【対談】Am Amp×Embers バンドからユニットへ、ボーカルが舞台経験者、楽器隊がヴィジュアル系バンド出身――相通じる2組のディープな対談公開

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Am Amp×Embers 撮影=Riku Kurosaki

Am Amp×Embers 撮影=Riku Kurosaki

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再始動発表と同時に公開した「ハートに安全ピンを刺して」のミュージックビデオが話題沸騰中の、Sugar(Vo)と矢沢もとはる(Ba)によるAm Amp(アムアンプ)。新体制になって初の音源となる全5曲入りEP『Here we(Am).』も好調の彼らは、8月から東京・新宿LOFTで『Here we (Am). VS. SERIES @新宿LOFT』と題した主催イベントをマンスリーで開催中。その最終公演となる10月15日に出演するゲストのなかから、今回はEmbers(エンバーズ)を招いて対談を実施。Embersはオーディション番組『YOSHIKI SUPERSTAR PROJECT X』から誕生したバンド・XYの元メンバーであるGAI(Vo)とKAIRI(Gt)が結成したユニットで、6thデジタルシングル「DNA」を5月にリリースした。『VS.SERIES』では唯一の、Am Ampと同じ2人組ユニット。バンドからユニットへ、ボーカルが舞台経験者、楽器隊がヴィジュアル系バンド出身など、お互い相通じる部分が多岐にわたり、ディープな対談となった。

――今日、初めて会ったばかりなんですよね?

Sugar(Am Amp/Vo):そうです。15分ぐらい前に初めてお会いしました。

矢沢もとはる(Am Amp/Ba):もしかしたらヴィジュアル系時代に、KAIRI君とはどこかですれ違っていたのかも知れないですが。

KAIRI(Embers/Gt):大阪でヴィジュアル系バンドをやっていたんですけど、僕が始めたのは2015年ぐらいなので、その当時、矢沢さんはもうバリバリ有名な人っていうイメージでした。

矢沢:ホントですか?

KAIRI:はい。なので、今回こうやってお会いできて光栄です。

矢沢:こちらこそです。

――まず、Am AmpからEmbersに今回声をかけた理由を教えてもらえますか?

Sugar:きっかけはSNSです。「カッコいい!」と思ってサブスクで曲を聴いてみたらめっちゃイケてて、一緒にやりたいと思ったのがきっかけです。でも会ったこともないし、彼らも僕らのことは知らないだろうから無理だろうな、でもメールを送るのはタダだからと思ってオファーをして。

矢沢:どうせメールも返ってこないだろうしって、悲壮感たっぷりな感じで。

Sugar:「コイツら誰だよ?」で終わるだろうなと思いきや、快諾をいただいたという流れです。

矢沢:ルートはまったくなかったんですけどね。

Sugar:でも、調べてみたら、お互い元々ヴィジュアル系のメンバーがいたり。GAI君は4月に舞台をやられていて。実は、自分も前は俳優をやっていたんです。

――すごい共通した要素があったんですね!

Sugar:そうなんですよ。驚きました。

Embers

Embers

――では、実際にAm Ampからオファーがきて、Embersはどう思ったんですか?

KAIRI:いやもう、僕はAm Ampさんのことは存知上げていたので、めちゃくちゃありがたいなと思いました。これからEmbersとして、どういうところにライブで出て行こうかと探っていた時期でもあったので、オファーを頂けたのはすごく嬉しかったです。

GAI(Embers/Vo):僕も嬉しかったです。曲を聴かせてもらったら、ヴィジュアル系な感じにアニソンみたいな疾走感があったのがすごく新鮮で。この曲、ライブでめちゃくちゃ楽しいだろうなって思いました。

Sugar:ありがとうございます。

――再始動したAm AmpもEmbersと同じ2人組なので、そこもオファーをする動機になったのかなと思ったんですが。どうですか?

Sugar:それもありました。今回『VS.SERIES』には計5バンド出てもらうんですけど。そのなかでEmbersは唯一の2人組なんですよ。Am Ampは元々4人組だったんですけど、再始動から2人組になって。勝手にシンパシーを感じていたっていうのはありますね。

GAI:あんまり見ないですよね、2人組って。

■ライブではバンドを入れたり、オーケストラを入れたり自由にできる。2人だけのほうが純度が高いものができるなっていうのもありました。(KAIRI)

――Embersがバンド編成ではなく、2人組のユニットを選んだ理由はなんだったんですか?

