Penthouse 自信と勢いが音の隅々から溢れ出す3rdアルバム『Neon Garden』完成! バンドの魅力を余すところなく伝える新作を語る
Penthouse 撮影=山川哲矢
旬のバンドならではの自信と勢いが、みずみずしい果汁のように音の隅々から溢れ出す。3月に初の日本武道館公演を成功させ、さらなる上昇気流に乗るPenthouseから届いたニューアルバム『Neon Garden』は、「ナンセンス」「隣の恋は青」「青く在れ」「一二三」など、ポップな側面を全開にしたタイアップヒットに加え、アルバム曲ならではのバンドのルーツを見せる新曲を、バランスよく収めた全10曲。ポップとルーツ、キャッチーとマニアックの間で我が道を行く、Penthouseの魅力を余すところなく伝える充実作だ。特に素晴らしいアルバム用新曲について、浪岡真太郎(Vo, Gt)、大島真帆(Vo)、大原拓真(Ba)の3人に、根掘り葉掘り聞いてみよう。
大島真帆:アルバム、いかがでしたでしょうか。
――めっちゃ良かったです。特にアルバム用の新曲が素晴らしかった。大好きです。
大島:我々も大好きです。
――アルバムの曲って、やっぱり気持ちが違いますか。シングル曲やタイアップ曲と比べて。
浪岡真太郎:そうですね。シングルではないから、みんなに聴かれなきゃいけないということもないというか、今はアルバム曲まで全部聴こうと思う人って、多くないとも思うんですよね。ほんとに好きだったら全曲聴くけど、リード曲と、あと2~3曲とか、それぐらいなのかもしれないと思うと、思い切ってやりたいことだけやったらいいというところもあるので。もちろん全部聴いてほしいですけどね。
――このアルバムは全部聴かないと駄目です。大きい声で言っときます。で、既発曲以外の新曲4曲の制作は、かなりぎりぎりのスケジュールでやっていたと聞いてます。
大原拓真:6月の10日ぐらいまでやってましたね。
大島:「Balloon」はタイアップ曲で、先にできていたんですけど。1週間で3曲ぐらい録りました。
浪岡:角野(Cateen/Pf)のスケジュールが取れるかどうかが基本的にはあって、あとは、歌詞ができてるかとか。
大原:ディレクターのスケジューリングとか。
■過去イチの自信作。かなり幅の広い曲調で、それぞれの方向にちゃんと洗練されたと思います。(大原)
――アルバム1枚を仕上げるのって、リスナーが思っているより、ほんとに大変なことだなと思います。出来上がって、どうですか。大原さん。
大原:過去イチの自信作かなと思ってます。いろんなタイアップをもらったこともあって、かなり幅の広い曲調で、さらに新曲として自分たちの好みが尖っている曲を入れているんですけど、それぞれの方向にちゃんと洗練されたと思うし。ミックスのエンジニアさんも、最近は曲によって変えたりしてるので、全部違う方向の曲だけど、それぞれの良さをさらに突き詰めたものが作れたかなと思ってます。
――統一感よりも1曲の個性を重視。
大原:それぞれを一番いいものにしているというイメージです。
大島:ほんとにバラエティ豊かな音楽が集まって、それはファーストもセカンドも同じではあったんですけど、さらに高いレベル感というか。浪岡のアレンジ力も、メンバー全員のスキルも高まってできたことが、結集したアルバムになったので、すごく自信を持って、たくさんの方に届いてほしいと思える作品になったと思います。
――前作から1年半の間に、ライブの規模もどんどん大きくなって、その影響もあるんだろうなと思ってます。
大島:そうですね。たとえば武道館では、1万人のお客さんが目の前にいて、「この人たちに音楽を届けてるんだ」という実感はものすごくあったので、もしかしたらそれも、何か変化を与えてるかもしれないです。
浪岡真太郎(Vo, Gt)
■全員が聴いて、全員いいと思うものを作りたいので、特定の誰かを考えるというよりは、その曲自体に向き合う時間のほうが大事かなと思います。(浪岡)
――浪岡さんは、そのへんは意識します? 会場の広さとか、聴く人の数とか、想定しながら曲を作ったりしますか。
