モノトーンでポップな作品を描くイラストレーター・Chocomoo(チョコムー)過去最大規模の個展『Chocomoo EXHIBITION -OUR SECRET PARTY- Supported by WITH HARAJUKU』開幕レポート
『Chocomoo EXHIBITION -OUR SECRET PARTY- Supported by WITH HARAJUKU』
モノトーンで独創的な世界を描き出すChocomoo(チョコムー)の個展『Chocomoo EXHIBITION -OUR SECRET PARTY- Supported by WITH HARAJUKU』(会期:〜2020年9月28日)が、原宿駅前の新複合施設・WITH HARAJUKU HALLにて開催中だ。
内覧会に登場したChocomoo。「会場内は広く換気も行き届いているので、見ていただきやすいと思います。9割くらい新作なのでゆっくり見ていってください」 (写真=オフィシャル提供)
左:《YOU&ME》2020年
イタリアの自動車メーカー「FIAT(フィアット)」の特別仕様車や、森永製菓「DARS(ダース)」のパッケージデザインなど数々の企業とのコラボレーションをはじめ、アーティストのEXILEやAIにも作品を提供してきたChocomoo。ポップで可愛らしい作風が人気を集め、国内外でも幅広く活躍中の彼女だが、都内での個展は約3年ぶり。全73点の出品作のうち9割が新作となる本展は、過去最大規模の展覧会になるという。
左から:《SEE YOU SOON》2020年、《YOU MADE MY DAY》2020年、《AWESOME》2019年
会場付近にはフォトスポットも!
会場には、イラストを描いたヤマハストリートピアノ《LovePiano5号機》を設置。来場者は自由に演奏を楽しむことができる。心が弾むような明るい作品が集う空間より、見どころをお伝えしよう。
内覧会にはピアニストYouTuberのよみぃも来場。右:ヤマハストリートピアノ《LovePiano5号機》2020年
代表作や未公開作品を一挙公開!
会場の壁面には、細かなモチーフを描き込んだ総柄のような作風を特徴とするChocomooの代表的な作品が展示される。「Don’t Touch君」と名付けられたハート型のオリジナルキャラクターをはじめとしたポップなイラストの数々に、“YOU MADE MY DAY”、“LIFE IS GOOD”などのシンプルなメッセージが、鑑賞者の気分を明るくさせてくれる。
展示風景
左:《BUSY》2019年、右:《LIFE IS GOOD》2020年
左:《I HATE YOU》2018年、右:《EVERYTHING IS GOOD》2020年
会場内は、海外展に出品した過去作や、写真家のBobby Grossman(ボビー・グロスマン)とのコラボレーション作品など、大きく4つのカテゴリーに分けられた展示で構成される。各カテゴリーには「THAT’S A PARTY」「DAIRY OF A MOMENT」「MUSIC OF LOVE」といったタイトルが付けられている。
右:《YOU》2019年
「THAT’S A PARTY」のセクションでは、2009年に韓国で催された個展の出品作を展示。韓国で初めて行う個展であったことから「来場者が笑顔になってほしい」という想いが届くよう、ダイレクトに伝えたい言葉を作品に込めたという。株式会社サンライズプロモーション東京・後藤由紀夫氏は「作品内に使われている言葉はどれも前向きなものが多く、『すべてうまくいく』、『好きなことをすればいい』など、勇気付けるようなメッセージを入れているのが特徴です」と解説した。
右:《SUPER》2019年
写真家・ボビー・グロスマンとのコラボレーション作品を展示したセクションには、合計7点を出品。2014年と2019年の2回にわたって制作されたもので、日本初公開となる。ボビー・グロスマンと親交の深かったアンディ・ウォーホルやジャン=ミシェル・バスキアなど著名なアーティストのポートレートに、Chocomooが直接イラストを描き込んでいる。ポップアーティストのウォーホルにはキャンベル缶、映画監督のジョン・ウォーターズにはフラミンゴのイラストなど、被写体のイメージに合うモチーフが描かれているので、ぜひチェックしてほしい。
