GREENROOM FESTIVAL'16 快晴の海沿いで最高のライブ!チャカ・カーン、hiatus kaiyote、DefTech、クラムボンなど出演の2日目

レポート
音楽
2016.6.13
GREENROOM FESTIVAL'16

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GREENROOM二日目。昨日より更に気温が上昇するという予報通り、じっと立っているだけでも汗ばむ位の陽気の中、横浜赤レンガ地区には多くの観光客が溢れかえっていた。

このGREENROOM FESTIVALは今年で12年目を迎える。『Save The Beach、Save The Ocean』をコンセプトに掲げ、全国で急速に減少しているビーチを守りたいという思いをベースに、サーフカルチャーを中心にそれを取り巻くMusic・Art・Film、全てをコラボレーションさせたフェスティバルである。

2015年は同じ横浜赤レンガ地区を会場に2日間で実に6万人ものオーディエンスを動員し、今年も2日通し券は早々にSOLDOUTするなど年々人気が高まっている。

GREENROOM FESTIVAL'16

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そんなGREENROOMのスタートから毎年出演しているという、“Mr.GREENROOM”とも言えるだろう、Caravanのライブのサウンドチェックが始まっていた。

ちょうど太陽がいちばん高い時間が出番となったCaravan、サウンドチェックから既に沢山のオーディエンスが待ち構える。代表曲「FREE BIRD」を軽く演奏しながら、『ちょっとみなさんの声もサウンドチェックさせてください』と、のっけからいきなり客に歌わせてしまうのはさすが。そしてそのままライブがスタート。皆勤賞なだけあって、彼のボーカルは港のそばのロケーションにぴったりである。

MCでは、前に登場したTHE King ALL STARSの加山雄三さんの名ゼリフを用いて「幸せだなぁ、って言いたくて、今日は。」と、いつでも自然体な彼はさらに客の心を鷲掴みにする。

「サンティアゴの道」を演奏し始めると、ステージに飛び入り参加のダンサー?が登場。Caravanから紹介されたそのダンサーは、なんとDragon Ashのメンバー・ATSUSHI。Caravanのギターと歌とハープと、ストールをまるで羽衣のように操るATSUSHIのコラボレーションは贅沢の一言だった。『最高のバイブスで、大好きなフェスのひとつです。最後まで楽しませてもらいます。』と、“Mr.GREENROOM”にふさわしい言葉で締めくくった。

 

Caravanで心を満たした後は、オフィス・オーガスタが元ちとせ以来14年ぶりに契約したという話題の女性シンガーソングライター、NakamuraEmiを観に。ずっと出たかったというGREENROOM、念願の初登場はHUMMING BIRDでのライブとなった。昨年リリースされたe.p.に収録された「台風18号」を披露したのち、MCで『その曲のモチーフになった元恋人が会場に来ていて、今は(自分のライブを見ず)Def Techを観てる』と笑い飛ばす。そして、『あの時より輝いてたい』と残すと全国のラジオでパワープレイを獲得している「YAMABIKO」を披露。パワフルなボーカルからは想像できないほど小柄で華奢なルックスで、オーディエンスを魅了した。

GREENROOM FESTIVAL'16

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そしてメインとなるGOOD WAVEに戻ると、おそらく今日最多であろうオーディエンスを前に、Def Techがパフォーマンス中。NakamuraEmiからなかなか目を離せず、Def Techのライブは既に終盤に差し掛かっていて、ちょうど代表曲「My Way」のタイミングに。誰もが知る名曲ゆえ場内はカラオケ状態。場外からの声援もこの日一番大きかったように思う。

続いて、昨日は入場規制続きだったGALLERY STAGEへ。
birdが最新アルバム「Lush」のプロデューサーである冨田ラボを迎え、フルバンドでアルバムを再現した。バンドマスターでキーボードを担当した冨田ラボは、ラストではギター・ソロまで披露。室内ながらグルーヴィーなライブに体が勝手に踊り出す。

時を同じくしてBLUE SKYに登場していたのは、GREENROOMに欠かせないレゲエ勢のひとりであるPUSHIM。オリジナル曲だけでなく、先日逝去したプリンスの「Purple Rain」、美空ひばりが唄った往年の名曲「リンゴ追分」まで幅広いカバー曲を披露。不動の歌唱力で、野外ステージながらも歌がしっかり伝わるライブだった。

