『アートフェア東京2019』がいよいよ開幕! 入場無料・ロビーギャラリーの見どころをレポート

レポート
アート
2019.3.7
『アートフェア東京2019』ロビーギャラリー

『アートフェア東京2019』ロビーギャラリー

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2019年3月8日(金)~10日(日)にかけて一般開催される、日本最大級の国際的なアート見本市『アートフェア東京2019』。今年で14回目となる『アートフェア東京』では、「Art  Life」をテーマに、これまで以上に幅広い企画を展開している。東京国際フォーラムのホールEで開催されるメインイベント「Galleries」はもちろんのこと、入場無料のロビーギャラリーで催されている4つのイベントにも注目だ。7日に実施されたプレスビューより、ロビーギャラリーの見どころをいち早くレポートしよう。

各国代表アーティスト31名が参加する展覧会『World Art Tokyo』

『World Art Tokyo』会場風景

『World Art Tokyo』会場風景

まず紹介するのは、駐日大使推薦により選ばれた、各国代表アーティスト31名が参加する国際展『World Art Tokyo 2019』。本展は、多様な文化的背景や世界情勢の中で活躍している各国アーティストに表現の場を提供することを目的として、昨年より新設となった。9カ国の参加により開催した初回に続き、第2回目となる本展は、31カ国の新進気鋭のアーティストが参加している。

『World Art Tokyo』会場風景

『World Art Tokyo』会場風景

今回のテーマは、「Vibrant Planet -If the world is our vibration-」。複雑に絡み合う世界の中で、歴史、地理、アイデンティティをもう一度問い直すきっかけを生み出し、それらの「Vibration(振動)」を東京から世界に響き渡らせようという意図が込められている。

メキシコ代表作家 フアン・カルロス・ピント

メキシコ代表作家 フアン・カルロス・ピント

日本に縁のある作品も多数展示されているということで、プレスツアーでは、流暢な日本語で挨拶するアーティストの姿も見られた。また、絵画や立体作品、インスタレーションなど、多種多様な作品には使用されている素材も様々だが、それらは各アーティストのバックグラウンドに関係しているものが多いという。たとえば、ニュージーランド代表作家は、出自を置くアボリジニに縁のある土を作品に使用。マケドニア代表やパラグアイ代表も、自国の伝統的なレースや刺繍を作品のモチーフに取り入れている。

『World Art Tokyo』会場風景

『World Art Tokyo』会場風景

全国19大学の芸術を志す学生アーティスト・キュレーターが創り上げる、
展覧会『Future Artists Tokyo』

『Future Artists Tokyo』会場風景

『Future Artists Tokyo』会場風景

続くセクションでは、芸術を志す学生アーティスト・キュレーターによる展覧会『Future Artists Tokyo』が、昨年に引き続き開催されている。6大学が参加した昨年の展示に続き、第2回目となる本展では、全国12都道府県から19大学38名のアーティストと、アートプロデュースを学ぶ7名の学生が参加。作品数はもちろんのこと、大型作品も多いということで、先ほどの『World Art Tokyo』よりも、さらに濃密な展示空間が広がっている。

『Future Artists Tokyo』会場風景

『Future Artists Tokyo』会場風景

渡邉彩乃《為る(ナ)》

渡邉彩乃《為る(ナ)》

今年のテーマ「EЯLection of Anonymous」は、匿名のハッカー集団「アノニマス」による「選挙」、そして「感覚的な興奮状態」を意味している。本展では、「顔がない(描かれていない)作品」がとても多く見られた。そうした現代ならではの“匿名性”が、若い学生たちの作品にも色濃く現れているのだろう。

五月女かおる《曖昧な犬 -the dog series-》

五月女かおる《曖昧な犬 -the dog series-》

会期前半は立体作品の作家、後半は平面作品の作家が基本的に在廊しているほか、キュレーターも交代制で常に在廊予定とのこと。質問も大歓迎だそうなので、ぜひ直接若い才能に触れてみてほしい。

松本千里《imagine the crowd》

松本千里《imagine the crowd》

秋元央嗣《Writting stories》

秋元央嗣《Writting stories》

百貨店や地方工芸団体など、バラエティに富んだブースが集まる
「Crossing」

「Crossing」風景

「Crossing」風景

今年から新設となったのが、ギャラリーや美術商だけでなく、日本のアートシーンを語る上で欠かせない分野の出店者が集まる「Crossing」だ。日本を代表する百貨店の企画ブースや、数百年の伝統と日本各地の文化を今に伝える地方工芸団体など、バラエティに富んだブースが集っている。

「三越」ブース

「三越」ブース

「studio COOCA」ブース

「studio COOCA」ブース

「金沢市工芸協会」ブース

「金沢市工芸協会」ブース

香川県漆芸研究所

香川県漆芸研究所

これからのアートシーンを担う「Projects」

「Projects」風景

「Projects」風景

最後に紹介するのが、これからのアートシーンで注目すべきギャラリーが1ブースにつき1アーティストの個展形式で発表する「Projects」。全12軒のうち、半数のギャラリーが初出展となっている。現代性、身体性、技巧性などの特色が強く感じられる作品や、折り鶴やテラコッタ、レーザーカットステンシルといったユニークな素材を使用した作品など、多彩なアート表現に触れられる。これからの日本のアートシーンを担っていくギャラリーとアーティストの作り出す展示空間を堪能してほしい。

「COMBINE/BAMI gallery」ブース

「COMBINE/BAMI gallery」ブース

「Takashi Somemiya Gallery」ブース

「Takashi Somemiya Gallery」ブース

「TAV GALLERY」ブース

「TAV GALLERY」ブース

「四季彩舎」ブース

「四季彩舎」ブース

ロビーギャラリーを彩る4つのセクションは、入場無料とはいえ、すべてが見どころ満載だ。こちらのロビーギャラリーだけでも十分に見応えがあるので、メイン会場「Galleries」を訪れる際には、ぜひ立ち寄ってみてほしい。

イベント情報

アートフェア東京2019
開催日程:2019年3月7日(木)〜3月10日(日)
4日間 (最終入場は各日終了30分前)(※3月7日は招待制)
会場:東京国際フォーラム ホールE(東京都千代田区丸の内3-5-1)
ホームページ:http://artfairtokyo.com
 
【出展数】
160軒(国内145軒、海外15軒) (「Galleries」138軒、「Crossing」10軒、「Projects」12軒)
【初出展】
「Galleries」(13軒)
104GALERIE/DKARTE GALLERY/ガレリア・グラフィカ/銀座一穂堂/古美術 鐘ヶ江 Japanese Sculpture
Next 100 years project/ロムドシン/Gallery NAO MASAKI/オリエント考古美術・太陽/Christine Park Gallery
s+arts/提物屋 SAGEMONOYA/現代美術 艸居 / コレクション・ギャラリー/Tsubakiyama Gallery
「Crossing」(3軒)
香川県漆芸研究所/金沢クラフトビジネス創造機構/株式会社よしもとアートエンタテインメント
「Projects」(6軒)
Wooly & CLEAR/ex-chamber museum/JINEN GALLERY/木之庄企畫/Maki Fine Arts/TAV GALLERY
【参加都市】
国内:17都市
岐阜、京都、金沢、軽井沢、高崎、高松、札幌、神戸、川口、大阪、東京、藤沢、奈良、富山、福岡、平塚、名古屋
海外:12都市
シンガポール、ソウル、テグ、ニューヨーク、パリ、ボゴタ、マニラ、ロンドン、香港、太原(中国)、台北、北京
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