもなぁとは思ってます。

──新しい気付きであったり、さらに視野が広がりそうな。

前作の『META』は、今までずっとやってきたことを、さらに分かりやすく“メタです!”って言うことで、自分の得意技をギュッとしたようなアルバムを作ったんですけど、それをしたせいで、メタ視点を一度なくしてみようという感覚があって、ちょっと捨ててしまっていたんですよ。それで「アポカリプスなう」とかは、なるべく自分の主観っぽいような感覚で書くことにチャレンジしたんですけど、まっすぐに伝えることをしてみて、そうじゃないものが結局自分は好きだなって思い返すことができたんです。だから、これはこれでいいアルバムだし、おもしろいことができたと思うんですけど、なんかもうちょっと客観に立ち返ったほうがいいのかなって。

──なるほど。

絶望に対してまっすぐ行き過ぎたなとは思うんですよね。もっと遠回りに面白くいけたらいいんじゃないかなとは思いました。

──作ってみたことで、改めて自分のことがわかったというか。

そうですね。戦い方というかフォームをちょっと変え過ぎてしまったので、それを戻すというか。むしろ、絶望とまっすぐ向き合ったら絶望の思うツボなんじゃないかなって、改めて思っているので。ライブを通して、“絶望してたけど、結局みんな笑ってんじゃん”みたいな感じを味わいたいのかもしれないです。


取材・文=山口哲生 撮影=大塚秀美

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ピノキオピー - 不死身ごっこ feat. 初音ミク / Playing Immortal

リリース情報

7thフルアルバム『UNDERWORLD』
2026年1月28日(水)リリース
¥2,500+税 品番:MUI-0003
 
01.不死身ごっこ
02.T氏の話を信じるな
03.超主人公
04.嘘ミーム
05.アポカリプスなう
06.ユーチューバー
07.Q
08.Aじゃないか
09.僕なんかいなくても
10.愛属性
11.アンダーワールド
12.極論 – UNDERWORLD ver –

ツアー情報

ピノキオピー2026 TOUR 「アンダーワールド」
6月6日(土)札幌:Zepp Sapporo 開場-17:00 / 開演-18:00
6月20日(土)名古屋:Zepp Nagoya 開場-17:00 / 開演-18:00
6月21日(日)大阪:Zepp Osaka Bayside 開場-16:30 / 開演-17:30
6月28日(日)福岡:Zepp Fukuoka 開場-16:30 / 開演-17:30
7月10日(金)東京:Zepp Haneda 開場-17:30 / 開演-18:30
スタンディング:5,500円(税込)+1D代
着席指定席:6,600円(税込)+1D代
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