『ラウル・デュフィ展 絵画とテキスタイル・デザイン』 優れた絵画作品やデザイン原画、華麗なドレスなど152点を展示
《ニースの窓辺》 1928年 油彩/キャンバス 島根県立美術館蔵
『ラウル・デュフィ展 絵画とテキスタイル・デザイン』が、2019年10月5日(土)〜12月15日(日)まで、東京・東新橋のパナソニック汐留美術館にて開催される。
華やかで明るい色彩と軽妙な筆致の作品で、現代でも多くの人々を惹きつける画家ラウル・デュフィ(1877-1953)。
本展では、モダンで優美な絵画と、モードの帝王ポール・ポワレ(1879-1944)が使用した絹織物を含む、デュフィのテキスタイル・デザイン関連作品及び資料全152点を一堂に展示する。
《公式レセプション》 1942年 油彩/キャンバス 大谷コレクション
陽光があふれる穏やかな南仏の海と活気ある室内を描いた《ニースの窓辺》をはじめ、音楽や社交をテーマとした油彩画など、生きる喜びに満ちた作品を描いたデュフィは、絵画制作に加えて、リヨンの絹織物製造業ビアンキーニ=フェリエ社のために1912年から28年までテキスタイルのデザインを提供していた。デュフィによる鮮やかな色彩と大胆なモチーフの布地は、上流階級の女性たちを魅了し大評判となる。会場ではビアンキーニ=フェリエ社のアーカイブを引き継いだデュフィ・ビアンキーニから出品されるデザイン原画や下絵、オリジナルテキスタイル、プリント生地の為の試し刷りに加え復刻生産されたテキスタイルによる衣装作品などを紹介する。
絵画とテキスタイル・デザインというふたつの表現媒体を軽やかに越境しながら生み出された作品群を展観し、画家が目指した表現の本質と、デュフィの作品に付随する装飾性の意義に迫る。
初期から晩年までのデュフィの優れた絵画作品
《黄色いコンソール》 1949年頃 油彩/キャンバス 大谷コレクション
美術学校時代の優品《グラン・ブルヴァールのカーニヴァル》から晩年の《花束》まで、代表的な作例が16点出品。まばゆい海、窓や画中画の効果が印象的な室内、そして《黄色いコンソール》をはじめとする一連の音楽をテーマにした絵画など、国内の貴重なコレクションによってデュフィの画業の足跡を展観する。
デュフィのテキスタイル・デザイン関連作品と資料が多数出品
《オルフェウスの行列》 1913年 絹織物 デュフィ・ビアンキーニ蔵
デュフィがビアンキーニ=フェリエ社のために手がけた布地のデザイン原画や下絵、当時のオリジナルの絹織物、版木や見本帳など116点を展示。ポール・ポワレの衣装にも使用された生地《貝殻と海の馬》や、《象〔デザイン原画〕》などの作品に注目だ。
《貝殻と海の馬》 1922-24年頃 金銀糸の入った錦 デュフィ・ビアンキーニ蔵
《夏〔デザイン原画〕》 1925年 グワッシュ/紙 デュフィ・ビアンキーニ蔵
デュフィ・デザインのテキスタイルを使用した衣装作品20点
イヴニング・コート《ペルシア》 ドレス・デザイン原案 ポール・ポワレ(1911年)制作 モンジ・ギバン 2007年 絹 デュフィ・ビアンキーニ蔵
ポール・ポワレ原案のドレスをモンジ・ギバンが現代的に解釈して制作した衣装や、クリスチャン・ラクロワやオリヴィエ・ラピドスがデュフィ・デザインの布地を使用して生み出したあでやかなドレス、英国の舞台衣装デザイナー、アンソニー・パウエルによる「マイ・フェア・レディ」の衣装など華麗なドレスが登場する。