浪岡:全然しないですね。僕は曲を作るのが好きで、そこが一番大事だと思っているので。ライブをめがけてというよりは、曲のクオリティをめがけて作っている意識のほうが強いです。
――リスナーの顔が浮かんだりはしないですか。とか言うと、語弊ありますけど。
浪岡:全然、まったく。悪い意味じゃないけど。
大原:でも実際、そうだよね。
浪岡:特定の人に向けてとか、ファンに向けてとか、あんまり面白くないと思うんですよね。全員が聴いて、全員いいと思うものを作りたいので、特定の誰かを考えるというよりは、その曲自体に向き合う時間のほうがやっぱり大事かなと思います。
――ここから、新曲4曲をがっつり掘り下げようと思います。まずはアルバムの1曲目を飾る「恋する神様」。
浪岡:キャッチーにできたなと思いますね。これまでPenthouseでやっていなかった曲調というか。フューチャーポップっぽい雰囲気もありつつ、メロディも覚えやすいものになってると思うし、新しい挑戦かなという感じですね。
――前作の『Laundry』の時に、浪岡さん、おしゃれなソウル、ファンク、アシッドジャズとかの要素と、キャッチーなJ-POPとの一番いいバランスを探ってる、ということを言っていて。この「恋する神様」は、結構完成系に近いんじゃないかなって思うんですよね。
浪岡:確かに、キャッチーさもちゃんとあるし、よく聴いたらいろんなことやってるし、みたいなところでは、いい塩梅になってるかなと思います。
大原: まさにいい塩梅で、Penthouseの曲の中でも「...恋に落ちたら」「Taxi to the Moon」「一二三」(いちにのさん)とか、歌いやすい要素がある曲が最近は受け入れられている感じがしていて。その意味で「恋する神様」はかなり歌いやすいし、浪岡のメロディの良さも生きてるから、めちゃくちゃキャッチーでいいんじゃないかと思って、歌詞もそっちに全振りしました。
大島真帆(Vo)
大島:私はオクターブ上で、浪岡を支える気持ちで歌っているんですけど、でもほんとにこの歌詞は、「大原さん、よく高校生の気持ちがわかるな」と思いますね。
大原:いやー、わかってるかどうか、わかんないけど。
大島:キャッチーなワードが飛び交ってて、思わず口ずさみたくなるフレーズが、メロディとハマってたくさん出てくるので、高校生が街中とかで口ずさんでくれたらいいなって思います。
――高校生ターゲットの、ピュアピュアなラブソングって感じですかね。
大原:完全にそこを狙いに行ってます。
浪岡:俺でも、ギリ歌えるぐらいの感じ(笑)。
大原:こういう可愛い世界観だと、浪岡が言っちゃうとちょっと似合わない言葉も思いつくんですけど、無理やり歌わせたとしても良くならないから、ギリギリで浪岡が違和感なく歌えるラインを探して書いた歌詞ではありますね。
大原拓真(Ba)
――あともう一つ。この曲、ベースが最高です。スラップがかっこいい。
大原:良かった。頑張って練習した甲斐がありました(笑)。そこも若者に響くような、わかりやすいスラップを心がけたというか。こういう曲調だと、もっと入り組んだフレーズを弾く人もいると思うんですけど、そこはシンプルに、歌を邪魔しないように。例えば高校生がコピーしたいと思った時に、弾けるようなものにしたいという気持ちはあったかもしれない。
大島:コピーしてほしいですね。
大原:してほしいよね。でもPenthouseは、高校生がコピーするはちょっと難しいかもしれない。
浪岡:特にピアノがね。
大原:大学生や社会人では、けっこういるんですけどね。高校生にやってもらえるようになったら、もっと広がるかもしれない。
■タイアップ曲で好きになってもらって、アルバムを聴いた時に「こういう曲があるんだ」というのを頭の片隅にでも置いてもらえたら、やってる意味はあるのかな。(浪岡)
――そして5曲目「Balloon」。最高に渋くてかっこいい、ミドルテンポのソウルバラード。
浪岡:自信作です。アルバム曲だから最初から盛り上げすぎなくてもいいし、じっくり盛り上げていく感じの編曲もできて、ギターソロも弾きたいように弾いて、良かったですね。
――あ、そうなんですね? 矢野さんじゃなくて。
