八木沼悟志と南條愛乃が語るこれまでとこれから「fripSideがアニソンライブの最先端だと思ってる」

インタビュー
2016.8.3
八木沼悟志(sat)・南條愛乃 撮影=菊池貴裕

八木沼悟志(sat)・南條愛乃 撮影=菊池貴裕

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日本のアニソン界を牽引するアーティストを問われたら必ず名前が出てくるであろうユニットがある。それがfripSideだ。プロデューサーの八木沼悟志(sat)と、『ラブライブ!!』絢瀬絵里役などで活躍する声優・アーティストの南條愛乃が作り出すメロディは、ソリッドでメロディアスである。観客を熱狂させる二人が10月に控えたライブツアーを前にSPICEインタビューに登場。二人の出会いからツアーに対する思いまで大いに語ってもらった。

――SPICE初登場ということなので、改めて、fripSideのことからちょっとお伺いしたいなと思っているんですけども。南條さんが加入されてもう7年なんですね。

八木沼:7年目に入りますね。

――意外と経ってるんですね。

南條:もう……そんなに経ったんですね(笑)。

――ということは、代表曲の一つである「only my railgun」の発売から……?

八木沼:そうですね、「only my railgun」が2009年ですから、7年です。

――僕は南條さんの加入からまだ、3~4年のイメージを持ってました、あくまでイメージなんですが。

南條:そうなんですよねー!

――この7年、いかがでしたか?

南條:やっぱり、最初は私より前にnaoちゃんが歌っていたfripSideがあったので、加入当時は、どこかでそれを気にしているというか、私で本当にいいんだろうかって思っている時期があったんです。

――確かに、初代ボーカルのnaoさんの後を継いでという形でしたしね。

南條:声優としてもまだ3~4年目だったので、両立っていう意味で大丈夫なのか、という不安もありながらの始動だったんですけど、そこから『Decade』というアルバムを出し、ライブでnaoちゃんと一緒にステージに立たせていただいて、そこでずっとfripSideを応援してくれているファンの方から声援をいただいたことで、やっと「fripSideの南條愛乃です」って言うことに抵抗が無くなったというか、名乗って良いんだなって思えましたね。

八木沼:いつでしたっけあれ、えーっと、あれは2012年か。

南條:当時はnaoちゃんがfripSideやってたのが6年あったので、やっぱ大先輩だなぁって思っていたんですけど、いつしかnaoちゃんがやっていた時期っていうのも追いつき……。

八木沼:追い越し、ですね(笑)。

南條:そう、追い越しちゃった(笑)。 いろいろ自分の中でも悩みだったりとか、葛藤もあったりもした7年間でしたけど、振り返ってみるとすごい良い思い出になっていたりとかして、あっという間だなぁ、という感じです。

撮影=菊池貴裕

撮影=菊池貴裕

――fripSide以前と以降って、アニソンのジャンルというか、流れが変わったような気が僕はしていて。速いビートだったり、畳みかけるようなデジタルサウンドだったりとか。それまでが結構ロック調だったものが多かった中で、fripSide以降は速い展開の曲が一気に増えた気がするんですが、音作りという意味で変わってきた部分ってあったりするんでしょうか?

八木沼:まず、naoさんの時っていうのは、僕の中でもある意味迷いの時期でもあったし、いろんな僕の音楽的な素養がある中で、どういうものをピックアップして、どういうものを並べていくのかっていうのを模索してた時期が、naoさんが歌ってくれていた第一期なんです。その頃はゲームソングを担当させてもらう事が多かったんですけれども、結構自由に曲を作らせて貰って、それでもゲームユーザーさんが熱心に応援してくださったんですね。

――そうですね。

八木沼:で、僕の中では南條さんが歌う第二期っていうのが、まず南條愛乃っていうボーカリストありきで、プラス今まで培ってきた音楽性をうまく融合させて、よりパブリックに耐え得る音楽をアニメで展開していこう、というのがメインコンセプトなんです。なので、より多くのお客さんに、より幅の広いリスナーに良いと言っていただける、テストではない、実践としてのfripSideというのが、今南條さんと追及している、現在進行形のfripSideだと思っていますね。

南條愛乃 撮影=菊池貴裕

南條愛乃 撮影=菊池貴裕

――結構いろんなインタビューでも、南條さんの声の貴重さみたいなものを話されていると思うんですが。

八木沼:そうなんですよ、はじめて彼女の歌を聴いたのが、とある曲のデモだったんですけど。曲が声に負けているな、と思ったんです。これ、僕の曲じゃないのであまり大きな声で言えないんですけど(笑)。 もっと活かし方があるのに、活かしきれていないって感じたんです。この話するの、はじめてだけど(笑)。

南條:そうですね(笑)。

八木沼:だから、自分の音楽と合わさった時に、この声だったらナイスマッチングだなっていうところで惚れ込んだのが、南條さんをボーカルに迎えたきっかけですね。

――南條さんとしては、そういう、惚れ込まれ具合に対してはなにか思うところはありますか?

