観客もシュテルンビルトの一市民に spi×塩田一期がバディを紡ぐ「TIGER & BUNNY」THE STAGEが開幕【ゲネプロレポート】
「TIGER & BUNNY」THE STAGEゲネプロ
原作アニメファンにとっては、このイントロが聞こえた瞬間、否応なく作品世界へ引き込まれるだろう。アニメ前期主題歌「オリオンをなぞる」のインストが鳴り響き、観客は大都市シュテルンビルトの一市民となった——。人気アニメ『TIGER & BUNNY』の放送15周年を記念した舞台化作品、「TIGER & BUNNY」THE STAGEが、2026年9月19日(土)より東京・Shibuya LOVEZにて開幕した。
spi&塩田一期がW主演を務める本作の公開ゲネプロの模様をレポートする。
冒頭、鏑木・T・虎徹/ワイルドタイガー(spi)のヒーローとしての原点となる回想が描かれたのち、虎徹が客席を煽る。ドラマチックなシーンから一転、「しっかり盛り上がってくれ!」と観客に声をかけ、そのテンポのよい切り替えが実に「タイバニ」らしい。「ワイルドに吠えるぜ!」というワイルドタイガーの決め台詞を全員で叫び、会場が一つになった。
このシーンに象徴されるように、本作は観客を巻き込む演出にあふれている。客席がそのまま事件現場になり、劇中で放送される「ヒーローTV」の観覧席になる。気づけばこちらは、シュテルンビルトに暮らす一市民だ。ヒーローたちに守られ、その活躍に声援を送り、彼らの奮闘を間近で見守る。舞台ならではの近さで、あの街の住人になる高揚を味わわせてくれる。それこそが、本作最大の醍醐味だろう。
そして「タイバニ」は、ヒーローの活躍だけでなく、その裏の人間くささが魅力の作品でもある。原作同様の疾走感が全編を貫きながらも、即席コンビが真に信頼し合うバディになるまでのドラマも、その合間に挟まれる思わずクスっとしてしまうやりとりも、抜かりなく描かれていく。
“おじさん”の哀愁と、若きバーナビーの繊細 W主演が紡ぐバディ
お姫様抱っこで抱えられる虎徹(spi)とバーナビー(塩田)/「TIGER & BUNNY」THE STAGEゲネプロ
spiの虎徹は、登場した瞬間から、頼りになるのか抜けているのか判断がつかない、絶妙にダサい“おじさん”と呼びたくなる哀愁をまとっている。同時にspi自身には、物語をステージ上だけに留めず、客席側まで広げて包み込む力がある。その包容力が虎徹の懐の深さと重なり、役者とキャラクターの境界が溶け合っていた。歌唱パートでは、ほんのワンフレーズに、ワンフレーズとは思えぬ感情を練り込んでみせる。spiの技術と心が生み出す情感が、作品全体の芯を支えていた。
「バニー」とバーナビーをからかう虎徹/「TIGER & BUNNY」THE STAGEゲネプロ
一方の塩田一期は、若さゆえの不安定さを内包するバーナビー・ブルックス Jr.を、丁寧に立ち上げる。相棒への信頼が大きく揺れ、暗い過去も抱える難役だ。表面には出さずとも内に多くの感情が渦巻いていることが、塩田のわずかな表情や息遣いから確かに伝わってきた。バーナビーは素性を公表している唯一のヒーローとあって、ヒーロースーツを着てのアクションも多い。動きに制限があるスーツをまとっているとは思えないスマートな身のこなしと、そこから繰り出される長い脚でのキックは必見だ。
「TIGER & BUNNY」THE STAGEゲネプロ
この二人が、いがみ合う即席コンビから本物のバディへと変わっていく、その過程の鍵を握るのが、少年トニー(武井ダマセノ瑠珂/松坂岳樹のWキャスト、ゲネプロでは武井が出演)の存在だ。トニーとの関わりを通じて、虎徹のヒーローとしての揺るぎない信念がにじみ出る。そしてその姿を目の当たりにしたバーナビーが、少しずつ“おじさん”を見直していく。二人の心が近づいていく機微が、丁寧に積み上げられていた。その到達点であるクライマックスで、二人の重なり合う歌声が生むハーモニーには、思わず胸が熱くなった。
