市川笑也が軽妙に語る「氷艶 hyoen 2017」上演記念『破沙羅』 女方への変身 レポート

レポート
舞台
2017.4.4
市川笑也

市川笑也

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5月に国立代々木競技場第一体育館で行われる歌舞伎とフィギュアスケートのコラボレーション「氷艶 hyoen 2017」『破沙羅』の特別イベントとして企画された「『破沙羅』女方への変身」。悪のヒロイン岩長姫を演じる市川笑也が、氷艶の公演に向けての取り組みや想いを軽妙に語った後、約140人の観客の前であでやかな娘姿に変身した。3月25日(15:30、18:30)のみの限定イベントの様子をお伝えする。

イベントで語る市川笑也

イベントで語る市川笑也

イベントの前半は、『破沙羅』の脚本を担当する松竹の戸部和久を聞き手に、笑也のトークショーが行われた。笑也が実際に着用する衣裳を見せながら「この裾の長い衣裳のまま滑るんですね……え、そんなバサラ!(笑)」と笑いを誘うと会場はあたたかい雰囲気に包まれた。さらに、裾が長く転倒の恐れがあるためバックスケーティングができないという裏話を披露すると、「前進あるのみです。肉食系岩長姫!(笑)」と楽しそうに話す。

強豪校・八戸工業大学第一高校(青森県)でアイスホッケーをやっていた笑也だが、「みんな気合入っていますからね。歌舞伎勢は昨日まで4日間連続でリンクを貸し切って毎日3時間滑ってました。ちょっと筋肉痛です(笑)」。

岩長姫の衣裳(中央)について語る市川笑也(右)

岩長姫の衣裳(中央)について語る市川笑也(右)

『破沙羅』の舞台は、遥か遠く昔の神話の時代の日本。瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)が木花開耶姫(コノハナサクヤヒメ)と恋に落ちるも、2人を妬んだ木花開耶姫の姉・岩長姫(イワナガヒメ)が、歌舞伎の世界の大敵役である仁木弾正(ニッキダンジョウ)を呼び出す。一方、瓊々杵尊のもとで猿田彦(サルタヒコ)が、英雄である源義経を呼び出して……と歌舞伎の世界では同じ舞台に立つことのない、善と悪のキャラクターが時代すらも飛び越えて戦うという物語だ。

イベントで語る市川笑也

イベントで語る市川笑也

戸部は「歌舞伎のヒーローである源義経と、仁木弾正を氷上で戦わせたいという荒唐無稽な話でして。歌舞伎俳優とフィギュアスケーターが同じ場面で同じ土俵の同じ舞台に立って絡んでいくというのが見せ場かなと思います。とにかく絶対に見たことがないことが目の前で起きます。世界で初めてのことが目の前で起きます。それだけは自信を持って言えます」と解説。

笑也は「(市川)染五郎さんからのお願いがすごいんです。笑也さんこれできる〜?って(笑)。楽しみにしていてください。フィギュアの優雅さと歌舞伎の荒々しさや様式美、そして、スケートのスピード感溢れる立ち廻りは、ものすごい見応えがあると思われます。決して損はさせません!」。

イベントの後半では、笑也が女方の化粧をして、博多座『二月花形歌舞伎』で着用した衣裳を身につけてゆく過程を披露。笑也は化粧のコツや女方の所作なども軽妙に解説、観客たちは興味深そうに“変身”の様子を眺めていた。

①白粉を塗る

①白粉を塗る

②目元・眉・唇・頬などを描いていく

②目元・眉・唇・頬などを描いていく

③衣裳の着付け

③衣裳の着付け

④娘の姿へ変身

④娘の姿へ変身

 
取材・文・撮影=五月女菜穂

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公演情報
「氷艶 hyoen2017」『破沙羅(バサラ)』
 
「氷艶 hyoen2017」『破沙羅(バサラ)』 (C)松竹株式会社

「氷艶 hyoen2017」『破沙羅(バサラ)』 (C)松竹株式会社


■日時:2017年5月20日(土)~22日(月)※各日2公演
■会場:国立代々木競技場第一体育館
■出演:市川染五郎、高橋大輔、荒川静香、市川笑也、中村亀鶴、澤村宗之助、大谷廣太郎、鈴木明子、織田信成、浅田舞 他 ※高橋大輔の「高」は「はしごだか」が正式
■公式サイト:http://hyoen.jp/

 
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