KAIRI:そのほうが“自由”が利くかなと思ったからですね。編成にとらわれずに、ライブはこれまではバンドを入れたり、オーケストラを入れたりと大所帯でやることもあれば、2人だけですることも今後はやっていきたいと思っていて。そういうことが自由にできると思ったことと、あとは、曲の方向性とかも近いので、2人だけのほうが純度が高いものができるなっていうのもありました。

GAI:自由なところが魅力的ですね。音楽って正解がないからこそ、人数が多いと、それだけいろんな正解があるから、それをまとめていくのは大変ではあるので。まず、この2人で完結させて。そのあとは、じゃあ今回はオーケストラを入れてとか、じゃあ次はトランペットとサックスとトロンボーンを入れてみようか、みたいな感じで、伸び伸びとやりたことができるから、自分の心から出てくる音に素直になりやすい。いままでリリースした曲は、本当に思いついたものをそのまま出してる。「DNA」は結構デジタル系な感じですけど、デビューの「Crimson Rain」は弦、「De-Marionette」は管楽器が入っていたり。もう、音楽で遊んでる感じですね。

 

――それをフットワークよくできるのが2人組の魅力。

GAI:そうですね。曲を出すたびにコンセプトが変わってくるんですよ。いい意味で一貫性がないんですけど、その芯にあるもの。それは“ロック”で。そこは変わらず、同じなんです。いろんなジャンルのものを取り込んで一つの形にしていく僕らにとって、今回Am Ampさんと一緒にできることは、すごく貴重な体験だなと思うんです。これまで思いっきり対バンするみたいなことはなかったので、そこも僕自身はすごく楽しみです。

Sugar:ありがとうございます。2人組というところにおいては、Embersさんのほうが僕らよりも先輩なので。いま2人がおっしゃっていた“自由”というワード、本当にその通りだなと思いました。見せ方として、純度高くバンドとしてのカラーを見せやすいこと、音楽的には幅広くなって制約がないっていうところは、いまの時点で手応えを感じています。

矢沢:僕も“自由”という言葉をお借りしますけど、制作の段階で、楽曲に対しての自由度はかなり感じてます。人数が多い方がアイデアや個性がぶつかりあい、ケミストリーが生まれて、幅広くいけるんじゃないかと思ってたんですけど。2人になってみたら、逆にシンプルだからこそ、1本真ん中にある筋が見えやすくて。そこに何を足すのか引くのかが、ものすごく計算しやすくなりました。

Am Amp

Am Amp

――バンド時代と2人組になったいまとでは、ステージに立ってる感覚も違うんですか。

Sugar:僕らはまだ(取材をした時点では)ライブをやってないので、そこは聞いてみたかったんですよ。どうですか?

KIRAI:元々僕もEmbersをやるまでは、4人とか5人編成のバンドしかやったことがなかったので、いまは新鮮な感じです。サポートメンバーみんなが全力で自分たちを助けようとしてくれている感じが。

GAI:ただ、自由になった分、背負う責任は大きくなる。いままでだと4等分、5等分されていたものが半分ずつになるので。例えば、一つミスっても、4~5人いたらそのイメージが分散されるけど、2人だと(オーディエンスは)ずっと自分たちを見ているから、しっかりやらないといけない。そこの責任感は高まりますね。あと、サポートしてくれるメンバーはプロなので、本当にがっちり演奏を極めてきてくれるからこそ、僕らもちゃんとやらなきゃっていうところで、いい意味で気が引き締まります。そこは大きく違いますね。

Sugar:なるほど。ありがとうございます。

矢沢:サポートメンバーさんたちは固定ですか?

GAI:結構バラバラです。めちゃくちゃ人数が多いときもあれば、少ないときもあります。いろんな形でやっていくのが面白いなと思っているから、ステージによって変わります。

――となると、話が通じるバンドは相当限られてきませんか?

KAIRI:すでに友達いないですから。僕ら(苦笑)。

Sugar:いやー、シンパシーしか感じないです! 僕らも最初は「俺ら、新しくね?」、「この感じ、いままでやってる人いないっしょ!」みたいな感じでカッコつけてやってたんですけど。気がついたら、誰も周りにいないんですよ。

GAI:まあ、スターは孤高なんで。

Sugar、矢沢:おぉ~!

KAIRA:よく言ってるよね。その言葉。

Embers

Embers

――バンドから2人組になって始動するときに、特に心がけたことはありましたか?

