日本初上陸のアートイベント『ART BATTLES』　５度の優勝を誇るアーティスト・PESU-ARTが待望の日本開催によせる想いを語る

ニューヨーク発のアートイベント『ART BATTLES』が日本に初上陸する。『ART BATTLES』は、複数のアーティストが、お題に沿った作品を制限時間内で⼀⻫に制作し、そのパフォーマンスを競うイベントだ。アーティストたちによるライブ感溢れる戦いっぷりが話題を呼び、アメリカに加え、イギリスやフランス、スペインなど世界中で開催されてきた。

そんな『ART BATTLES』で、5度の優勝を勝ち取った日本人がいる。ニューヨーク在住のアーティスト・PESU-ARTだ。彼は、今年日本で開催される『ART BATTLES TOKYO』にて審査員を務めることが決まっている。「10年越しで実現した」という待望の日本開催にかける想いとは。また世界中で戦ってきた彼だからこそわかる、本イベントが持つ唯一無二の魅力とは。『ART BATTLES』を知り尽くした彼に、存分に語ってもらった。

 

――今回初めて『ART BATTLES』が日本で実施されます。まずは日本公演への率直な思いを教えてください。

めちゃくちゃ嬉しいですね。「遂に！」という感じです。僕が『ART BATTLES』に初めて参加し優勝したのが2005年で、それから『ART BATTLES』を作ったSean Bonoと日本でも開催したいとずっと話をしていたんですが、タイミングが合わずに10年かかってしまい……。

――10年もですか。

はい。でも、その10年間で『ART BATTLES』に似たイベントが日本でも何回か開催されていて、「うわーパクられてるなー」と見ていたのですが、結局あまり続いてないようで。本場ニューヨークの『ART BATTLES』が上陸するには、今が最高なタイミングだと思っています。今回の『ART BATTLES TOKYO』をきっかけに、日本でアートをもっと身近に感じられるような、そしてアーティストにとっては登竜門になるようなイベントにしていきたいですね。

――『ART BATTLES』の独自性や、他のアートイベントにないユニークな点とはなんだと考えられていますでしょうか？

ニューヨークという街は世界中から成功を目指している人達が集まって来ている街で、毎日みんな競い合いの中で生活しています。そして、時間の流れがとても早いです。ゆっくり時間をかけて絵を描けば誰でも良い絵を描く事ができますが、短時間で良い絵を仕上げてビジネスにするというのがニューヨークスタイルなんです。『ART BATTLES』はニューヨークで生まれるべくして生まれたイベントだと思います。

――なるほど。

何より、時間制限も無くただライブペイントするより、戦う相手がいるとアーティストも高め合いになるし、お客さんも観ていて面白くなります。スポーツでもなんでも、勝ち負けがあるから面白いし、ドラマが生まれるんですよね。やはり「バトルする」ということが、他のイベントに無いユニークな点ではないでしょうか。

――そんな『ART BATTLES』に出場するアーティストたちに期待することはありますか？

「自分は生きてる中で生きてる！」ということを表現し、証明して欲しいですね。きっと素晴らしいアートが生まれると思うので楽しみにしています。

「LIFE IS ART」が自分の座右の銘なのですが、アーティストは生き様全てが正直にキャンバスに表現されると思っています。それぞれのアーティストの人生の表現を感じて欲しいし、応援して欲しいですね。それと、面白い事をしてくれるアーティストさんにも期待して欲しいです。自分は過去に、描いている途中でキャンバスをひっくり返したり、完成した絵を塗り潰して違う絵にしたりしました。自分の人生の表現とアイディア勝負だと思っていますので、見た事もないアイディアも出てくるんじゃないかと期待しています。そういった所が、楽しみ方と見どころではないでしょうか。

――最後に日本のアートファンへ、メッセージをお願いいたします。

『ART BATTLES』は世界７カ国で開催されていて、世界中で盛り上がってきているイベントです。絵に自信がある方は奮ってエントリーして欲しいですし、絵に興味のある方は是非、見に来ていただきたいですね。そして、新しく好きなアーティストを発掘してアーティストを応援していただき、日本のアートシーンを盛り上げる一員になっていただきたいです。