シンセ番長・齋藤久師が送る愛と狂気の大人気コラム・第八十三沼 『男が男にモテモテ沼!(後編)』

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2020.11.12

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「welcome to THE沼!」

沼。

皆さんはこの言葉にどのようなイメージをお持ちだろうか?

私の中の沼といえば、足を取られたら、底なしの泥の深みへゆっくりとゆっくりと引きずり込まれ、抵抗すればするほど強く深くなすすべもなく、息をしたまま意識を抹消されるという恐怖のイメージだ。

一方、ある物事に心奪われ、取り憑かれたようにはまり込み、その世界にどっぷりと溺れること

という言葉で比喩される。

底なしの「収集」が愛と快感というある種の麻痺を伴い増幅する。

これは病か苦行か、あるいは究極の癒しなのか。

毒のスパイスをたっぷり含んだあらゆる世界の「沼」をご紹介しよう。

シンセ番長・齋藤久師が送る愛と狂気の大人気コラム・第八十三沼 『男が男にモテモテ沼!(後編

前号で登場した日本で1番大きな広告代理店「便通(BENTSU)」の井松郎太氏とは、その後も急激に連絡を取り合う仲に。ハッキリ言って毎日のように連絡を交わしている。

フィールドの状態や釣果などをこまめに共有しているのだ。

さらには先日彼の出演したラジオでも、2人で行った釣りの状況が語られた程だ。

前号の井松物語はこちらから↓

https://spice.eplus.jp/articles/277638

そして、さすが便通。私の手を煩わせないためか、はたまた自分だけ美味しい思いをしようとしたのか、先日一緒に行った秘密の野池にソロで密かに行っていたのだ!!!!

そして、いきなりメッセージと一緒に下記の写真が送られてきた。

ウソだ。これは絶対ウソだ。私は知っている。彼が仕事中に度々 水辺に足を運んでいる事を。

仕事のついでに釣りをしたのではなく、釣りのついでに仕事をしたんではないのか!コラ!

しかし、釣果はすごかった。

この寒い時期に入って1時間半で4フィッシュはすごいよ。

しかも、我々が「ヌシ」だと思っていたのが「ニゴイ」だったとは...........。

さて、今回はまたまた私のモテモテ話を大自慢するので、是非正座をして読むように。

本当にモテている。相変わらず男からだけど。

先日、音楽家の子安喜隆くん、そして彼の小さなお嬢さんと我々SAITO家でNU VILLAGE(ニューヴィレッジ)という野外イベントに出かけた時の話だ。

NU VILLAGE(ニューヴィレッジ)は、毎年行われている素晴らしい屋外パーティーだが、今年はコロナ禍を受け、シンプルに行ったとオーガナイザーの奈良 龍馬くんが語っていた。

彼の言葉通り、ただ集まるキャンプ場の住所だけ知らされるという、なんともドキドキのイベントだったが、山梨の現場に到着した瞬間に一気にその緊張感が抜けていった。

平地の多い都会では絶対味わえない「本物の山」や、大自然が生み出す「飲める川の水」

思わず二泊三日の予定を1週間くらいに伸ばそうと思った程だ。

 

私はご存知の通り、ブラックバス釣りが趣味であるが、高い山の渓流にそんな魚など居ない。

居ないのはわかっているのに、全ての釣り道具を持ってイベントに参加した。だってやってみないとわからないじゃん。

現場は子供達も安全に遊べる、わきあいあいとしたとてもいい雰囲気。

 

焚き火をしながら、いろんなものを焼いて食べた。

ご近所さん(ここはNU VILLAGEってくらいだから村なんだよ)からお裾分けをいただき、お返しに飲み物を一杯など、本来の「村」の生活が一瞬にして築き上げられていた。

私は子供達と渓流の安全なところで水遊びをしながらも、「夜中になったら、釣りに行こう」と密かに考えていた。

 

山の日没は早い。

所々でテントわきのランタンが光り、とてもロマンチックな光景が広がる中、子供達が就寝。そして子安くんと妻も就寝。

「今だっ!」

私は寝床をそっと抜け出し、深夜二時を回った頃、車に積んであったビザールなルアーと竿を持ち出し、忍者のように闇夜に消えていった。

あたりのテントも消灯し、ポツリポツリと小さなランタンが光っているだけだ。

そして、私はブラックバスがいるわけも無い上流を目指し、足音を消しながら進んで行った。

すると、キャンプサイトの1番上流に、まだ盛り上がっている集団が..................。

ひっそりと隠れて通り過ぎようと思ったが、彼らがテントを張っている場所がまさに動線ド真ん中!