GAI:僕はファンの方々に対しての見方がガラッと変わって。さっきの責任の話にも付随するんですけど、集団として見ていたファンの存在が、しっかり一人ひとりの表情まで伝わってくるようになったんですよ。ファン一人ひとり、いろんな人生があって、人によっては僕らの曲を聴いて「人生救われました」とか、「ずっと鬱だったんですけど支えられてます」みたいな人、「勇気をもらって自分も挑戦しようと思いました」とか。ファンの方々は、曲や僕らの生き方をダイレクトに受けて止めて、共に人生を生きてることが分かったので。ファンのみんなに対してしっかり向き合って、歌っていくことの大事さをボーカルとしては実感しましたね。

KAIRI:前にいたグループが大きなプロジェクトだったので、そこから独立するというところで、まずは期間を空けたくなかったっていうのがありました。だから、1ヵ月も経たないうちに発表をしたんですけど。とにかくそのスピード感、ファンを待たせないっていうところは心がけました。大きなプロジェクトを抜けて、いまは2人はやりたいことをやっている。それを提示するために独立したっていうストーリーを、なるべく早く、楽曲でも分かりやすくファンのみんなに伝えました。

 

――Am Ampは4人から2人組になったとき。まず「ハートに安全ピンを刺して」のミュージックビデオを公開しましたよね? そこにはファンに対してどんなメッセージが込められていたんでしょうか。

Sugar:僕らの場合は、我々は勝手に活休を発表して、勝手に再始動しちゃった時点でファンを振り回してしちゃってる訳ですよ。そこにはもちろん責任を感じているんですけど。再始動するにあたって「ハートに安全ピンを刺して」を選んだのは、もうここまで振り回したんだから、とことん俺たちに付き合ってもらおうじゃないかというメッセージと、ファンのみんなを揺さぶるような楽曲を作り続けるという覚悟を込めて、「ハートに安全ピンを刺して」のミュージックビデオを公開しました。

矢沢:4人でやってきったものとはガラッと変えたかったというのは、自分個人としては強くありました。4人体制もすごく楽しくて好きだったので、思い入れはあるんですけど、それが2人体制になって。Embersさんもそうだと思うんですが、ライブハウスとかでやっていくにはレアな体制じゃないですか、2人って。なので、いままでとは違う、逆に2色になったからこそ、混ぜたときに強い匂いを放ってるんだというのを強く提示するために、曲の世界観、歌詞、ミュージックビデオはかなり作り込みました。いままではこういう方が聴いてくれたら嬉しいなとか、こういう人に届けばいいなというものを主軸に制作をしていた部分はあったんですが、「ハートに安全ピンを刺して」は完全に自分たち本位で作ったんです。2人の色をかなり色濃く出して混ぜ合わせて、胸焼けするぐらい深いコクが幾重にも重なって、芳醇な余韻が美しく続くような強烈なものをこれで表現したかったというが強くありましたね。

■主軸は音楽ですけど、命は短いので、いろんなこと、やれることはやっていこうと。シンプルに、踏んだことのない土地はどんな感触なんだろ?って興味がある。(GAI)

――なるほど。バンドから2人組へというプロセス。さらに、ボーカルがどちらも舞台経験者というところも、この2組は一致しているんですよね。

Sugar:GAI君が4月に出てらっしゃった舞台で、僕がめちゃくちゃお世話になっていた俳優さんたちと共演されてたんですよね。今後も舞台とかはやられるんですか?

GAI:やりたいと思ってます。いろんな表現をしていくことが面白いなと思って。もちろん、主軸は音楽ではあるんですけど。命は短いので、いろんなこと、やれることはやっていこうと。シンプルに、踏んだことのない土地っていうのはどんな感触なんだろ?っていうところに常に興味があるので。めちゃくちゃ変なこと以外は、いろんなことに挑戦したいなっていうのはあります。

Sugar:GAI君は芸歴でいうと、僕なんかよりもずっと長いじゃないですか。10歳で『Mステ』出たんですよね? しかもベースで。賞も受賞されていましたよね?

GAI:えっ、よくご存じで(笑顔)。

――いまはベースを弾いたりは?

GAI:ライブで弾きますね、たまに。ベースを弾くときはベースだけのパートを作って。歌いながらはまだ弾いてないです。

Sugar:あと、韓国でも活動されていましたよね?

GAI:そうですね。いろんなところにいろんな人がいるので、楽しんでいろんなところに行ってます(笑顔)。

――やったことがないフィールドに挑むとき、怖さは感じないんですか?