(左から)トニー(武井ダマセノ瑠珂)、虎徹、バーナビー/「TIGER & BUNNY」THE STAGEゲネプロ
シュテルンビルトを彩る面々と、真意の見えぬ男たち
ヒーローたちも、どの瞬間を切り取ってもアニメから飛び出してきたかのよう。力強く伸びのある歌声でブルーローズのアイドル人気を体現する相馬結衣、小柄な体を活かした身のこなしでドラゴンキッドの“ボクっ娘”なかわいらしさを表現する小野晴子。
中央でたからかに歌うキース・グッドマン(森田桐矢)とマイクを奪い返すカリーナ・ライル(相馬結衣)/「TIGER & BUNNY」THE STAGEゲネプロ
混じりけのない笑顔が似合う森田桐矢のスカイハイ、プロレス界でも活躍する“筋肉俳優”桜庭大翔の説得力ある肉体と人のよさがにじむロックバイソン、一生懸命に頑張る健気な姿を応援したくなる岩崎悠雅の折紙サイクロン、そしてジョエル・ショウヘイが華やかに彩るファイヤーエンブレム。個性豊かなヒーローが勢ぞろいだ。「そう表現するのか!」と驚かされる、工夫が凝らされたNEXT(ネクスト)能力の表現にも注目を。
(左から)ホァン・パオリン(小野晴子)、イワン・カレリン(岩崎悠雅)、アントニオ・ロペス(桜庭大翔)、ネイサン・シーモア(ジョエル・ショウヘイ)/「TIGER & BUNNY」THE STAGEゲネプロ
HERO TVの“シゴデキ”プロデューサー、アニエス・ジュベール(鳳翔 大)や、アドリブ上手な髙木 俊が演じるアレキサンダー・ロイズといった、ヒーローを取り巻く面々も実に魅力的。劇中には登場しないものの、ヒーローたちの会話からメカニックの斎藤さんの存在がそっと匂わされる点も、原作ファンは思わずにやけてしまうだろう。そして中村誠治郎は、ジェイク・マルチネスの狂気を鋭く、渋く演じ、クリーム(永利優妃)とともに本作のヒールとして強烈な印象を残した。
「TIGER & BUNNY」THE STAGEゲネプロ
さらに、バーナビーの親代わりでもあるアルバート・マーベリック(陰山 泰)、司法局のヒーロー管理官として正義を貫くユーリ・ペトロフ(鮎川太陽)も登場。真意の見えぬ男たちの存在が物語にわずかな影を落とし、続編への期待をいやが上にも高める。
(左から)アレキサンダー・ロイズ(髙木 俊)、ユーリ・ペトロフ(鮎川太陽)、アルバート・マーベリック(陰山 泰)/「TIGER & BUNNY」THE STAGEゲネプロ
演出面の趣向も見逃せない。ヒーローの活躍を“TVショー”として見せる原作の構造を、脚本・演出を手掛けるほさかようは劇場という空間でさらに二重写しにしてみせた。番組クルーのカメラ映像がリアルタイムで舞台上のスクリーンに映し出され、中央の盆、左右の可動階段とあわせて、仕掛けは実にダイナミック。セットや映像だけでなく、舞台ならではのマンパワーな見せ場、そして観客の想像力までも刺激して、シュテルンビルトの街を立ち上げていく。
「TIGER & BUNNY」THE STAGEゲネプロ
派手なアクションも、緻密な仕掛けも詰まった2時間50分。けれど見終えて何より心に残るのは、確かにシュテルンビルトの一市民として、ヒーローに声援を送っていた高揚感だ。人を守るために全力で駆けるヒーローたちのまっすぐさと、その裏にのぞく人間くささ。それらを間近で浴びた観客は、劇場を出てもまだ、あの街の一市民でいられる。原作アニメ15周年の節目にこの舞台が生まれたことへ、心から「ありがとう! そして、ありがとう!」と伝えたくなった。