さて、地元・横浜を代表するアーティストといえばクレイジー・ケン・バンド。
代表曲「タイガー&ドラゴン」をしょっぱなから披露するサービス精神旺盛っぷりはさすが兄さんである。GREENROOMには勿論全国各地から音楽好きが集まるわけだが、そのロケーションの気持ちよさから、場外でイベントを楽しんでいる人を含めて地元の人も多い。そんなことを慮ってか、横浜の地名が多く登場する「京浜狂走曲」や、『本牧市民プール(注:横浜市に実在する)で包まれたタオルから柔軟剤の甘いにおいがした、そこから生まれた曲です』と紹介した「タオル」など横浜リスペクトが溢れるステージを見せてくれた。

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いよいよ夕方に差し掛かってきたGREENROOM二日目、BLUE SKYに登場したのはクラムボン。サウンドチェックでは「穏やかな暮らし」をプレイ、その歌詞にひっかけてベースのミトが『穏やかな暮らし、してますか〜?』と呼びかけると、ゆるく本編がスタートした。

こちらも一曲目から代表曲「パンと蜜をめしあがれ」「GOOD TIME MUSIC」「サラウンド」と名曲を続けてプレイ。海のすぐそばという絶好のロケーションにメンバーは終始気持ちよさそうで、観ているこっちまで楽しくなってくるライブである。

そして、『今日はこの曲をやりに来ました。』というMCの後、聞き慣れたアルペジオのイントロが始まる。ライブ定番曲となった「波よせて」が始まる。曲中の『海の向こうに何がある?』という歌詞も、海の隣で聴けばいつも以上に心にすっと入ってくる。

昨年結成20周年を迎えたクラムボン。『まだまだ行くよという曲をやります。』と言うと「yet」を披露。続いて「Re-Folklore」で、原田郁子とミトがステージ前に作られた花道に繰り出し『ほんとに楽しかったです、ありがとう。』とライブを締めた。

この2アーティストが並んでいるのは、ファンにとってはなんとも幸せなタイムテーブルである。向かいのステージに登場したのはハナレグミ。この人には野外ライブが本当に似合うし、GREENROOMのようなピースフルなフェスにはまさにピッタリなのである。新曲「深呼吸」はライブ初披露となったが、海のすぐそばの夕暮れ時というロケーションも手伝って、歌がより心に沁みた。

続いて、昨年同じ場所で行われたBluenote Jazz Festivalで初来日し話題をさらったhiatus kaiyoteが登場。前回のライブを観た人からは評判がとにかく良く、昨今多くのアーティストがフェイバリットに名を挙げる彼等、サウンドチェックから既に多くのファンが待ち構えていた。ライブの一曲目は新作に収録の「Choose Your Weapon」からスタート。夜がとっぷり暮れてきた頃、雲ひとつない夜空に真っ赤な満月が輝くシチュエーションは彼等のライブをさらに美味しくしてくれる。曲の合間にvo.ネイ・パームが『こんにちわ』『ありがとう』などと日本語を披露すると、観客とステージの距離がより一層狭まる。彼等の名前を世界中に知らしめることになった代表曲「Nakamarra」を披露すると、ますます良い雰囲気に。大トリをつとめるチャカ・カーンを、リスペクトを込めて紹介してステージを締めるあたりは彼等の人柄の良さを感じさせた。

GREENROOM FESTIVAL'16

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2日間にわたって行われたGREENROOM FESTIVALもあっという間に大トリ、とっぷり暮れた横浜の夜にチャカ・カーンが登場した。ひとり、ひとりとステージに登場するバンドメンバーが待ち構える中、スパンコールが散りばめられた輝くミニドレスにニーハイブーツという出で立ちでステージに登場すると、場内からは歓声が上がる。1980年にリリースされた名曲「Do you love what you feel」からスタートすると、生けるソウルの伝説とも言えるチャカの生歌に鳥肌が止まらない。ところで、70年代にソウルの女王として君臨した彼女をポップ・スターに押し上げたのがプリンスのカバーだったという逸話はあまりにも有名だが、逝去したばかりのプリンスに捧げるように「I feel for you」も惜しまず披露してくれた。

チャカは当然としても、バックバンドやコーラス隊のパフォーマンスも素晴らしく、チャカが不在のステージでも気持よく体を揺らすに充分だった。ラストは「Ain't nobody」、全部で9曲を披露し、今年のGREENROOM FESTIVALが終了した。

 

様々なアーティストがステージで口にしていたのは、とにかくこのフェスはロケーションが最高でフェイバリットフェスのひとつである、ということ。オーディエンスにはもちろん、アーティストにまで愛されているこのフェス、筆者も来年も参加することを早々に決意した。 

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