全作品に共通する音楽性と、新たな作風へのチャレンジ
創作時やリラックスしたいときなどは、必ず音楽を聴いているというChocomoo。「MUSIC OF LOVE」と題したセクションでは、音楽の多様性を表現した作品を展示。《MUSIC IS LOVE》には、作家自身が影響を受けた音楽のレコードジャケットが描かれている。
左:《MUSIC IS LOVE》2020年
作品に見られる流れるような曲線の表現もまた、創作時に音楽を聴いていることが影響していると話すのは後藤氏。「みんなが歌っていたり踊っていたりするようなイメージが作品全般にあらわれている。“Music is Love”は、Chocomooの全作品に共通している深いテーマです」
左:《LOVE BELIEVER》2020年
左:《FREE》2020年、右:《MUSIC》2020年
「DIARY OF A MOMENT」のセクションには、本展の開催にあたり、これまでにない新たなシリーズを開拓するという目的で制作した作品が揃う。例えば《OUR DINER》では、モチーフを散りばめた総柄のような作風ではなく、具体的なイメージを持って画面がデザインされている。
左:《OUR DINER》2020年
本作についてChocomooは「色々な写真を参考にしつつ、自分が行きたいと思うような内装を自身で考えています。これまでに見た風景の記憶を鮮明に思い出しながら、その場でアレンジをしつつ、空気感やその時感じた雰囲気が伝わるような作品づくりを心がけました」と話す。さらに、白黒の作品だけでなく背景にカラーを取り入れたものなど、新たな作風に挑んだイラストにも注目したい。
右:《SEIZE THE DAYS》2020年、中央:《BEAUTY》2020年
ライブペインティングに、ピアニストYouTuberよみぃ氏による演奏も披露
内覧会当日はChocomooによるライブペインティングが行われた。《LIVE PAINT》は会期中に作家が加筆を重ねて作品を完成させる予定とのこと。
《LIVE PAINT》2020年
ライブペインティング中のChocomoo。黒いマジック一本で、次々と愛らしいモチーフを生み出していく姿が印象的。
ライブペインティング終了後
特にお気に入りの作品として挙げた《THANK YOU》は会場内で最も大きな作品で、コロナ禍の自粛期間中に制作したものだと語る。「本作は、医療関係者の方など前線で働く人々に感謝の気持ちを伝えたいという想いで制作しました。彼らへのお礼に、フリーの音楽パーティーが開催されるというイメージで、イベントを告知するポスターを作品内に入れています。ほかにも地球や木の絵などを描き、今の世界の状況を反映したものになっていると思います」
Chocomooのお気に入りの作品は《THANK YOU》2020年
同日には、YouTubeチャンネル登録者数108万人、動画総再生数3.2億回を超えるピアニストYouTuberよみぃによる演奏パフォーマンスも行われた。《LovePiano5号機》は、Chocomooがイラストを描いたヤマハのストリートピアノ。《LovePiano5号機》は8月23日(日)まで自由に弾けるとのことなので、ぜひ一度試してみてはいかがだろうか。
演奏中のよみぃ
会場では、多種多様なオリジナルグッズも販売中。マスクやモバイルファンに折り畳み傘など、実用的なグッズ展開も見逃せない。
オリジナルグッズの販売も多数!
『Chocomoo EXHIBITION -OUR SECRET PARTY- Supported by WITH HARAJUKU』は2020年9月28日(月)まで。ポジティブで生き生きとしたエネルギーが溢れる会場に、ぜひ足を運んでみてほしい。
《WE》2020年 (写真=オフィシャル提供)
文・撮影=田中未来 写真(一部)=オフィシャル提供
展覧会情報
Supported by WITH HARAJUKU
日時:2020年8月13日(木)~9月28日(月)10:00~19:00
※入場は閉館の30分前まで
※会期中無休
会場:WITH HARAJUKU HALL(東京都渋谷区神宮前1丁目14番30号 WITH HARAJUKU3階)
日時指定料金:一般1,200円 / 高校生・専門学生・大学生1,000円 / 中学生800円(すべて税込)
公式HP:https://chocomoo-exhibition.com/