GAI:怖い方が面白いって思ってしまう。昔からずっと。

Sugar:めちゃめちゃ分かるわ~。そうなんだよね。

GAI:先が見えない方が好きで、挑戦して見出していくことが昔からあって。1番難しい道を選んで行く。

Sugar:そこは右っしょっていうところを。

GAI:左に行く。逆張りっす!

――こういう人とバディを組むと、どうなるんですか?

KAIRI:それで言うと、僕は逆にバンドを辞めたあと、普通に就職してた時期もありますから。

――えっ! そうなんですか?

KAIRI:はい。アパレル、ジュエリーの会社にいたんですけど、そのときの経験がいまのバンドの運営にも生きてますね。道でいうと、GAIとは結構真逆の道を歩んできたんですけど、お互いの考え方、経験の違いが、ここではいい感じに合わさっていけばいいなと思ってます。

GAI:リアルにライブとかやっていくなかで、KAIRIがいなかったら破壊してたと思うから。やっぱり、俯瞰で見えてる、KAIRIは。自分にないところを補ってくれてるなって思います。

L⇒R:矢沢もとはる(Am Amp)、GAI(Embers)

L⇒R:矢沢もとはる(Am Amp)、GAI(Embers)

■僕はなぜかバラードで破滅するタイプで、Sugarは激しい曲で破滅するタイプ。同じ破滅系でも、奇跡的にバランスがうまくとれたバディだと思っています。(矢沢)

――デコボコなところがハマってる訳ですね。ではAm Ampのバディ感はどんな感じなんですか?

矢沢:僕自身、実はこう見えて、ライブ中とかは結構暴走してしまうタイプで。4人組だった頃は、職人気質のギターとドラムが守備系で、僕とSugarが破滅系だったんですよ。

――ダブル破滅系ということ?

矢沢:そうなんですが、破滅系も細分化すると破滅するタイミングの違いがありまして。例えば、わかりやすく言うと、僕はなぜかバラードで破滅するタイプなんですよ。逆にSugarは激しい曲で破滅するタイプで。同じ破滅系でも、ここは奇跡的にバランスがうまくとれたバディだと思っています。かつ、救いなのが、4人体制のときのメンバーだったJOHN(Gt)は、いまもクリエイティブメンバーとして残ってくれているんですよ。映像作品などでメインに映るのは我々ですけど、JOHNもずっとそばにいてくれていて。僕らの後方で、ちゃんと監督として俯瞰の目で、クリエイティブを担ってくれているんです。『VS.SERIES』のステージも、常に一緒にいてくれるので、僕らが同時に暴走したとしても、彼がいいバランスに引っ張り戻してくれるはずなんです。そこは信頼してJOHNに任せてます。

――分かりました。さらに、この2組の共通点というと、矢沢さんとKAIRIさんがヴィジュアル系バンド出身というのがあったと思うのですが。お二人がヴィジュアル系に魅了された1番の理由は?

KAIRI:音楽をやるならヴィジュアル系以外の道はないって感じで始めたので、自分のなかにDNAとして入っているものはヴィジュアル系です。いまはメイクとかしなくなりましたけど、ヴィジュアル系にしかないライブのエンタメ性は、いまでも最強だなと思っています。お客さんとの一体感の作り方っていうのは、他のジャンルには絶対にないし。派手なメイクとか衣装とか着てなくても、そこはヴィジュアル系のシーンでは共通していて。そこが1番魅了されたところですね。そういうところに憧れてバンドを始めたところもあるので、そこは自分の根っことしてずっと持っておきたいです。照明とか演出とかも含めて、非現実的なライブ空間を作るのがヴィジュアル系だと僕は思っていて。その空間にいるときだけは全部忘れて、違う世界に来たような感覚になる。それがすごく好きだったので、そこはいまも大事にしたいなと思っています。

矢沢:僕は、特定のアーティストさんに憧れてというのではなく、知り合いレベルの人間がたまたまやっていたのがヴィジュアル系バンドだったというのが入り口なんです。当時は男性が化粧をするなんてすごい世界だなって思っていたんですけど、ライブを観に行ったら、そこで暴れてるお客さんたちが。

――ヴィジュアル系のバンギャのみなさんが矢沢さんのDNA。

矢沢:そうです! バンギャのみなさまがあまりにもカッコよくて、ステージを見ないで、バンギャのみなさましか見てなかったんですよ。なんだこのカッコいい人種は、と思って。それで、ヴィジュアル系の世界に入ってみたいなと思ったのがきっかけです。

――矢沢さんはヴィジュアル系バンドをやりだしたときから、いまのスタイルなんですか?