大島:この曲ギターは全部、浪岡が弾いてます。
浪岡:バッキングは矢野が弾くかなと思ったけど、曲のニュアンス的に“浪岡っぽさ”が溢れていて、最終的に僕が全部弾くことにしました。お気に入りです。でも、みんなが好きかどうかはわかんないです。歌詞も英語だし。音楽好きな人は、気に入ってくれると思うんですけどね。
大島:バンドメンバーはみんな大好きですよ。こういう曲がたくさんの人に届く世の中であってほしいと思っております。
浪岡:タイアップ曲で好きになってもらって、アルバムを聴いた時に、「こういう曲があるんだ」というのを、頭の片隅にでも置いてもらえたら、やってる意味はあるのかなと思います。
大島:「Balloon」は、ツインボーカル感を前面に出せてる曲だと思うので、Penthouseのファンの人には喜んでもらえると思うし、新しい入り口にもなり得る曲なのかな?と思っています。
――真帆さんの歌、いきなりソウルフルなファルセットから入って、おおっ!と思いました。めっちゃ新鮮でした。
大島:私も歌ってて新鮮でした。
浪岡:結構苦戦するかな?と思ったんですけど、最初から良かったので、練習してきたんだと思います。
大島:練習しました! 「こういうアプローチもあるんだ」みたいな、新しい発見があって、自分が今までできないと思っていたことが色々できた曲だったから、すごく面白かったです。
浪岡真太郎(Vo, Gt)
――この曲、何かリファレンス(参考曲)っぽいのって、あったりするんですか。
浪岡:ローレンス(アメリカの兄妹グループ)が好きなので、ローレンスっぽさは意識したと思います。
――歌詞は英語で、浪岡さんが単独で書いてますけど、ラブソングというか、日常の幸せの風景を歌っているように聴こえます。
浪岡:まさにそうですね。そんな感じのラブソングになっております。
――実話ですか。
浪岡:どうでしょう(笑)。あんまり深いことを考えて書いてはいないんですけど。
――《like a balloon》って、ふわふわ浮いてる気持ちとか、浮き浮き感とか、そんな感じですかね。
浪岡:バルーン=風船が持つイメージとして、はち切れそうな圧力もそうだし、もったりとした質感とか動きとか、スローさみたいなのもあるし、そういうことが言いたかったんじゃないですかね。
大島:これを書いた当時の浪岡は(笑)。
浪岡:その辺は、各々が好きに解釈してもらって。日本語で言っても、マッチしないものもやっぱりあるというか、英語の歌詞だからこそ言えることってありますよね。
――そこは、大原さんは口を出さないですか。
大原:英語の歌詞は、完全に浪岡に任せてます。「アイディアがあったらちょうだい」みたいな感じで、出すことはあるんですけど、今回は全然採用されてない(笑)。別にそれでもよくて、助けになったらラッキー、ぐらいのことです。
浪岡:でもね、それを見て書き始めるから、着火剤としてはすごく役に立ってますよ。20、30個ぐらい、フレーズを並べたやつをもらって、そこから書き始めるので。
大原:それが何かしらのきっかけになってるのであれば、よかったです。僕は英語では書けないので、曲を聴いて、なんとなく思いついた日本語のフレーズをワーッと書いて、出して。でも、英語のオシャレな言い回しみたいなのは、僕の引き出しにはないものなので、浪岡の歌詞を読むと、オシャレだなーと思います。
大島真帆(Vo)
■Penthouseはメロディの細かさ、リズムの動きに特徴があるので、そこにハマる気持ちいい言葉を、しかも韻を踏むように書くことはほんとに難しいんだなと改めて感じました。(大島)
――さぁ、そして7曲目「シルエット」。大島真帆の作詞によるソロ歌唱曲ですよ。大いに語ってもらいましょう。
