中村隼人&市川染五郎よりコメント到着 歌舞伎座4月公演『新・陰陽師 滝夜叉姫』で相棒役 

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2023.3.13
(左から)市川染五郎、中村隼人   撮影:永石勝

(左から)市川染五郎、中村隼人   撮影:永石勝

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新開場十周年を迎える歌舞伎座にて、新開場十周年記念『鳳凰祭四月大歌舞伎』として、歌舞伎座の座紋の鳳凰丸と冠した公演が行われる。この度、昼の部『新・陰陽師 滝夜叉姫』に出演する中村隼人市川染五郎から公演へ向けたコメントが届いた。

『鳳凰祭四月大歌舞伎』の昼の部で上演するのは、夢枕獏が描いた伝奇小説「陰陽師」を原作とする『新・陰陽師 滝夜叉姫』。10年前、歌舞伎座新開場の際にも上演された本作品。この度、市川猿之助の脚本・演出のもと次代を担う花形俳優が顔を揃え、新たな「陰陽師」を生み出す。

安倍晴明を勤める中村隼人   撮影:永石勝

安倍晴明を勤める中村隼人   撮影:永石勝

源博雅を勤める市川染五郎   撮影:永石勝

源博雅を勤める市川染五郎   撮影:永石勝

物語の主人公・稀代の陰陽師である安倍晴明を演じるのは中村隼人。そして、その親友で笛の名手・源博雅を演じるのは市川染五郎。共に平成生まれで、歌舞伎はもちろん、映像作品や一般演劇など活躍の場を広げる二人が、相棒役で共演する。

中村隼人・市川染五郎 コメント

ーー10年ぶりの上演

隼人:10 年前に幸四郎さんを中心に、ほぼ同世代で上演なさった作品を上演するということで、まさか自分が見ていた作品を、時を越えて自分がさせていただけるとは思わず、びっくりしました。

染五郎:僕も「まさか」という感覚でした。10年前に拝見した時も、こんな歌舞伎もあるんだというインパクトがすごくて、今でもそれが強烈に残っているので、それを猿之助のおにいさんがどのように生まれ変わらせるのか気になるなと思いました。

(左から)市川染五郎、中村隼人   撮影:永石勝

(左から)市川染五郎、中村隼人   撮影:永石勝

ーー相棒役を勤めるお互いの印象

隼人:本当に、自分より一回り下とは思えない落ち着きだったりとか、歌舞伎の舞台で共演したり、舞台を拝見して、雰囲気をもった役者さんだなと思っているので、こういう機会に共演できることは本当に嬉しいです。二人で行動する場面が多いので、色々と相談して作っていけたらなと思っています。

染五郎:これまで共演の機会は少なかったのですが、舞台を拝見させていただいたりして、すごく明るさを持っていらっしゃるような気がしていて、そんなおにいさんがどんなふうに晴明を作られるのかがすごく楽しみです。親友という関係性ですので、お互い心を許して、二人の平和なシーンではリラックスした、落ち着いた空気感にできればいいなと思っています。

ーー公演への意気込み

隼人:この『新・陰陽師』という作品で、晴明という役は物語の核を担う役だと思っているので、一本筋の通った、そして風情のある安倍晴明にしていきたいと思います。

染五郎:晴明が少し人間離れした人物でもありますので、僕はそれと対照的に博雅のピュアなところ、人間らしいところ、かわいらしいところというのを大事に、新しい博雅を作りたいなと思っています。


歌舞伎座新開場十周年記念『鳳凰祭四月大歌舞伎』は歌舞伎座にて、2023年4月2日(日)~27日(木)に上演される。

公演情報

歌舞伎座新開場十周年記念
『鳳凰祭四月大歌舞伎』
日程:2023年4月2日(日)~27日(木)【休演】10日(月)、17日(月)
会場:歌舞伎座

昼の部 午前11時~
 
夢枕 獏 原作(「陰陽師 瀧夜叉姫」文春文庫)
石川耕士 監修
市川猿之助 脚本・演出

新・陰陽師(しんおんみょうじ)
滝夜叉姫
蘆屋道満宙乗り相勤め申し候
 
新開場から十年の時を経て、世代も新たに蘇る『陰陽師』の世界!
 
安倍晴明:中村隼人
源博雅:市川染五郎
平将門/村上帝:坂東巳之助
滝夜叉姫/如月姫:中村壱太郎
興世王:尾上右近
桔梗の前:中村児太郎
俵藤太:中村福之助
大蛇丸:中村鷹之資
源八坊:市川青虎
琴吹の内侍:市川寿猿
式神密夜:市川笑三郎
式神密虫:市川笑也
藤原忠平:市川猿弥
藤原実頼:市川中車
三上山の山姥:市川門之助
蘆屋道満:市川猿之助

夜の部 午後4時~

世瀬川如皐 作
一、与話情浮名横櫛(よわなさけうきなのよこぐし)
木更津海岸見染の場
赤間別荘の場
源氏店の場

与三郎:片岡仁左衛門
お富:坂東玉三郎
蝙蝠安:片岡市蔵
番頭藤八:片岡松之助
五行亭相生:市村橘太郎
海松杭の松五郎:中村吉之丞
お針女お岸:中村歌女之丞
赤間源左衛門:片岡亀蔵
鳶頭金五郎:河原崎権十郎
和泉屋多左衛門:市川左團次

河竹黙阿弥 作
二、連獅子(れんじし)
 
狂言師右近後に親獅子の精:尾上松緑
狂言師左近後に仔獅子の精:尾上左近
僧蓮念:坂東亀蔵
僧遍念:河原崎権十郎
 

作品情報

『新・陰陽師 滝夜叉姫』あらすじ・みどころ
 
時は平安時代。故郷である東国の民のために朝廷に反旗を翻した平将門は、興世王らと関八州を掌握します。
朝廷はこれを放っておくまいと、将門の旧友である俵藤太に将門討伐の勅命を出します。藤太は、帝の寵愛を受ける桔梗の前を恩賞に所望し、それを条件に、東国へ向かうことを決意。そこへ、妖術遣いの陰陽師・蘆屋道満が現れ、将門を討つためにと藤太に一本の鏑矢を贈りますが、道満のその姿からは、いかにも怪しい雰囲気が漂います…。この鏑矢を手に東国へ赴き将門を討った藤太ですが、打ち落としたはずの将門の首はどこかへ消え、行方が分からなくなってしまいます。

さて、この一件で将門の祟りを案じるのは、都で評判の若き陰陽師・安倍晴明と友人で笛の名手である源博雅。ある日二人は、糸滝と名乗る娘に出会います。博雅が一目で心奪われた美しき彼女の正体は、実は将門の妹・滝夜叉姫で…。怪異の続く京の都で、渦巻く陰謀。将門の蘇生を企む者たちに、大蛇丸らの加勢を得た安倍晴明たちが立ち向かいます。

平安時代に実在した陰陽師・安倍晴明。彼を主人公に夢枕獏が描いた伝奇小説「陰陽師」は多くの人々の心を掴み、一大ブームを巻き起こしました。コミックをはじめ、映画、テレビドラマと様々なジャンルでも取り上げられたこの人気小説をもとに、平成25(2013)年、新開場した歌舞伎座で初めての新作歌舞伎として上演されたのが『陰陽師 滝夜叉姫』です。この度、新開場十周年を記念して次代を担う花形俳優が顔を揃え、新たな「陰陽師」の世界が誕生します。歌舞伎ならではの演出や工夫が凝らされた、壮大なスケールでお届けする注目の新作にご期待ください。
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