南條:実は最初にオファーをいただいたとき、何回も断ってるんですよ。声優としてもまだ安定していないし、fripSideっていう歴史があるユニットのボーカルっていう、フロントマンとしての役割ができるのか……? いや、できない!みたいな(笑)。

八木沼:僕はね、結構しつこかったですよ。

南條:その当時もう新しいボーカリストを探していた時みたいで、オファーを何回も何回もしていただいて、そんなに言ってくださるんだったら……っていう形で、恐る恐る(笑)。

八木沼:その時って、もう『とある科学の超電磁砲』の作品タイアップが決まっていたんですよ。そういう状況もあるといえばあるんですけど、プラス何て言うのかな、僕もね、逆の立場だったら前任のボーカリストがいて、ファンもついている。そこに後から入るのなんて凄いプレッシャーですよ。でも、そこを覆せる人じゃなかったら誘ってないんですよ。この人だったらできるんじゃないかなっていう予感があったんです。良かったです、お声をかけて(笑)。

――fripSideの2人が揃った時だからこそ出るようなグルーヴ感みたいなものを、すごく感じるんです。うまく言葉にはできないんですけど、消え入りそうでも絶対に消え入らないようなギリギリのラインを攻めるようなボーカルや、曲を作っている印象があって。

八木沼:嬉しいですね。

――最初に「only my railgun」が出たときって衝撃的で、作品とのマッチングも素晴らしかったんですよね。僕は曲によって作品のバリューが上がることって全然あると思ってて、それの筆頭格の一個なんじゃないか思っているんです。

南條:ありがとうございます!

撮影=菊池貴裕

撮影=菊池貴裕

――南條さんは、ソロで曲を歌う時と、心構えっていう部分が違ったりするんでしょうか?

南條:自分で変えようって思ってやってるわけじゃないんですけど、実際はやっぱり違いますね。fripSideの現場がある時はfripSideモード、というのがあったりします。うーん、うまく言葉に出来ないんですけど、違いますね。

――八木沼さんはどうでしょうか? やっぱり違いますか?

八木沼:違いますね。僕はね、南條さんとfripSideやっている時が一番緊張しますよ!(笑)。 ここは僕らのホームなんだけど、よその現場ではもう少し、なんでもおおらかにやっちゃうんですよ。曲作りもそうなんですけど。「今日はfripSide!」っていう時は朝からやっぱり気合入れて来る。

南條:私は逆で、超気楽ですね(笑)。 曲は気楽に歌えるような曲ではないんですけども、やっぱsatさんが作る楽曲って、自然とsatさんが作る世界観になっているので、私はそこに乗っかっていけばいいというのがあるんです。そういう意味ではすごい気持ち的には楽なんですよね。

――お互いの責任のモチベーションが違うんですね。

南條:乗っかっていけば間違いなくfripSideの曲になっていくんですよ。今日はfripSideだっていう気持ちを出せばいいだけなので。だからライブもソロの時とは比べ物にならないような大きいところでいっぱいやらせてもらったりとか、海外とかでもやらせてもらったりしてますけど、「どうしよう緊張しちゃう!」っていうのはあまり無いんですよね。

八木沼:そう言われたら俺も緊張っていうのは違うのかもな……? 思い入れの強さというのかな、ライブでも僕一回も緊張っていうのはしたことなくて。おおらかにやってますね。

――良い相乗効果がお互いにあるんでしょうね。

八木沼:そうかもしれないですね。

南條:あとあれなんですよ! 関係ないかもしれないですけど、ガンダム占いで私がガンダムで。

八木沼:僕ジオングなんですよ。

――おおっ!

南條:両トップが……(笑)。

八木沼:まぁジオングは負けるんですけどね、最終的には(笑)。

南條:ガンダムも頭とれますけどね(笑)。

――モビルスーツ的には相討ちですからね。

南條:だからfripSideは良いエネルギーなんですよ!(笑)。 

八木沼悟志(sat) 撮影=菊池貴裕

八木沼悟志(sat) 撮影=菊池貴裕

 

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