名古屋フィルハーモニー交響楽団が大阪に! 音楽監督の小泉和裕とドイツ正統派ピアニスト オピッツが聴かせる『皇帝』

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2016.7.13

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今年50周年を迎えた名古屋フィルハーモニー交響楽団が初めての大阪公演を11月に行う。今回は4月に名フィルの音楽監督に就任した小泉和裕とドイツ正統派の流れをくみ、日本でも人気の高いゲルハルト・オピッツ(ピアノ)と共に得意のベートーヴェン等を披露する。

名古屋フィルハーモニー交響楽団は1966年7月10日の誕生以来、初代音楽監督の岩城宏之を始め、外山雄三、飯守泰次郎、小林研一郎、沼尻竜典、モーシェ・アツモン、ティエリー・フィッシャー、マーティン・ブラビンズなど内外の著名な指揮者と共に歩んできた。親しみやすい楽曲を集めた「市民会館名曲シリーズ」、中規模ホールでの「しらかわシリーズ」、障がいのある方を対象とした「福祉コンサート」、ともに50周年を迎える地元の愛知県立芸術大学の学生と一緒に演奏をする特別演奏会を予定するなど、バラエティに富んだ演奏会を行なっている。

今回の大阪公演では、小泉が共演を強く望んだという盟友オピッツとのベートーヴェンの傑作、『ピアノ協奏曲第5番 皇帝』を聴くことができる。ヴィルヘルム・ケンプに学び、ドイツ正統派の伝統を受け継ぎいだ世界最高のベートーヴェン、ブラームス弾きと言われるオピッツ。日本では「ベートーヴェン・ソナタ全曲演奏会」、「シューベルト連続演奏会」を成功させ、多くのファンを魅了した。試行錯誤を繰り返しながら作曲を続け、新たな技法を多く生み出したベートーヴェン中期の傑作『皇帝』の華やかな始まり方はまさに演奏会に幕開けにふさわしい1曲。それとは対照的な心が洗われるような美しい2楽章にも注目したい。

後半は「若い頃の私にとって、美の理想はベートーヴェンだった」と回想しているバルトーク。そんな彼の名作『管弦楽のための協奏曲』。第二次世界大戦や体調不良によって思うような活動ができなくなり、作曲に対する意欲が低下していたバルトークがアメリカに移住した際に作曲した曲で、随所に民謡風な旋律を聴くことができる。初演時のバルトークによるプログラムノートには「この交響的なオーケストラ曲にこのような題をつけたのは、諸楽器を協奏的及び独創的に使用する傾向からきている」と書かれたという。

聴きごたえのある名フィル初の大阪公演で、地元・大阪のファンを魅了して天下統一なるか!?

プロフィール
小泉和裕
 
Kazuhiro Koizumi (C)Takayuki_Imai

Kazuhiro Koizumi (C)Takayuki_Imai

2016年4月より名フィル音楽監督に就任。
京都生まれ。1969年東京芸術大学指揮科に入学、山田一雄氏に師事。1970年第2回民音指揮者コンクール第1位受賞。
1972年7月、新日本フィル創立に際し、指揮者として参加。同年ベルリンのホッホシューレに入学し、ラーベンシュタイン教授にオペラ指揮法を師事。1973年夏、ボストンのタングルウッド音楽祭に参加し研鑽を積む。
1973年、第3回カラヤン国際指揮者コンクールに第1位入賞。その後ベルリン・フィルを指揮してベルリン・デビューを飾った。
1975年~1979年、新日本フィル音楽監督を務める傍ら、1975年ベルリン・フィル定期演奏会に登場、1976年フランス国立放送管を指揮しルービンシュタイン、ロストロポーヴィチとも協演、同年ザルツブルク音楽祭でウィーン・フィルを指揮、その後もミュンヘン・フィル、バイエルン放送響等、ヨーロッパ各地において精力的な指揮活動を行った。また、アメリカにおいても、1978年ラヴィニア音楽祭でシカゴ交響楽団を指揮し大成功を収めた後、1980年シカゴ響定期公演に登場し注目を集めた。その他、ボストン響、デトロイト響、シンシナティ響、トロント響、モントリオール響などにも客演。
1983年~1989年カナダのウィニペグ響の音楽監督、1986年~1989年東京都交響楽団の指揮者を歴任。ロンドンのロイヤル・フィルには1988年より定期的に招かれ、数々の名演を残すとともにチャイコフスキーの交響曲第4、5、6番のディスクを完成させた。
1989年~1996年九州交響楽団首席指揮者、1992年~1995年大阪センチュリー交響楽団首席客演指揮者、1995年~1998年東京都交響楽団首席指揮者、1998年~2008年東京都交響楽団首席客演指揮者、2003年~2008年大阪センチュリー交響楽団首席指揮者、2008年~2013年東京都交響楽団レジデント・コンダクターおよび日本センチュリー交響楽団(旧・大阪センチュリー響)音楽監督を歴任。
現在、東京都交響楽団終身名誉指揮者、九州交響楽団音楽監督、仙台フィルハーモニー管弦楽団首席客演指揮者、神奈川フィルハーモニー管弦楽団特別客演指揮者。


ゲルハルト・オピッツ
 
Oppitz (C)Concerto_Winderstein

Oppitz (C)Concerto_Winderstein

ドイツ・ピアノ界の正統派を代表する演奏家。
1977年ルービンシュタイン国際コンクール優勝。古典から現代まで幅広いレパートリーを持つが、特にベートーヴェンとブラームスに関しては世界最高の演奏者の一人として高く評価されている。
世界各地の著名なオーケストラ、歴史的な巨匠指揮者たととの共演を重ね、発売されたCDは40枚を超える。
日本では1994年NHKで放映されたベートーヴェン・ソナタの演奏とレッスンが、爆発的人気を呼ぶ。日本での2005-08年「ベートーヴェン・ソナタ全曲演奏会」、2010-13年「シューベルト連続演奏会」は絶賛を浴び、2015年からは「シューマン×ブラームス連続演奏会」をスタートしている。

 

公演情報
名古屋フィルハーモニー交響楽団 創立50周年記念 大阪特別公演

◆日時:2016年11月20日(日)15:00開演
◆会場:ザ・シンフォニーホール
◆料金:S席6,000円 A席5,000円 B席4,000円 C席3,000円 Y席1,000円(24歳以下・当日券のみ)

<出演>
 指揮/小泉和裕
 ピアノ/ゲルハルト・オピッツ
 管弦楽/名古屋フィルハーモニー交響楽団
<曲目>
 ベートーヴェン/ピアノ協奏曲第5番 変ホ長調 作品73『皇帝』
 バルトーク/管弦楽のための協奏曲 Sz.116

◆公式サイト:https://www.nagoya-phil.or.jp/

 
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