矢沢:そうですね。手袋をしていなかったり、メガネの形がちょっと変わったりのマイナーチェンジはありましたけど、15年ぐらいずっとこのスタイルです。ヴィジュアル系のみなさんは、色々カッコいいベクトルはあるんですけど、イケメンの格好をしたがるんですよ。そのなかで、1人だけ黒髪短髪でスーツ。逆にそういうメンバーがいて欲しいなと思って、僕がそれになった感じなんです。髪型も同じ美容師さんに切っていただいていて。いろんな矢沢はもういらなくて。僕は、いまの矢沢もとはるの精度を高めていくことだけが、ミュージシャン人生のすべてになっています。

L⇒R:KAIRI(Embers)、Sugar(Am Amp)

L⇒R:KAIRI(Embers)、Sugar(Am Amp)

――なるほど。GAIさんは、これまでベースにピアノ、ダンス、K-POPに俳優と様々なことに挑戦してらっしゃいますが。ご自身のDNAはどこにあると考えていますか?

GAI:僕は多分、9歳ぐらいのときに、父親に「東京ドームに立つ」って約束したところが始まりなんです。そのときの父親の返答が「1回じゃなくて、5回立てる奴になれ」だったんですよ。誰もが知っている本物になれってことなんですけど。僕も矢沢さんと同じで、誰かに憧れたっていうことは1度もなくて。昔から人とは違うことやってみようって、ずっと挑戦を続けて生きてきたんです。小学生の頃、楽器をやっている天才少年が注目されていたんですけど、みんなギターかドラムだったんです。そのなかで、僕は姉がギター、父がドラムをやっていたのもあって、ベースを選んだんです。

――それで、『Mステ』にも出演できた。

GAI:はい。でも、ベースだけでなくダンスもやってみようとか。いろんな変化球を楽しんでやることが僕のDNAかもしれないですね。そうやって、見たことがない景色を見るのが好きなのかもしれないです。

――では、SugarさんのDNAは?

Sugar:自分は完全にファン側からスタートしたタイプですね。本当にビートルズが大好きで。この世代でビートルズのイントロクイズをやったら誰にも負けない自信がありますし、1964年何月何日に誰が何をしたかって、ビートルの年表が全部言えるぐらいオタク気質で。完全にDNAのなかにビートルズはありますね。そのビートルズをきっかけにUKロックにははまって。2000年代のガレージロックリバイバル。ロカビリーもめっちゃ好きです。でも僕は、小さい頃からずっとゴルフをやっていて、一瞬ですけど日本代表だったこともあって、日本、世界、いろんなところにゴルフで行くようになって。だんだんと、その移動中に歌を歌ってる方が楽しいなって思ってきちゃって(笑)。二つ上に石川遼君がいたので、それに追随する形で周りは全員プロになる道に進んでいくなかで、僕は逆張りで。そのときの監督に土下座して「僕はバンドがやりたいんでゴルフを辞めます」って言ったんです。

――えぇーっ!

Sugar:それまでは、勉強する暇があったら1球でも多く球を打ちなさいっていうなかで生きてたんですけど、そこから僕は猛勉強して受験して。その高校で、高1から仲間とバンドを始めたっていう感じですね。

――SugarさんのDNAはビートズル愛と音楽への並々ならぬ情熱ですね。

Sugar:ゴルフを続けていればもっと違う人生があったかもしれないけど、僕は音楽を選びました。俳優も、音楽をやりたくてやっていたので、いまは音楽、バンドに専念できているのでめっちゃ幸せです。

■『VS.SERIES』はこの日が千秋楽。全バンドがズバ抜けた個性をもっていて、全バンドが孤高。ガンガンに音で殴り合って、めちゃくちゃやることができる日。(Sugar)

――こうして、お互いのことが分かったところで、10月15日の『Here we (Am).VS.SERIES』。当日はどんなライブにしましょうか。

KAIRI:今日話すまでは、再始動をお祝いするのに花を添えにいく感じで考えていたんですけど。お互い似た境遇もたくさんあって、2人とも人間としてめちゃくちゃカッコいい生き方をしているなって学ばせてもらったので、ガチンコ勝負したい気持ちに切り替わりました。

GAI:今日マジでお話しできてよかったです。本当に、人としてお二方は魅力的だし。ただ単に“こういう音楽やってます”ってだけよりも、2人のバックボーン、人生のストーリーがすごい濃くて。僕、めちゃくちゃそういう人が好きなんですよ。なので、個人的にお二方ともすごく好きになっちゃいました。だからこそ、自分らの音楽をしっかりと楽しんでもらえるように、積み上げてきたものを全力で出そうと思います。

Am Amp

Am Amp

――Am Ampのほうはどうですか?