深夜の2時に全身黒づくめの大男が見たことも無い釣り竿を持ってニョキっと暗闇から現れたもんだから一同騒然!

と思いきや「まあまあ、こっちにきて一杯やりましょうよ!」と来たw

出た!NU VILLAGE!良い奴ばっかりw

その5〜6人のグループのリーダー的存在の「いしはら あつし(48)」通称「あっちゃん」が、

あまりにも異様な私の釣り道具に食いついてきた。

っていうか、全員食いついてきた。

そう。そのグループは渓流釣りのプロ集団だったのだ!!!

あろうことか、ブラックバスでは無く、渓流釣りのアングラー達を釣ってしまった。というか私が釣られてしまったのだ。

渓流釣りと言えばフライフィッシング。全てのフィッシャーマンの憧れのスタイルだ。

しかも、彼らはNU VILLAGEで集まったイベント中に渓流で釣った魚を食べてる!

一方、私は餌に似ても似つかない変態ルアーで食えないブラックバスを釣っている。

しかし!お酒を1杯、2杯、3杯と交わしディスカッションしていくと、この一見 全く違うスタイルの釣りに、実は物凄く多くの共通点がある事に気づくのであった。

その1:擬似餌

フライフィッシングの場合、生き餌を使用せず、毛針を使う。その毛ばりはカラフルで美しく、実はあまり餌に似ていない。自分で作り始めるとどハマりする。

そして私のバス釣りの場合もやはり生き餌では無くルアーを使用する。同じく、自分でルアーを作り始める傾向にある。

その2:浮いてる

フライフィッシングというくらいだから、毛針に特殊なオイルを塗って水中に沈めない。

私の行っているトップウォーターフィッシングも絶対に水中に沈めない。同じくサーフェースだ。

しばらく私のルアーをみながら(チ●ポ型のとか)みんなで笑っていたが、私が本気で夜中に釣竿をかついで上流に行こうとしていると気づいたみんなは必死で止め始めにかかってきた。

「暗いから危ない」「お化けがでるよ」

いや、そんなの毎日ですから私は。

それでも必死に止めてくる。本当に命の心配をしてくれているんだ。さっき初めてあったばかりの見ず知らずの男を。

そしてあっちゃんは聞いてきた。

あっちゃん「久師さんって仕事何やってるの?」

久師「あ、ボク?ボク音楽家」

あっちゃん「なんて名前の?」

久師「galcidとかsaitoとか」

その瞬間に、もう全員がスマホでサーチし始めていて、気がついたら自分の音楽が焚き火台を囲んで鳴っていた。

さらに瞬時に私のインタビューやメディア記事などをサーチするみなさん。

もちろんNU VILLAGEに集まっている人たちなもんだから大好物だよね。

かなりの時間おじゃまして、「また会おう」と約束し、自分のテントに帰ったのは朝方だった。

 

NU VILLAGEのイヴェントが終わり、数日したらあっちゃんから突然連絡が来た。

あっちゃん「久師さん、すごいよ!マジでForce inc.とかミルプラトーから出てるんだね!ヤバイ」

久師「ヤバイよw」

 

あっちゃんチームはあの後、私の「沼」コラムを読破し、私に関して超絶詳しくなっていたのであった。

あっちゃん「そんでさあ、聞きたい事があるんだけど..........」

久師「どした?」

あっちゃん「釣り.........バス釣りやりたいと思って........」

 

でた〜!でました!思った通り術中にハマってる。

 

あっちゃん「道具、どんなのそろえればいいかな?」

こうなったら本気の人ですよ。

けっして安い道具では無い。ハッキリいって超高い。

それでも、あっちゃんは私のアドバイスを取り入れながら、自分オリジナルのタックルを組んできた!しかもOLD ABU(本場スウェーデン鋼を使った老舗のリールメーカー)を乗っけて!

さあ、こうなったら一緒に行くでしょ。

あっちゃんの家は埼玉。埼玉から道具を積んで千葉まで車を駆ってきた。

先ずは道具拝見と行こうか。

久師「何これ!!!!!!!バカじゃないの!!!!!wwwwwwwwww」

そう、このプードルみたいなルアーを1つだけ持ってきたw

一応言っとくが、あっちゃんって、アメリカCornell University出身のArchitecture, Art and Planningつまり、建築家なんだぜ!www

いや、さすがの色彩感覚w

そんじゃ早速お手並拝見といこうか。

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