大島:いやいやいや、もうほんとにすいません(笑)。Penthouseで1曲まるっと作詞をするなんてことは、もうしばらくはやらないかなと思うんですけど、自分がメインで歌う曲もなかなかないので、「せっかくだから書くよ」みたいな、軽い気持ちで言ったら大変なことになって。Penthouseはメロディの細かさ、リズムの動きに特徴があるので、そこにハマる気持ちいい言葉を、しかも韻を踏むように書くことは、ほんとに難しいんだなと改めて感じましたし、最後は「間に合わない!」ってなって、大原さんにテコ入れしてもらって、ストーリーに起承転結が出るように書き換えてもらう、そういう形で作っていきました。最終的に、ミュージカル調にうまくまとまって、すごく良かったなとも思います。
――真帆さんのルーツはミュージカルだから。それを出したかったんですね。
大島:そうです。大原さんがボーカルディレクションもしてくれて、「ここでしっかり感情を込めて」「ここはちょっと内省的に」とか、自分にはない引き出しを開けてくれたので、「こういうふうになるんだ!?」って、すごく面白かったです。
大原:まず浪岡が書いたこの曲が、真帆が歌って映えそうな曲だなという感じがあって、曲がそもそもミュージカルっぽいし、感情がコロコロ変わっていく感じがあるので。せっかく真帆にそういう経験があるんだから、「ここはセリフっぽく歌う」とか、普段はやらない要素を入れたほうが面白いし、歌詞も女の子が書いた歌詞という感じにまとめているから、女の子っぽく、問いかけっぽく歌ったりとか、そういうものが面白いかな?と思ってやってみたら、まあ上手にやってくれて、いい歌が録れたなという感じです。
――これはライブで色々演出できそうですよね。
大原:さすが。鋭いですね。同じことを思ってます。「こういうことをやりたい」というアイディアが、いくつかあるんですよね。
大島:それこそミュージカルみたいに、この曲を使ってみたいですね。
――メンバーを周りで踊らせたりして。
大原:踊れるかな……(笑)。
大島:そもそも浪岡の書いた仮歌詞に、PRADAというワードが入っていて、それが結構ポイントになっているんですね。それで、アパレルのワードを入れてみようとか、洋服とかメイクも入れて、化粧品のタイアップになったらいいなとか(笑)。
――これは浪岡さんが、大島真帆のために、心を込めて書き下ろした曲であると。
浪岡:うーん、まぁ、心はこもってるんですけど、真帆さんのためにかどうかはわからないです(笑)。でも、ハマってますよね。
――もともと、何を思って書いた曲ですか。
浪岡:自分で歌うには、メロディが可愛すぎるかな?みたいな感じがあって。ちょっとアイドルソングっぽいメロディだなとも思ったんですけど、アレンジは結構硬派に、渋めに作ったら、真帆さんが歌ったらちょうどいい塩梅になるかな、と思いながら作りましたね。
――そういう、自分には合わないメロディが出てきちゃうことって、よくありますか。
浪岡:全然ありますね。自分の声のキャラクターが、特殊といえば特殊なので。明らかに合わないなみたいなものが、溜まってることはあります。アイディアとして。
――作曲脳のほうが先に立つんでしょうね。だからPenthouseの曲はバラエティ豊かなものがいっぱい出てくる。そしてアルバムで初出の新曲4曲目、ラストを飾るのが「Drop It Down」。ホーンセクションの入った、ねばっこいファンキーなグルーヴ。めちゃくちゃいい曲。
浪岡:ありがとうございます。ただ、どれぐらい聴いてもらえるのか……。
――聴きますよ。どんなイメージだったんですか、作曲は。
浪岡:それこそ、ローレンスっていうバンドが好きで、ローレンスがアルバムの曲でTOP(TOWER OF POWER)の「What Is Hip?」のオマージュみたいな曲をやっていたのを聴いて、それがすごく良かったんですね。全然離れた場所で、自分たちと同じようにTOPのコピーバンドとかをやって、そこから自分たちの曲を作って、みたいなことをやってる人がいることが、すごく良かったんですよね。僕も同じような曲に影響を受けて来たわけだから、そういうことをやってみようと思って作ったのが「Drop It Down」で。ローレンスよりはハードロックの風味を加えつつ、ちゃんとファンクをやってみた曲です。Penthouseのメンバーは、バックボーンがそれぞれ違うんですけど、元々いた大学のサークルの文化的に、TOPがすごい人気で、みんな1回ぐらいはやってるんじゃないかと思うので。そういうルーツっぽい曲ですね。