コメント
■脚本・演出:ほさかよう
「TIGER & BUNNY」THE STAGE、いよいよ開幕が近づいて参りました。
稽古が始まってから今日まで、ずっとワクワクしっぱなしでした。
素晴らしいクリエイターチーム、キャスト、スタッフと共に、一つの作品を創り上げていく。その時間そのものが、すでに最高のエンターテインメントでした。
この興奮と熱量を、劇場に足を運んでくださる皆様へ、余すことなく届けたい。
その一心で、最後の瞬間まで作品を磨き上げていきます。
どうぞご期待ください。
それを超えた景色を、きっとヒーローたちが見せてくれるはずです。
■鏑木・T・虎徹/ワイルドタイガー:spi
皆様、いよいよ「TIGER & BUNNY」THE STAGE の初日の幕が上がります。
ワイルドタイガーこと、鏑木・T・虎徹です。
無事にこの日を迎えられたのは、日頃より温かく、そして熱い声援を送ってくださる皆様のおかげです。
心より感謝申し上げます。
今回はバーナビーとのコンビネーションはもちろん、おじさんとしても一段と気合が入っております!
皆様のご期待をさらに上回るような、最高のヒーローアクションをお見せできるよう、カンパニー一丸となって全力で駆け抜けます。
劇場へ足をお運びくださる皆様、そして応援してくださる全ての皆様と、最高の時間を共有できることを今からとても楽しみにしています。
どうか最後まで、温かいご声援をよろしくお願いいたします!
■バーナビー・ブルックス Jr.:塩田一期
バーナビー・ブルックス Jr.役の塩田一期です!
約 1 ヶ月ほどの稽古が終わり本番を迎えます!!
日々バーナビーとしての新しい発見があり、話が進んでいく中で心が動いていくのを感じられるのが、すごく楽しく充実していました!
そして何より、この作品はヒーローたちが活躍しますが、アンサンブルの皆の活躍も見ていただきたいです!!
8人だとは思えないほど場面が展開したり色んなギミックが飛び出したりと、「タイバニ」の世界をより一層輝かしいものにしてくれる存在です!
そんな頼もしすぎるカンパニーで「タイバニ」の世界を体現しているので、ぜひ劇場で味わってください!!
一緒に楽しみましょう!!!
それでは劇場でお待ちしております!!!
取材・文・撮影=双海しお
公演情報
日程:2026年9月19日(土)~9月27日(日)
会場:Shibuya LOVEZ
【兵庫公演】
日程:2026年10月2日(金)~10月4日(日)
会場:AiiA 2.5 Theater Kobe
原作:BN Pictures
ストーリー原案:西田征史
キャラクター原案・ヒーローデザイン:桂 正和
脚本・演出:ほさかよう
音楽:兼松 衆
作詞:堤 泰之
振付:伊藤今人(梅棒)・泰智(KoRocK)
キャスト
鏑木・T・虎徹/ワイルドタイガー:spi
バーナビー・ブルックス Jr.:塩田一期
カリーナ・ライル/ブルーローズ:相馬結衣
アントニオ・ロペス/ロックバイソン:桜庭大翔
キース・グッドマン/スカイハイ:森田桐矢
ホァン・パオリン/ドラゴンキッド:小野晴子
イワン・カレリン/折紙サイクロン:岩崎悠雅
ネイサン・シーモア/ファイヤーエンブレム:ジョエル・ショウヘイ
アニエス・ジュベール:鳳翔 大
アレキサンダー・ロイズ:髙木 俊
トニー(Wキャスト):武井ダマセノ瑠珂/松坂岳樹
ジェイク・マルチネス:中村誠治郎
クリーム:永利優妃
アルバート・マーベリック:陰山 泰
ユーリ・ペトロフ/ルナティック:鮎川太陽
アンサンブル:アイザワアイ 相田真滉 伊藤秀馬 岡村拓真 栗原 樹 清水天琴 根木冬馬 森本さくら
