中田裕二×渡會将士、クラブチッタ川崎が仕掛けるツーマンシリーズ第二弾は「同世代で最も才能がある」と認め合う2人が登場
中田裕二
――お互いの最新作のことも聞かせてください。中田さんは11月にリリースした『変幻自在-TOUR 22 LITTLE CHANGES LIVE & DOCUMENTARY-』という、映像とCDのセット。どんな作品ですか。
中田:もう20年ぐらいやってるんで、普通にライブすることに飽きてるというか、お客さんも見飽きてるところがあるのかな?と思って。今回の「変幻自在ツアー」というのは、2,3か所ずつ、曲も変えて、演奏形態も変えて、メンバーも変えるということをやっていて、同時に弾き語りツアーもやるという。
渡會:うわー。リハがえぐそう。それを全部追っかけたみたいな?
中田:全部ではないけど、いろいろ撮ってもらって、オフショットとかも。今年の活動をぎゅっとまとめた果てに何が見えたのか?ということですね。あんまり何も見えなかったですけど。
渡會:あははは。
中田:それは冗談ですけど(笑)。でも、たぶん10年前だったら絶対にできなかったと思います。だから、音楽人として成長できたなっていう実感はあります。成長って、普段はあんまりわからないんですよ。全然成長できてないなって思うことばっかりなんですけど、こうやってまとめてみると、これはやっぱり今だからできたのかなって思うものを、お客さんに見てもらいたいなと。
――そして渡會さんのリリースは、12月に出たブルーレイ作品の『After New School』。
渡會:これは、裕二くんにもゲストで出てもらった配信番組をまとめたやつなんですけど。基本的に、渡會将士という人の情報が取っ散らかってるので、ソロなのか、brainchild’sなのか、本を書いてる人なのか。
中田:イラストレーターなのか。
渡會:最近だと、ウェブで漫画も連載してるんで。それはもう完全に趣味なんですけど、そっちの原稿が忙しすぎてほかの仕事ができない(笑)。趣味で始めたものが自分を圧迫するような、暴走機関車気味のところがあるので、「母体はこんな感じですよ」と紹介する作品みたいな感じなんですけど。そしたら、さっき言ってくれたみたいに、昔のバンドメンバーが出て来て、オレのことをボロカスに言うみたいな(笑)。
中田:ソロですごい頑張ってるのに、「バンドのほうがいんじゃね?」とか。オレだったら傷つくようなことを(笑)。
渡會:それを言ってた奴とは、居酒屋でギャーギャー言い合える仲なんで。
中田:それぐらい信頼関係がある。
渡會:この作品で渡會将士のことがわかるかな?と思ったんですけど、泥沼が深いなーという感じになった(笑)。まあでも、そこまでの活動の区切りみたいなものは作れたかな?と思うんで、ひとくくりという感じの作品になりました。
中田:自分でおさらいしてまとめるというのは、すごい重要ですよ。
渡會:うん。これを出すことで、お客さんよりも自分のほうが、認識があらたまったというか。
渡會将士
――みなさんぜひ、どっちもチェックしてください。さあそして、新たにクラブチッタ川崎でのツーマンライブが決まりました。2月1日の、『MY CITY TOWN~中田裕二×渡會将士~』。どんな内容にしたいか、どんな思いで臨むか、今思っていることは?
中田:久々に共演できるのを楽しみたいなということと、何をセッションしようかなと思っているんですけど。
――それはもう、チャゲアスしかないような気が(笑)。
中田:そうなんですよ(笑)。何の曲をやろうか?って。
渡會:僕が連れて行くキーボーディストの男の子と、一緒にカバーバンドもやってるんだけど、その子にお願いしたら、たいていの無理難題はフルでやってくれるんで。ラッパの音とかもほぼほぼ出せるんで、チャゲアスの完成度を求めに行くのは全然ありかなと(笑)。曲を決めて、キーさえ決まれば、あとは「譜面起こして」って言う感じで。
中田:じゃあ、あれやってもらいますか。ピアノが印象的なイントロの、「P」から始まる曲を。あれをキーボーディストの人にやってもらうと、めちゃくちゃいいと思うんですけど。
渡會:ああ! あれは感動的。じゃあ、やっぱりベースも呼ぼうかな。そのためだけに(笑)。
――もう何でもやっちゃってください。
中田:最新作がめちゃくちゃ良かったんで、それも聴けるのがすごい楽しみです。新曲もやりますよね?
渡會:はい。編成ってどうします?
中田:僕は一人で。
渡會:自分は弾き語り半分と、ドラムと鍵盤を入れた形とで。
中田:僕が共感してるのは、ワッチがどこにも馴染めていないところなんですよ、音楽性が。でもいい曲はめちゃくちゃあるし、歌もめちゃくちゃうまいし、世の中がもっと評価しろよって思います。
渡會:いやいやいや。
中田:この二人の、圏外にいる感じを、すごい楽しんでほしいと思います。独特の、誰にもかぶらないことをやってる二人がそこにいる面白さというか。だからすごい楽しみだし、同世代の中で一番才能があると思ってるんで、非常に貴重な共演になるんじゃないかなと思います。
渡會:......お菓子持ってくればよかったな(笑)。おそらく二人とも、誰々風とか、このジャンルめがけて音楽をやるとか、そういうことではないと思うんで。それもあって、似たようなミュージシャンが少ない、なんだったらいないぐらいの、変な立ち位置にいるなというのはあると思うんで。すごいマニアックで面白いイベントだと思うんですよね。
中田:唯一無二が二人いる。それが僕らの強みだなと思います。なんか、ユニットみたいになってますけど。やっぱりオレたちチャゲアス?(笑)。
取材・文=宮本英夫 撮影=大塚秀美
渡會将士 / 中田裕二
イベント情報
2023年2月1日(水) クラブチッタ川崎
OPEN 19:00 / START 19:30
[出演]
中田裕二 / 渡會将士
指定席 前売券 ¥4,500-(税込)ドリンク代別