大島:サークルにいた時は、TOPは男性ボーカルなので、浪岡がリードボーカルで歌って、私はコーラスで、ということが多かったんですけど、「Drop It Down」は完全にツインリードボーカルで、バチバチする感じで歌えたので、すごい新鮮で楽しかったですね。当時のことを思い出して、自分の持ってる強く太い声の部分を出して、のびのび歌えたと思います。
大原:オマージュ先の「What Is Hip?」を意識したフレーズが、間奏で出てくるんですけど、弾くのが非常に難しくて。TOPのベースのロッコという人が、人差し指で弦を押さえつつ、中指でちょっとミュートするみたいな、難しいことをよくやる人で、それを完全に真似してやってます。僕らは大衆を向いているバンドではあるけど、こういう曲を弾く時は、玄人の人が「あれを真似してるな」って、クスっと笑ってもらえたらいいなと思って作る部分はあるかもしれない。ただ本当に難しいので、ライブ用に練習しなきゃいけないです。
大原拓真(Ba)
――この曲、全員にソロの見せ場があるから、ライブで絶対映えますよ。ギターも、ピアノも。
大原:ピアノは特に、面白い録り方をしてます。
浪岡:左手で布を持って、ピアノの内部を触ってミュートしながら弾く、ということをやっているので。クラヴィネットっぽい雰囲気のある音色になってます。
大原:楽器的には、聴きどころの多い曲ですね。ドラムの平井も、こういう曲、大好きなんで。腕がぶんぶん回ってます。ノリノリでした。
――今回、平井さんがゴネた曲はないですか? この話題、一生コスりますけど(笑)。(※かつて平井がとある曲で、シンプルなエイトビートの曲は好きじゃないと言ってゴネたというエピソード)
大原:「シルエット」ですかね(笑)。しかも面白いのが、ドラムじゃなくてベースについて。
浪岡: シークゥ(Sekou)というアーティストの「Catching bodies」という曲があって、ドラムはシンプルな四つ打ちで、ベースがリズムを作っていくみたいなサビがあって。「シルエット」でその感じをやろうと思ったんですけど、この曲は四つ打ちではないので、そこにドラムと合ってないベースを入れるのが、平井さん的には違和感がすごいということで、揉めました(笑)。
大原:でも、うまく両者の落としどころを探っていったら、良くなった。そこは、曲のいいアクセントになってると思いますね。だから、今もちゃんと、揉めてはいます(笑)。
――リスナーの勝手な意見としては、揉めるのは面白いです。新しいものが出て来るので。それがPenthouseの個性だとまで思います。「Drop It Down」の話に戻りますけど、これも浪岡さんが単独で書いた英語詞で、かなり強いメッセージ性を感じるんですね。この音楽の熱気で、つまらない時代をぶっ飛ばしてやる、的な。あくまで印象ですけど。
浪岡:歌詞自体も、「What Is Hip?」を下敷きにはしていて。「What Is Hip?」は、1973年当時のヒッピー文化を引き合いに出して、流行について歌っているんですけど、ヒッピー文化は僕らにはあんまり関係なくて。僕らが一番強く感じる文化は音楽だから、そこに落とし込んで書いた歌詞ですね。確かに、熱い感じではあると思います。
――熱いものが伝わります。
浪岡:理想っちゃあ、理想ですけどね。音楽をやっている人が、こういう熱いメッセージを持って、情熱を込めてやっていることに、世の中が気づいてくれたらいいなというふうには思います。
――Penthouseの曲に特にメッセージはないって、浪岡さんはいつも言いますけど、こういう曲ににじみ出て来るなぁと思ったりします。
浪岡:説教臭くなるのが嫌なんですよね。でも英語だったらごまけるから、いいのかなと思います。
■音楽をそんなに高尚なものだと思いすぎないというか。僕らは音楽好きだけど、もっとライトに楽しむだけのものとしての音楽も僕は好きなので。(浪岡)
――そんな素晴らしい新曲4曲に、既発タイアップ曲もたっぷり詰め込んだ全10曲。アルバムタイトル『Neon Garden』は誰が?