監修:バンダイナムコピクチャーズ
監修協力:バンダイナムコフィルムワークス
主催:「TIGER & BUNNY」THE STAGE 製作委員会
サイドシート:13,000 円(税込)
カジュアルシート:8,500 円(税込)※神戸公演のみ
【公式サイト】https://tigerandbunny-stage.com
【公式X】https://x.com/TIGERBUNNY_st
【公式YouTube】 https://www.youtube.com/@TIGERBUNNY_st
【公式TikTok】 https://www.tiktok.com/@tigerbunny_st
ハッシュタグ:#舞台タイバニ
(C)BNP/T&B PARTNERS (C)「TIGER & BUNNY」THE STAGE 製作委員会
リリース情報
JAN:4573687645391
価格:11,880 円(税込)
発売日:2027年4月2日(金)
仕様:Blu-ray1 枚組(本編映像+特典映像)、ブックレット付き
収録内容
・本編映像
・メイキング&バックステージ映像
※仕様・内容は予告なく変更となる場合がございます。
詳細は下記 URL をご確認ください。
https://tigerandbunny-stage.com/blu-ray/
配信情報
10月4日(日))13:00 公演 マルチアングル配信
10月4日(日)18:00 千秋楽公演 マルチアングル配信
■配信サイト
U-NEXT 特設ページはこちら
https://t.unext.jp/r/tigerandbunny_stage
■販売価格
①10月4日(日)13:00 公演:4,000 円(税込)
②10月4日(日)18:00 千秋楽公演:4,000 円(税込)
③2 公演セット:8,000 円(税込)
■配信期間/販売期間
①10月4日(日)13:00 公演<マルチアングル>
・ライブ配信:10月4日(日)12:30〜公演終了まで
・見逃し配信:準備が整い次第〜10 月 12 日(月・祝)23:59:59
・販売期間:9月12日(土)12:00〜10 月 12 日(月・祝)20:00
②10月4日(日)18:00 公演<マルチアングル>
・ライブ配信:10月4日(日)17:30〜公演終了まで
・見逃し配信:準備が整い次第〜10月12日(月・祝)23:59:59
・販売期間:9月12日(土)12:00〜10月12日(月・祝)20:00
③ライブ配信 2 公演セット
・ライブ配信:①②の公演の日程に準ずる
・見逃し配信:準備が整い次第〜10月12日(月・祝)23:59:59
・販売期間:9月12日(土)12:00〜10月12日(月・祝)20:00
■特典映像
①10月4日(日)13:00 公演終了後キャスト出演生コメント
(コメント出演者:鏑木・T・虎徹/ワイルドタイガー:spi、バーナビー・ブルックス Jr.:塩田一期、
カリーナ・ライル/ブルーローズ:相馬結衣、ホァン・パオリン/ドラゴンキッド:小野晴子、ネイサン・シーモア/ファイヤー
エンブレム:ジョエル・ショウヘイ
②10月4日(日)18:00 千秋楽公演終了後キャスト出演生コメント
(コメント出演者:鏑木・T・虎徹/ワイルドタイガー:spi、バーナビー・ブルックス Jr.:塩田一期、
アントニオ・ロペス/ロックバイソン:桜庭大翔、キース・グッドマン/スカイハイ:森田桐矢、
イワン・カレリン/折紙サイクロン:岩崎悠雅
※2 公演セットは各公演両方のキャスト出演生コメントが視聴できます。
※特典映像の配信は本編終了後となります。 ※出演者は変更になる場合がございます。