主演・山田杏奈、森山未來・永瀬正敏共演『山女』 第35回東京国際映画祭コンペティション部門への出品が決定
(C)YAMAONNA FILM COMMITTEE
映画『山女』が10月24日から開催される第35回東京国際映画祭コンペティション部門に正式出品されることがわかった。
『山女』は、『リベリアの白い血』『アイヌモシㇼ』で民族やルーツにフォーカスを当ててきた福永壮志監督の最新作。『遠野物語』で紹介された民話にインスピレーションを得て、18世紀後半の東北が舞台にオリジナル脚本を書き上げた作品で、自然の脅威を前にした村社会の閉鎖性と集団性、また信仰の敬虔さと危うさをテーマに、主人公の少女・凛が自分の意志で生きていく姿を描いている。
主演を務めるのは、『ジオラマボーイ・パノラマガール』『樹海村』『ひらいて』『彼女が好きなものは』などの山田杏奈。本作では、食糧難に苦しむ村で人々から蔑まされながらも逞しく生きる少女・凛を演じている。また、神聖な森に住み、村人達から恐れられている謎の存在・山男を演じるのは、『モテキ』『苦役列車』『怒り』『アンダードッグ』などの森山未來。さらに、村で死体埋葬など汚れ仕事をして生計を立てる凛の父親・伊兵衛役で永瀬正敏が出演している。
左から、山田杏奈、森山未來、永瀬正敏
東京国際映画祭出品を受けた、主演の山田と福永監督のコメントは以下のとおり。
山田杏奈(主演)
凛でいた期間は私自身も夢と現実のはざまにいたように思い出します。
現代とは違う時代背景、環境の中でも
彼女が何と戦っているのか、彼女はどうしたら幸せになれるのかをずっと考えていました。
東京国際映画祭のコンペ部門に出品されると聞き、とても光栄ですし嬉しいです。
沢山の人に福永監督の描く世界が届くことを願っています。
福永壮志(監督)
『遠野物語』で書き記された数々の民話では、自然に宿る神々や化け物が絶対的な存在として描かれているのとは対照的に、人間は非力で浅はかです。その根底には自然に対する畏敬の念と、後世に向けた教戒が込められています。『山女』は、それらの民話にインスパイアされて新しく紡ぎ上げた物語で、「自然と人間」や「集団と個」といった現代の日本社会においても身近なテーマを扱っています。厳しい環境の中を必死に生きる主人公・凛を通して、この映画を観た人の心に何かを残せることを願います。
『山女』は2023年公開予定。