[Alexandros]川上洋平、ピンクの雲の出現により一歩も外に出られなくなった人々を描くロックダウン・スリラー『ピンク・クラウド』を語る【映画連載:ポップコーン、バター多めで PART2】

インタビュー
音楽
映画
2022.12.22

■いつだって希望は持っていたい

――[Alexandros]は緊急事態宣言が出ていた時期にリモートアルバムを作りましたが、『ピンク・クラウド』の世界でもリモート制作はできる。ただ、それが延々と続くというのはどう思います?

いやー、辛いですよ。この前のツアーファイナルは声出しOKになったんですが、感動しましたもん。お客さんもそうだったんじゃないかな。「こういう世界が戻ってほしかった」ってつくづく感慨深かった。俺、“ウィズ・コロナ”っていう言葉嫌いなんですよね。コロナなんかと一緒に生きるのなんてまっぴら。だって、“ウィズ・インフルエンザ”とか言ってなかったわけだしさ。意味はわかるけど言葉にしないでほしい。

――新たな現象が生まれると、そこに名前を付ける風潮が今はありますよね。

“ウィズ・コロナ”って言われると、それに捉われてマインドが奪われちゃう。“共存できたイコール打ち勝った”っていう風に思いたいんですよね。「何てことはないものになったんだ」っていう。人間は誰しも死ぬわけだけど、ずっと死に捉われて生きているわけじゃない。取り戻せるものは取り戻せるわけだから。

――そうですよね。

だからやっぱり俺は“ウィズ・コロナ”って言葉が好きじゃない。取り戻せた時の解放感には、“打ち勝った”って気持ちをすごく感じるし。それってすごいことだと思うから大事にしたいね。だから、『ピンク・クラウド』のジョヴァナはロックダウンが延々と続いて「もう無理」ってなってたけど、あの絶望感たるやものすごいだろうなと。ただ、いつだって希望は持っていたいなと思います。

『ピンク・クラウド』より

『ピンク・クラウド』より

■『ピンク・クラウド』は絶妙な間柄の人と閉じ込められる

――誰と閉じ込められるのがすごく重要だなといろいろと考えてしまいました。苦手な人とだったらどうしようとか(笑)。

「意外とあり!」ってなったりするのかもよ(笑)。

――ありになった方が自分としても良いですしね(笑)。

この前この連載で取り上げた『奈落のマイホーム』は陥没穴に閉じ込められた映画で、家族や隣人とかと一緒に閉じ込められたわけですけど、『ピンク・クラウド』は絶妙な間柄の人。『ゾンビの中心で、愛をさけぶ』っていう映画の設定にも割と近い。

――倦怠期の夫婦が力を合わせてゾンビの世界で生き抜くというストーリーの。

あれも好きでした。

――川上さんは『ビバリウム』の時は「(主演の)イモージェン・プーツとだったら一緒に閉じ込められてもいい」と言ってましたけど(笑)。

めちゃめちゃ良いでしょう! でも最近はカレン・ギランが好きですね。『デュアル』とか『アベンジャーズ』シリーズ、あと『ガンパウダー・ミルクシェイク』に出てる。この前、「東京コミコン」で来日してたんですよね。

──そうでした。次々回は「2022年カワカミー賞」を発表する予定ですから。

そうですよね。カレン・ギランはもう大本命ですね。って、全然関係ない話題で終わりかい!(笑)。

取材・文=小松香里

※本連載や取り上げている作品についての感想等を是非spice_info@eplus.co.jp へお送りください。川上洋平さん共々お待ちしています! 

上映情報

『ピンク・クラウド』
監督・脚本:イウリ・ジェルバーゼ/出演:ヘナタ・ジ・レリス、エドゥアルド・メンドンサ、カヤ・ホドリゲス、ジルレイ・ブラジウ・パエス、ヘレナ・ベケル
あらすじ:一夜の関係を共にしていたジョヴァナとヤーゴをけたたましい警報が襲う。突如として発生した正体不明のピンクの雲。それは10秒間で人を死に至らしめる毒性の雲だった。緊急事態下、政府はロックダウンの措置をとり、家から一歩も出られなくなった人々の生活は一変する。友人の家から帰れなくなった妹、主治医と閉じ込められた年老いた父、自宅に一人きりの親友……オンラインで連絡をとりあううち、いつ終わるともしれない監禁生活のなかで、彼らの状況が少しずつ悪い方へ傾き始めていることを知るジョヴァナ──。
2023年1月27日(金)新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開
©2020 Prana Filmes

アーティストプロフィール

川上洋平(Yoohei Kawakami)
ロックバンド[Alexandros]のボーカル・ギター担当。ほぼすべての楽曲の作詞・作曲を手がける。毎年映画を約130本以上鑑賞している。「My Blueberry Morning」や「Sleepless in Brooklyn」と、曲タイトル等に映画愛がちりばめられているのはファンの間では有名な話。

ライブ情報

Yoohei Kawakami's #room665 at Warehouse TERRADA 2022
 
▼日時
12/24(土) OPEN 18:30 / START 19:00
12/25(日) OPEN 18:30 / START 19:00
 
▼会場
天王洲・寺田倉庫 E HALL
 
情報
全席指定 6,600円(税込)
*未就学児童のご入場はできません/小学生以上はが必要になります
*枚数制限:お1人様1会場につき2枚まで(申込者様+同行者様)エントリー可
*特定・電子のみ
 
Streaming+にて初日12月24日(土)公演の生配信を行います。
※ご利用には「e+(イープラス)」への会員登録が必要となります(入会金・年会費は必要ありません)。
販売期間:12月17日(土) 15:30〜12月31日(土) 21:00
料金:¥3300
生配信:12月24日(土)19:00〜
※当日の状況によりスタートが遅れる場合がございます。ご了承ください。
※巻き戻し再生不可
アーカイブ配信:12月25日(日)22:00〜12月31日(土)23:59まで
 
■配信メディア
イープラス「Streaming+」についてはこちら
https://eplus.jp/streamingplus-userguide/
 
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