浪岡:平井さんです。
大原:アルバムタイトルは平井の担当なので。
浪岡:色々と間取りを書き出して、『Garden』がいいかな、みたいな感じになったんですけど。これまでの『Balcony』『Laundry』みたいなタイトルは、シンプルでかっこいいんですけど、目立たないというか、ちょっと流れちゃうなという感じがあったので。頭に何かつけようということで、平井さんが出した案の中から『Neon Garden』になりました。『Balcony』『Laundry』と同じで、そんなに深い意味はないというか。
大原:コンセプトに合わせて曲を作ってるわけでもないし。
浪岡:音楽を、そんなに高尚なものだと思いすぎないというか。僕らは音楽好きだけど、もっとライトに楽しむだけのものとしての音楽も僕は好きなので、タイトルにはあんまり思いは込めていないですね。
――ただ、ジャケットは夏っぽいですよね。リリース時期にはぴったり。
大島:プールサイドで流したらいいかもね、みたいな。
――このインタビューを読んでいるみなさん、この夏はこの一枚で楽しくお過ごしください。そしてリリース後は、10月にライブハウスツアー7本、12月にホールツアー3本。今後のライブに向けての抱負を、ライブ演出担当の大原さんからぜひ。
大原:3月に武道館があって、一旦ここまでの集大成みたいなライブになったので、ここからはもっと普通に、楽しいエンターテイメントのライブを見せていけたらいいなと思っています。さっきの話と近いですけど、バンドのストーリーとか、メッセージとかよりも、単純に音楽をいいものとして聴いてもらって、体験として楽しんでもらえるライブを作っていく、今はそのフェーズかなと思っています。その中でライブハウスツアーは、行ったことのないところにも行くので、新しい人にもたくさん来てほしいなと思ってますね。そしてホールツアーで、さらにPenthouseのライブを好きになってもらって、来年以降またもっと大きいところで、という気持ちでいます。
大島:ライブハウスツアーはCateenが欠席で、サポートの方がキーボードで入ってくれます。
大原:最近は、ドラムの平井が育休を取って、サポートのドラムでやったりもしているので。メンバーとは違う人と合わせる楽しさも、見えてきているんですね。Cateenがいるほうが、もちろん完成形という見方にはなっちゃうけど、ライブハウスツアーは、また違う素晴らしいプレイヤーと一緒にやるので、6人のPenthouseとはまた違ういいライブをしっかり追求して見せられたらと思っています。
取材・文=宮本英夫 撮影=山川哲矢
ライブ情報
10月17日(土) 広島 CLUB QUATTRO
10月18日(日)高松 festhalle
10月25日(日)福岡 DRUM LOGOS
11月02日(月)札幌 PENNY LANE 24
11月08日(日)仙台 Rensa
11月22日(日)金沢 EIGHT HALL
11月30日(月)東京 LIQUIDROOM
※今ツアーはPf.角野の出演はありません。
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Penthouse ONE MAN LIVE TOUR 2026 “Neon Garden”
12月14日(月)大阪・国際会議場メインホール
12月15日(火)名古屋・Niterra日本特殊陶業市民会館フォレストホール
12月17日(木)東京・ガーデンシアター
リリース情報
2026年7月29日(水)発売
【初回限定盤】CD+BD VIZL-2543 / 税込6,600円
初回盤
通常盤
<CD収録曲>
01. 恋する神様
02. 一二三
03. Minute by Minute
04. 青く在れ
05. Balloon
06. ナンセンス
07. シルエット
08. 隣の恋は青
09. Planetary
10. Drop It Down
<初回限定版BD収録内容>
2026年3月16日(月)に開催された、自身初となる日本武道館単独公演『PENTHOUSE ONE MAN LIVE IN 日本武道館 “BY THE FIREPLACE”』のライブ映像本編を完全収録。