ルノワール作品から学ぶ、パリっ子ファッション着こなし術

コラム
アート
2016.5.31
《ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会》 1876年 油彩/カンヴァス オルセー美術館 ©Musée d’Orsay, Dist. RMN-Grand Palais / Patrice Schmidt / distributed by AMF

《ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会》 1876年 油彩/カンヴァス オルセー美術館 ©Musée d’Orsay, Dist. RMN-Grand Palais / Patrice Schmidt / distributed by AMF

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4月27日(木)から六本木の国立新美術館で開催中の『オルセー美術館・オランジュリー美術館所蔵 ルノワール展』。初来日するルノワールの最高傑作の《ムーラン・ド・ギャレットの舞踏会》 に、45年振りに両作品が揃う《都会のダンス》 と《田舎のダンス》 、と何とも豪華な作品ラインナップとなっている。来場者数が5月19日(木)時点で早くも10万人突破するなど、世間の注目を集めている。

今回は『ルノワール作品から学ぶ、パリっ子ファッション着こなし術』と題し、展覧会でも目玉作品となっている、《ぶらんこ》《都会のダンス》《田舎のダンス》の三作品に描かれた女性達のオシャレをご紹介する。

 

#その① トレンドを追っかけるべし!

《ぶらんこ》 1876年 油彩/カンヴァス オルセー美術館 ©Musée d’Orsay, Dist. RMN-Grand Palais / Patrice Schmidt / distributed by AMF

《ぶらんこ》 1876年 油彩/カンヴァス オルセー美術館 ©Musée d’Orsay, Dist. RMN-Grand Palais / Patrice Schmidt / distributed by AMF

パリ郊外のモンマルトルの「フォリー(貴族たちの郊外の別荘)」にお出かけの日は、リボンの花が「咲いた亅ドレスなら、トレンド感バッチリ。実はこの女性は、《ムーラン・ド・ギャレットの舞踏会》の左の女性と同一人物!リボンのドレスはこの時にも着用されている、パリっ子お気に入りのデザインです★

《ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会》 1876年 油彩/カンヴァス オルセー美術館 ©Musée d’Orsay, Dist. RMN-Grand Palais / Patrice Schmidt / distributed by AMF

《ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会》 1876年 油彩/カンヴァス オルセー美術館 ©Musée d’Orsay, Dist. RMN-Grand Palais / Patrice Schmidt / distributed by AMF

白×青のきれい色コンビに、襟・袖元のたっぷりフリルでロマンチックなコーデの完成。外出の時でも、コルセットでウエストをきゅっと絞って(ホントは苦しいんだけど)キチンと感も忘れずにね。

 

#その② 上質素材×肌見せでイイ女度を上げるべし!

《都会のダンス》 1883年 油彩/カンヴァス オルセー美術館 © RMN-Grand Palais (musée d’Orsay) / Hervé Lewandowski / distributed by AMF

《都会のダンス》 1883年 油彩/カンヴァス オルセー美術館 © RMN-Grand Palais (musée d’Orsay) / Hervé Lewandowski / distributed by AMF

パリ市内のダンスホール(しかもオーケストラ付き!)でダンス。バッチリお洒落でキメたい日は、上質なシルク素材のドレスがマスト。背中を潔く見せるバックデザインで、イイ女度もグーンと上がる。ドレスから手袋を白で統一することで、より洗練された雰囲気に仕上げて。すっきりアップヘアー×控え目な大きさ花飾りで、横顔も抜かりなし★

 

#その③ 小物使いで差をつけるべし!

《田舎のダンス》 1883年 油彩/カンヴァス オルセー美術館 © RMN-Grand Palais (musée d’Orsay) / Hervé Lewandowski / distributed by AMF

《田舎のダンス》 1883年 油彩/カンヴァス オルセー美術館 © RMN-Grand Palais (musée d’Orsay) / Hervé Lewandowski / distributed by AMF

  

検索キーワード上昇中!野外のダンスパーティーに参加♪コットン素材の花柄ドレスに帽子を合わせて「気取らないけどちょっと背伸び」コーデの完成。扇子で和風のテイストを取り入れれば、オシャレ偏差値もアップ。ポイントカラーの赤を、ドレス・帽子・センスの全アイテムに入れることで、コーデに統一感も出るし、白コーデの膨張も防いで◎

スカートの前はボリュームを抑える代わりに、後腰にはりギャザーで膨らませる「バッスルスタイル」でトレンドもバッチリ。

 

#その④ 自分の中身も一緒に磨くべし!

《ぶらんこ》《都会のダンス》《田舎のダンス》の三作品には、百貨店で見つけたお気に入りの一着で、友人や恋人とダンスや旅行を楽しむ活発な女性の姿が印象的だ。普仏戦争やパリコミューン後の19世紀のフランスでは、近代化を象徴する「百貨店」「鉄道」や「蒸気船」の登場で、定価で既製服の購入や、パリから郊外へ気軽に行き来が可能になっていく。「何が欲しい」、「何がしたい」のかを考え、行動する「自分」をもった彼女達は、①から③のオシャレが引き立つし、「中身」も「外見」もどんどん磨かれてとびきり可愛くなっていく…まさに好循環。

逆に、オシャレを育てる「土壌」が豊かでない限り、いくらトレンドの洋服でバッチリトータルコーディネートしても、オシャレの「木」は育ちにくいのだ。それは、ルノワールの生きた時代も、100年以上経った現在にも共通すると思う。

筆者が働くアパレルメーカーに「ファッションは着る人の内面を映す」を体現する先輩女性社員がいる。「私はこうしたいの!!!」と、上司の男性陣に負けることなく(むしろそれ以上に)主張している姿は、眩しい…いや、それを通り越して神々しいレベル。そういう先輩は、洋服・髪型・スタイルと全方面文句なし。だから、中身も外見、どちらの美しさ兼ねそなえた女性の存在は、私含めて周りに問いかけている気がする。

「洋服や、髪型、メイクに手をかけるだけで、それ以上に大事な中身の自分が薄っぺらじゃない?」そんなことにならないように、背筋をシャンと伸ばして、日々精進しなきゃと思うのだ。

 

イベント情報
オルセー美術館・オランジュリー美術館所蔵 ルノワール展

会期:2016年4月27日(水)~ 8月22日(月)
休館日:毎週火曜日 *ただし5月3日(火・祝)、8月16日(火)は開館
開館時間:10時 – 18時 金曜日、8月6日(土)、13日(土)、20日(土)は20時まで *入場は閉館の30分前まで
会場:国立新美術館 企画展示室1E(東京・六本木)
チケット情報:一般・1600円 / 大学生・1200円 / 高校生・800円 *中学生以下無料
主催:国立新美術館、オルセー美術館、オランジュリー美術館、日本経済新聞社
後援:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本
展覧会サイト:http://renoir.exhn.jp/
 

参考文献:
賀川 恭子『ルノワール 光と色彩の画家』、2010年、角川書店
杉全 美帆子『イラストで読む 印象派の画家たち』、2013年、河出書房新社 
​「ルノワール展 オルセー美術館・オランジュリー美術館所蔵|国立新美術館ホームページ:ルノワールとパリとモード(2016/05/21)(http://renoir.exhn.jp/fashion/)
「森耕治 欧州美術史講座 ルノワール『都会のダンス』『田舎のダンス』1883年(2016/05/21)」(http://morikoji.net/blog-entry-3.html)
「サルヴァスタイル美術館 ピエール=オーギュスト・ルノワール(2016/05/21)」
http://www.salvastyle.com/menu_impressionism/renoir.html 

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