矢沢:『VS.SERIES』のなかで唯一の2人組なので、勉強させていただいきたい部分はもちろんありつつも、『VS.SERIES』なので、優雅に闘って、なにかの始まりの日にしたいですね。今後も一緒に分かち合えるような、出会いの日。一緒に闘って、先々にまたなにかやるためのきっかけの1日になれたら嬉しいなと思います。とりあえずこの日は、セットリストも見せ方もサポートメンバーの編成も、そして矢沢もとはるとしては1番研ぎ澄まされた状態で、Am Ampとして最大出力で闘いたいなと思います。

――『VS.SERIES』の最終日ですからね。

矢沢:お客さんも1番ホットな状態で迎え入れてくれる体制が出来上がっていると思いますからね。ところで、Embersさんのお客様はどういった方々が多いですか?

KAIRI:30~50代の女性が多いですね。

矢沢:自分の見せ方を分かってらっしゃる美しい世代ですね。

KAIRI:素敵な言葉ですね、ありがとうございます。

矢沢:きっと僕らの音楽もEmbersファンの淑女の方々に楽しんでいただけるんじゃないかなと思いますね。逆に、我々のファンもEmbersの音楽を楽しめると思います。我々のファンは“キャビネッツ”というんですけど。

KAIRI:(楽器用語の)アンプとキャビで?

矢沢:おっしゃっていただいた通りです。

――Embersのファンネームは?

KAIRI:まだ決めてないですね。

――それでは最後に。Sugarさんはどんなライブにしたいですか?

Sugar:改めて、我々の一か八かのオファーを受けて下さり、本当にありがとうございます。『VS.SERIES』はこの日が千秋楽。同じシーン、同じジャンルの似た人たちが集ると、お互い顔色を伺ったりというのが多々あると思うんですけど、この日はMAQIAを含め、全バンドがズバ抜けた個性をもっていて、それ故に、さっきのGAI君の言葉を借りるなら、全バンドが孤高。なので、お互い顔色を気にすることもなく、もうガンガンに音で殴り合って、めちゃくちゃやることができる日。これを皮切りに、今後も付き合えるような、そんなスタートのライブにしたいなと思っています。あと、当日はKAIRI君が誕生日なんですよね。SNSでこのライブを告知してくれてるのを見て、知りました。

KAIRI:たまたま誕生日にこのライブなんですよ。顔面ケーキとかやったほうがいいですか?

矢沢:そんな綺麗にされているんだから、やらなくていいです。もうこの日は最終日で誕生日。こうなったら祝い上げるしかないですね!

取材・文=東條祥恵 撮影=Riku Kurosaki

Am Amp情報

<リリース情報>
Mini album『A/A』

2026年10月23日発売
【初回限定盤】CD+DVD ¥5,000(税込)
【通常盤】CD(紙ジャケット仕様) ¥2,500(税込)

8cm single「ハートに安全ピンを刺して」
2026年10月23日発売
【Type A】¥1,250(税込)
【Type B】¥1,250(税込)
【Type C】¥1,250(税込)


<ライブ情報>
Here we (Am). VS. SERIES @新宿LOFT

※終了公演は割愛
10月15日(木) w/ Embers / MAQIA
▶イープラス https://eplus.jp/amamp/

Mini album『A/A』& 8cm single『ハートに安全ピンを刺して』 リリース&ツアー
10月23日(金)高田馬場CLUB PHASE
11月6日(金)仙台MACANA
11月13日(金)今池CLUB 3STAR(名古屋)
11月14日(土)ROCKTOWN(大阪)
FINAL
12月8日(火)渋谷 CLUB QUATTRO


■Am Ampオフィシャルサイト https://am-amp.jp/

Embers情報

<ライブ情報>
Embers 2nd ONEMAN LIVE

日程:2027年1月17日(日)
場所:TOKIO TOKYO  〒150-0042 東京都渋谷区宇田川町3-7-B1
開場:17:30 開演:18:00
 
■Embersオフィシャルサイト https://embers.bitfan.id/
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